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囚われた国家
原題: Captive State 「現代社会の写し絵」がどうのこうのと能書きたれたい人にはもってこいの映画。でも、合衆国なんか別にエイリアン来なくても勝手に自治組織作って暴れてるじゃん。映画なんかとっくにおいてきぼり。 「映画館で」鑑賞するからには、なにかこう「見て面白い」ものが欲しいわけで。ちらっと予告に移ってたモビルスーツ、あれ、エイリアンのなんだってな。うほほ。ガンキャノン持ってきたエイリアンに、素手の地球人が立ち向かうのか。こりゃ燃え燃えの展開じゃね? と思ったら。ガンキャノン様は遠くの方で立ってるだけでした。動くどころか。近寄りもしなかった。がっかり。 で。パンフレットですが。パンフレット作った人も「がっかり」だったのかなあ。えらいこと薄いです。力入ってません。まあその。このありきたりな映画に力入れてパンフレット作れと言われても、そりゃ困るでしょうが。
社会派(笑) 監督 ルパート・ワイアット 750円 映画館BLACK
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トゥモロー・ワールド
原題: Children of Men うん、「子供が生まれない世界」って設定そのものにはツッコミ入れるつもりはないんだ。でも、その世界でテロやったり戦争やったりしてる人たちの動機がわからないままエンディングになっちゃって、全然消化不良のまま席を立った記憶がある。テロにしろ政治にしろ戦争にしろ「自分の子供たちによりよい世界を残したい」から命をかけられるわけで。単に破壊工作して何になる。あと、「長回し」がやたら映画ファンにうけてるけど、そんなに重要かな? 長回しすることで、何事かテーマが際立ってたかしら。 パンフレット読んでもそこいらのもやもやは解消されず。「撮影タイヘンだったわー」は書いてあるけど、で、何を見せたかったのはよくわからん。パンフの体裁はごく普通のもの。真ん中折り。真ん中見開きにネタバレ写真あったりする。
社会派(笑) 監督 アルフォンソ・キュアロン 600円 映画館BLACK
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RENT/レント
「私たちは芸術家なので、家賃を踏み倒そうが乱交してエイズになろうが問題ないよね」とでかい声で歌っちゃってる。いやあ、すげーな。そんなことしたらますます肩身が狭くなるだろうに。そういう「芸術家の皆様」をわざと持ち上げて落とす話かと思ったけど、割と本気でそういう無茶言ってるのな。でもってこの映画(ミュージカル)見て喜んでる一般人もたくさんいたりして。よくわからん。 パンフレットは普通サイズ。映画版のシナリオを丸ごと掲載してる。いいんかこれ? そやって普通のページ数なのにシナリオ入れてるから、スタッフキャストの一覧は、なんと裏表紙に印刷してある。おやおや。
社会派(笑) 監督 クリス・コロンバス 700円 映画館BLACK
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ザ・プレイヤー
The Player 大金使った壮絶な楽屋落ち映画。カメオがそらもう豪華なんだけど「カメオが豪華」を売りにするってこたぁ、まあ、それ以外の売り物が弱いってことだよね。 パンフレットもカメオ出演してる役者について、詳しく説明してる。答え合わせかな? 2回見る人はいたんだろうか、と思ったら、一番最後のページはレーザーディスクの広告。なるほど、カメオはディスクで確認してね、と言うわけか。
社会派(笑) 監督 ロバート・アルトマン 500円 映画館BLACK
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イーグル・アイ
原題:Eagle Eye 監視社会モノと言えばいいのか暴走コンピュータモノと言えばいいのか。「命令を文字通りに解釈してしまう怖いコンピュータ」はキューブリックが半世紀も前にやってる(2001年)んだがなぁ。 主演は「巻き込まれ型主人公」でおなじみシャイア・ラブーフ。ほんとに「何で僕がこんなことに」な表情が似合いすぎ。パンフレットの表紙からしてそんな顔だ。 そのパンフレットは真ん中折の普通のもの。文字ばっかり。いやまあ、映画そのものが取り立ててビジュアルに頼ってないんでこんなもんか。
社会派(笑) 監督 D・J・カルーソー 700円 映画館BLACK
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ラースと、その彼女
Lars and the Real Girl 「キモヲタはキモいけど、差別しないようにしましょう」って映画だと思ってた。でも、主人公は全然キモヲタでなく、むしろ陽キャラ寄り(なにせあだ名がミスターサンシャイン)だった。やはりキモヲタは差別していいと思われているらしい。まあ、ライアン・ゴズリングだからな。キモイキャラにするにも限度があらぁな。 パンフはうんと小さめ。ハードカバー。他のパンフレットとの違いを出したかったのかしら。でもおかげで、写真も字もちぃさくてさ。老眼始まった目には優しくない。
社会派(笑) 監督 クレイグ・ガレスピー 700円 映画館BLACK
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グリーン・ゾーン
Green Zone 制作費1億ドルだって。これが? とか思わなくもないけど、まあ見えないとこにお金かかってるんでしょう。つかまあ、日本で100億円かけて「政府のインボウを暴く」映画が作れるかってぇと絶対無理なんで、ある意味うらやましくはあるね。 パンフは一見普通なんだけど、折り込みでストーリー紹介してる。ストーリー紹介にわざわざ折込を使わなくても、とも思いますが、ははぁ、これが「見えないところに使った100億円(の一部)」なんだな、と無理やり納得しよう。
社会派(笑) 監督 ポール・グリーングラス 600円 映画館BLACK
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第9地区
原題: District 9 「南アフリカ出身の俺っちが、アパルトヘイトをテーマに映画を作ると言ったら、意識高い系の皆さんがお金出してくれるんじゃねぇ?」 「いいねぇー」 「そんでもって、一見それっぽいストーリーにして、UFOとかエイリアンとかロボットスーツとか出しちゃえば『SF映画の皮を被った社会派』とか言って持ち上げられるんじゃね?」 「いいねー」 ……もうね、ぜったいそんな会話あったに違いない。こんなん、社会派でもなんでもねえ。単に監督が撮りたい物とっただけじゃねぇか。そして、(お金と技術と腕があれば)「撮りたい物をとった」映画は、傑作が多いわけで。いやー面白かった。 パンフレットも、おー、騙されてますなー。「差別意識の鏡としてのエイリアン」とか小難しいページもあるぞ。
社会派(笑) 監督 ニール・ブロムカンプ 不明 映画館BLACK