-
HANSON-ROBERTS TAROT DECK
Mary_Hanson-Roberts 氏によるロングセラー。今ならポケットサイズとかミニサイズと云われる小型タロットも多く出版されているが、コレの発行当時はその小ささ(2.37x3.87インチ)・取り扱い易さが出色だった。 そして恐らくはカードサイズの圧縮に伴ってイラストが見えづらくなることへの対応として、RWSの絵柄に準拠しつつ全体に人物を大きく描いている。頭身バランス等の点で好き嫌いが分かれるようだが、RWSに描かれた象徴要素の再配置など、非常によく考えられた構図が多い。 手元にあるのは窓付きのケース入りで、比較的古い方の版になる。最近のは窓無しで[Queen of Rods]が描かれたパッケージに。 #Mary_Hanson-Roberts
U.S. Games Systems 1985 米Hirot
-
OSTARA TAROT
カナダのイラストレーター Morgan Applejohn, Eden Cooke, Krista Gibbard, Julia Iredale の4氏による春の女神デック。4人それぞれ絵柄は異なるが、どれも美しい水彩調イラストは少々アジアンな雰囲気……というかMANGAの影響も感じられる。 装丁はSchifferらしく豪華で、かっちりしたマグネットBOXに100頁を超えるカラーブックレット付き。カード縁のメタリック加工も素晴らしい。
Schiffer 2017 米Hirot
-
The STEAMPUNK TAROT
スチームパンクというジャンル(あるいは世界設定)については、その定義やイメージが未だ万人に共通化されていない(そして恐らくは将来的にもされないーーSFという言葉と同様に)が、そんなことは差し置いて、このデックはカッコイイ。Alastair(Aly) Fell氏らしく人物は女性が多いものの、その凛々しさと云ったらもう。 小アルカナも含め流用イラストではなさそうだけど、特にお気に入りは写真8枚目の「節制」と「悪魔」。もうなんというか「これがスチームパンク!」と言い切る力強さがある。 そして特筆しておきたいのが「愚者」の白い犬の愛くるしさ。世界中の可愛い系タロットを含めてもトップクラスに可愛いよ、きみ。 #Barbara_Moore
Llewellyn 2012 米Hirot
-
THE GILDED TAROT
イタリアのCGアーティスト・Ciro Marchetti氏の著名デック。中世とスペースファンタジーが混在するイラストは、黒いボーダーやリアルな画風のせいか少々ダークな印象があるが、実はきわめてソフトな描写になっており(写真8枚目など)「怖く無いタロット」に分類する。剣が刺さっていないソードの10など、RWS準拠系では実際珍しいといっていいレベルでは。 手持ちのLlewellyn版には Barbara Moore氏の解説書が付属しているがこのデックは完全にCiro Marchetti氏によるものであり、解説書はほぼ一般的なRWS入門書という感じ。 #Ciro_Marchetti #Barbara_Moore
Llewellyn 2004 米Hirot
-
Llewellyn's Classic Tarot
かの Barbara Moore氏のRWSクローン。シカゴのイラストレーター・Eugene Smith氏によるイラストはClassicの名の通りほぼRWSに忠実で、なのに時折大胆に構図を変えたりしてくる。その変更は主に描かれる象徴をより明白にする感じで、つまりはものすごく読みやすくなっている。これからRWS系でタロットを始めようという初心者に文句なくお勧めできるデック。 #Barbara_Moore
Llewellyn 2014 米Hirot
-
MYSTIC FAERIE TAROT
UKの妖精画家・Linda Ravenscroft氏の水彩イラストが美しいフェアリーデック。初版は2007年発行……なんだけど、手持ちのものはカードがボーダーフレームの無いデザインになっており、これがいつ頃からそうなのか不明。Llewellynのサイトを見ると現行品では、ガイドブック付きのボックスキットはフレーム無しカードで、カード(+小冊子)のみのものはフレーム付きになっている模様。(ガイドブック付きBOXでも当初はアールヌーボー調のボーダーフレームデザインだったのがyoutubeなどでも確認できる) イラストは日本人の妖精観に近い感じで親しみやすい。小アルカナは各スート毎に物語になっているので、ストーリーを把握しているとすごく読みやすくなる。 #Barbara_Moore
Llewellyn 2015? 米Hirot
-
THE HOUSEWIVES TAROT
テーマは50年代アメリカ主婦の生活(基本的には家事)。レシピボックスを模した丈夫なケースに、二色刷りでしっかりした楽しい解説書。カードの質も悪くなく、こんなニッチなタロットセット(しかもフルデック)が$20未満で出るというのがもうねぇ、こういう処はやっぱり合衆国が羨ましい。(今はAmazonのおかげで日本にいても2000円未満で買えるんだけど、出版されること自体がですよ) いやほんと解説書が楽しいので、どこか日本語版出してくれないだろうか。
QUIRK BOOKS 2004 米Hirot
-
The Fantasy Showcase Tarot
普段タロットカードを眺めるときにはモチーフの一貫性とかスート毎の絵柄の統一性とかが割と気になる方なんだが、このデックくらいはっちゃけていると、そんな視点はホントどうでもよくなる。大アルカナ24枚に小アルカナ15×4=60枚で84枚もある(通常より6枚も多い)のに、それを全て別のアーティストに描かせているのだから。 SFファンダムの巨人・Bruce Edward Pelz 氏が11年かけて完成にこぎつけたこのカードセットには、水彩調だったり油彩調だったりリアルCGだったりカートゥーンだったり抽象画だったり中世的だったりSF的だったり、それこそファンタジーアートならなんでも詰まっている。
