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Escape to Nowhere(CMJ #156)
Escape to Nowhereは、独ソ戦における1943年12月から1944年4月の間のソ連軍の攻勢を扱うシンプルなシステムによるゲーム。いわゆるコルスン包囲戦の前後を扱ったゲームとなります。 ルールはシンプルですが、システムは個性的。将棋のように、互いに1ユニットずつ移動または攻撃のどちらかを行っていきます。これがなかなかに戦局を流動的にしていきます。次の手番で戦闘するために接敵したのに、相手の手番で後退されてしまい攻撃できなくなったり、どの地域を重視するかによって、駆け引きが生じたり、シンプルながらも考えどころが多くなっています。一コマの移動、戦闘行動が重みを持つ好ゲームでした。
作戦級 可能 あり 国際通信社ファイトいっぺい
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カタン 宇宙開拓者版
カタン宇宙開拓者版は、カタンを宇宙でプレイするもの。カタンの拡張版ではなく、これ単独で遊ぶことができます。 カタンは、道路をつなげていき都市開拓を進めるものでしたが、宇宙カタンは、移民船を作って他の恒星系まで到達してコロニーを作っていくゲームとなっています。 面白いのは、移民船などを飛ばす場合、プラスチック製の宇宙船を振って出た目で移動距離が決まってくるというシステム。宇宙船を振ると、二つのカラーボールが出てきて、その組み合わせで移動距離が決まります。このとき、黒いボールが出ると、突然ワープしたり、海賊が襲ってきたりします。しかも、その際、何らかの判断が迫られ(逃げるとか、リソースを渡すとか)、その結果何らかの効果も受けることになります。 宇宙船は改造可能であり、推進力を上げたり、貨物室を増やしたりできます。これらは、リソースの支払いにより可能です。 普通のカタンに加えて、新しい要素が付け加わるため、より面白いゲームになっています。 ただし、結構場所をとるので、広いテーブルが必要です。
3-4 あり GP Gamesファイトいっぺい
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アルナックの失われし遺跡
アルナックの失われし遺跡は、文明の痕跡が残る無人かつ未開拓の島を探索し、過去の遺跡を発見するゲーム。ゲーム分類的には、ワーカープレイスメント、デッキビルド、リソース管理系のゲームとされています。 プレイヤーは、探索者を乗り物に乗せて遺跡を発掘にいきます。すると、ゴールドや宝石などのリソースが得られます。奥地に行くと、守護者が眠っており、守護者を倒さないと恐怖カードを得て、勝利点がマイナスになります。守護者を倒すと、勝利点が得られる他、ボーナスがつきます。一定のリソースがあると、研究を進めることができ、それによってリソース、勝利点、助手を得ることができます。 研究を進めていくと、古代の寺院を発見できます。これも勝利点になります。 カードについては、ゴールドトークンと羅針盤トークンで購入でき、カードをプレイすると、ボーナスが得られ、リソースを得たり、特殊な行動ができたりします。 マップは表裏があり、裏の蛇の寺院は研究トラックや移動コストが表と違っています。 リプレイ性も高く、面白いゲームです。
Czech Games Edition 可能 ありファイトいっぺい
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ニミッツの決断
ニミッツの決断は、1942年から1945年の太平洋戦争をソリティアで再現するシミュレーション。手順は複雑ですが、システムの根幹は移動と戦闘を繰り返すオーソドックスなもの。戦闘に関しては、陸海空が参加するので、手順は込み入っていますが、難しいものではありません。 ルールブックは、最初の数ページが総論的なもので、その後は、シークエンスごとに章立てされています。従って、最初の数ページを読んでから、いきなりセットアップし、ルールブックを読みながらプレイを進めることができます。数ターン繰り返せば、ルールを覚えることができます。
戦略級 ソリティア専用 あり 国際通信社/Dan Verssen Games(DVG)ファイトいっぺい
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マッシヴ・ダークネス