Morgan Press 1980 米Hirot
-
PAPUS TAROT DECK
PAPUSというのは、スペイン生まれのフランスの内科医で有名な魔術師・Gérard Anaclet Vincent Encausse 氏のペンネーム。彼が1909年に著した「le tarot divinatoire (タロット占術)」はそれ以降のタロット解釈に大きな影響を残している。同著に記されたイラストを基に1981年になってフランスでカードセットが作成され、翌年にU.S.Games社が英語版を出版した。 カード裏面のアンクが示すように、エジプト的なイラストが鮮やかで陰影の強い画風で描かれた力強いデック。pipは当然数札だが、単にアイコンを並べるだけではなく饒舌に語りかけてくる工夫と強さがある。個人的に好きなのは[塔]の荒々しさと[審判]の清々しさ。
U.S. Games Systems 1982 米Hirot
-
Mystical MANGA TAROT
Barbara Moore 氏による最新のMANGAタロット。イラストは フランスの漫画家兼イラストレータ・RANN 氏。立派なBOX入りで、200ページ超のフルカラー解説書付き。絵柄としては、中世ヨーロッパ感の強い「タロット的」な感じでほぼRWS準拠。 まさに現代MANGAっぽい画風で、カードを眺めていると正直pixiv閲覧中の気分になる。つまりテーマどおり正しくよくできたデック。 #Barbara_Moore
Llewellyn 2017 米Hirot
-
TAROT DICE
これは明らかにタロットカードではないが、クロスやポーチなどの用品でもない。まさに「タロットダイス」としか云いようのない品物。 要は大アルカナ22枚+小アルカナ56枚=計78枚を、13個の6面体ダイスに割り振ったという、シャッフルのいらないタロットともいうべきセット。ダイスはだいたい一辺1インチのしっかりしたもので、厚手のビニール製っぽいスプレッド(?)シートも付属。唯一の難点は「同一ダイスに割り振られたシンボルは絶対に同時に出ない」ことなので、本気でリーディングに使うなら2セット欲しいかな。ただ、その場合同じシンボルが2つ出る可能性があるんだよなあ。 シンボライズは結構秀逸で、[節制](杯から杯に水を注ぐ図)や[隠者](ランタンを持つ手)など、ちょっと基本を知っていればすぐに判別可能。
Tarotocy INC. 2002 米Hirot
-
The H.P. Lovecraft Tarot
2002年発行のラヴクラフトタロット。クトゥルフモチーフのタロットカードというのは世界中で同人や自費出版で(あるいはKickstarterで)作られ続けており、これもその一つと思われるが、ちゃんと Arkham House の許諾を受けてしかもパッケージやカード裏面にはラヴクラフト本人のご尊顔という、なかなかにそそられる品。カードサイズも大きく、ほぼハガキと同レベル。 ただし22+14×4という構成は守っているものの、その内容は独自のもの。小アルカナは MAN(人物) / ARTIFACTS(遺物) / TOMES(文書) / SITES(場所) の4スートとなっており、さながらちょっとした図鑑とも。(それぞれ14ずつしか無いので物足りないかもだが)
Mythos Books LLC 2002 米Hirot
-
TAROT Erotica by Lori Walls
合衆国のコミック作家(と思われる) Lori Walls 氏によるタロットデック。小アルカナも含めてちゃんとリーディングのできるイラストで、一見(写真3〜5枚目あたりのカードを見る限り)エロタロットとして分類することに躊躇するレベル。 だが、6枚目7枚目に示す通り大半のイラストの象徴やモチーフは性的なものに特化しており、かつその描写の直接性も考慮すると、ここに置かざるを得ない。同性愛や乱交などはもちろん、異種姦や小児性愛・屍姦を思わせるものまで含まれる。ただ、女性の描くエロティックイラストらしく、チクリとくる毒やクスリとさせる達観が感じられ、その辺りもタロットカードという媒体に合っているという気がする。
Q.E.D. Games 1999 米Hirot
-
FANTASTICAL CREATURES TAROT
各国の神話や伝承上の生物たちを水彩画で描いたデック。イラストは Lisa Hunt 氏。 いわゆる妖精系ではなく怖そうな生き物も多いが、基本的に優しい画風なので「爬虫類や人面獣はどうしてもダメ」な人でなければ大丈夫ではないかなと。 ちなみに河童や天狗なんかも参戦してる(写真6枚目)。あと Japanese Ho-Ho っていう鳥がいるんだが、これはどうやら鳳凰らしい。Japanese?
U.S. Games Systems 2007 米Hirot
-
TINY Universal Waite TAROT
「Hanson-Roberts Tarot」で名を馳せる Mary Hanson-Roberts 氏がRWSを色鮮やかに描き直した「Universal Waite Tarot」の、超ミニサイズ版。カードサイズは驚異の20mm×35mm。 持ち運びがし易い……が、外出先で展開など不可能。手が滑ったり風が吹いたりしただけで大変な事になる。絵からインスピレーションを受けるのも難しく、RWSの全象徴が頭に入っていてカードの絵からそれがすぐに引き出せる人向け。 #RWS #Mary_Hanson-Roberts
U.S. Games Systems 1999 米Hirot