マッシヴ・ダークネスは、ダンジョンを探索する協力型ゲーム。 ダンジョンを探索(扉を開けると、宝物や敵が出てくる)して宝物を入手しながら、次々と沸いてくる敵を倒して経験値を積み、レベルを上げてきます。レベル上げは、1つのシナリオの中で可能です。勇者は、各シナリオをレベル1からはじめ、シナリオクリア時にはレベル3~5くらいになります(最大5)。ただし、全シナリオを通して行うストーリーモードでは、レベルの上がり方がゆっくりになるので、全シナリオを通してレベル上げを行うことになります。 ソロプレイも可能となっておりますが、協力型なので、一人で複数の勇者を受け持つことも可能です。勇者が一人だと、クリアが難しい印象でした。また、協力型のゲームは、複数プレイヤーで進め方について話し合うところが面白いので、ソロより2名以上で行う方が断然面白いと思います。 戦闘システムは、攻撃側と防御側が専用ダイスを振って、効果を判定するシンプルな方法。この判定は、装備、アイテムの効果やキャラ固有の能力によって修正されていきます。 シナリオは10ですが、追加シナリオも販売元から2つ公開されています(R3.1.24現在)。キャラクターは、6名ですが、追加キャラが公開されています。
Guillotine Games 可能 ありファイトいっぺい
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テラフォーミング・マーズ
テラフォーミングマーズは、火星の地球化を競う有名なボードゲーム。R2.12からユーロ系ボードゲームに興味を持ち始めたので、購入してソロプレイしてみました。R3.1.3からプレイし始め、R3.1.11現在、毎日プレイしています。 システムは、三つの地球化指数を最大にする間、勝利点を稼ぐことを目指すカードアクションゲーム。 公式拡張モジュールも充実、同人モジュールも開発されており、有志により日本語化もされています。 写真は、公式拡張モジュールのケレスマップを使い、ヴィーナス・ネクストとコロニーズ、および同人モジュールのPathfindersを採用して拡張した図。Pathfindesの企業Mars Mathesを使ってテラフォーミング化に成功し、98点取ったときのものです。 ソロプレイの場合、大前提としてテラフォーミング化に成功しなければ負けとなり、勝利点の計算はテラフォーミング化に成功することが前提となります。このため、勝利点を稼ぐためだけのカードはプレイしにくくなります。加えて、世代が14世代までしかプレイできないため、14世代までに得られるメガクレジットと購入コストを比較して、必要ないカード(テラフォーミング化に必要ないことが前提)も使いにくくなります。死にカードを減らすため、自家版ソロプレイルールを考えるのも面白いと思いました。例えば、世代を16位までに伸ばして、テラフォーミングに成功しやすくして勝利点で(過去の自分と)競うとか。BGGでは、英語版でソロプレイルールが公開されているようですが、今のところ未確認です。 しばらくの間、はまりそうなゲームです。
Fryxgames あり Arclight Gamesファイトいっぺい
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ディスカバー:未知なる大地へ
ソロプレイできるボードゲームとして自己2個目となる「ディスカバー:未知なる大地」をプレイしました。プレイはR3.1.2が初。 このゲームは、サバイバルゲームというジャンルになると思いますが、最も特徴的なのは、内容物がパッケージごとに全部違うということでしょう。コンポーネントが同じものは2つと無いそうです。具体的には、マップ(自分のは、砂漠とバイユーでした。他にも島マップ、渓谷マップなどいくつかあるようです)、モンスターの構成、キャラクター(36人のうち12人分入っている)などの各構成要素が違うようです。 シナリオは5つありますが、5つめはソロプレイは不可。なので、ソロでは1-4をプレイすることになりますが、何度かプレイしていけば、どのボードのどの部分に何が現れるのかわかってくるので、何度も何度もプレイするとわくわく感は減ってきてしまいます。かといって、他のコンポーネントを求めてもう一つ、二つ購入という意欲が生じるほどでもありませんでした。 協力型ゲームでもあるため、おそらく何人かでプレイすればより楽しく遊べると思います。特に、最後のシナリオ5は対戦型であるため、より盛り上がることでしょう。このゲームは、一部のシナリオは一人プレイもできますが、複数でプレイすることに真価があると思いました。
Fantagy Flight Games あり Arclight Gamesファイトいっぺい
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逃げゾンビリローデッド
普段はヒストリカルシミュレーションゲームをソロプレイすることが多かったのですが、R2.12からボードゲームにも興味を持ち始めました。 カタンをプレイしたことはありましたが、ソロプレイにはなじまないので、ソロプレイも可能なゲームをいくつか購入してみました。そのうちの一つが、「逃げゾンビリローデッド」です。 ゲームは、複数のキャラクターのうち一人を選択して、ボスゾンビを倒すか、都市境界線を越えて脱出することが目標となります。複数で遊ぶ場合、誰か一人でもゾンビの餌食になるとゲームは終了します。いずれにしても、ゲーム終了時に得点を多く稼いだプレイヤーが勝ちとなります。 プレイヤーは住民(NPC)を味方につければ、被害を住民に肩代わりしてもらえたり、得点に貢献してくれたりします。しかし、良い効果ではなく、悪い効果をもたらすキャラもいたりします。 このほか、略奪品によりゾンビを攻撃したり、自分を治療したりできます。区域の探索をすると、良い効果をもたらしたり、逆に悪い効果が生じたりします。 ボスゾンビは、区域の探索や、ダイスの出目が悪かったりすると出てきます。ボスゾンビは拳銃と特定の略奪品で攻撃できます。 ソロプレイについては、専用ルールがあるほか、ソロプレイ用のシナリオもあります。シナリオの方は、トラウマ(プレイヤーの行動を制約する)、経験値の要素などが追加され、少し複雑になってきますし、最後まで到達できるのは結構難しいです。シナリオの方が複雑で要素が増えるので、このゲームはシナリオをプレイしてこそ価値があるのかもしれません。 最初に購入したゲームとしては、正解だったと思います。 次は、テラフォーミングマーズに挑戦しようと思います。
Grey Fox Games 30-45分程度 ありファイトいっぺい
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Spanish Civil War:Belchite & Terule(WaW #62)
Belchite & Teruleは、スペイン内戦の3in1ゲーム。Decision Games社のFire & Movementというシステムを使った簡易なゲームです。 Fire & Movementは、同社のフォリオシリーズの多くに使われているシステムです。基本はI go you goというシンプルなもので、シークエンスとしては、移動-砲撃-戦闘-機動移動-機動戦闘の繰り返しです。シークエンスを活用すれば戦闘後の機械化部隊による突破が可能です。ただし、機動移動と戦闘は、その前に移動、戦闘しているとできないので、機械化部隊が同一ターンに二回移動戦闘できるわけではないです。ただし、このスペイン内戦に関しては、機動移動戦闘できるのは騎兵だけで、数も少ないため、機動移動と機動戦闘の機会が少ないモジュールとなっています。 なお、Fatigueマーカーは、オプションルールで使うもので、自作したものです。
作戦級 あり Decision Gamesファイトいっぺい
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A Time for Trumpets:The Battle of the Bulge, December 1944
A Time for Trumpetsは、GMT社の新作(2020年10月発売)バルジゲーム。1944年12月16日から26日までのアルデンヌ地方におけるドイツ軍の反撃を扱っています。 システムは、Bitter Woods(AH社)とWacht am Rhein)に類似したシステムのようです(自分はどちらも知らないのですが)。 本日(R2.11.22)到着したばかりなので、ゲームシステムのことはかけないので、コンポーネントについて軽く記載します。 製品の重量は約3キロ。最近のGMTは、ゲームの箱がしっかりしていてそれ自体重いですが、マップ5枚、カウンターシート12枚(厚め)、ブックレット3冊、チャート10枚も入っているからです。 マップ5枚とはいえ、重なる部分も多く、実質4枚です。カウンターは、標準的なものより2ミリ程度大きく、一回り大きいので、へクスも一回り大きくなっています。12枚中マーカー類は2枚強なので、ほとんどが部隊カウンターです。 ルールブックは50ページ以上あり、難易度は最高9のうちの8です。それでいてプレイヤー数は1人から。 邦訳公開されないかなあ。
作戦戦術級 なし GMTファイトいっぺい
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ASL Action Pack #15 Swedish Volunteers
ASL Action Pack #15 Swedish Volunteersは、スウェーデン義勇兵を新しくASLのオーダーオブバトルに加えるもの。これは、もともと、2009年にスウェーデンのサードパーティが発表したもので、これをMMPが買い取って(?)再販したもののようです。 オリジナル版は、クリーム色のカウンターでしたが、MMP版では、グレーかかった青になっています。自分は、オリジナル版の方が北欧の雰囲気が出ていて好みです。 シナリオは2つ増えて、16個。ドイツ軍のノルウエー侵攻(義勇兵は連合国側)、冬戦争、継続戦争(義勇兵はフィンランド側)という三つの時期のシナリオによって構成されています。 内容物は、シナリオが増えている以外はオリジナル版と同じ。カウンターシートのデザインも同じです。 義勇兵に車両ユニットはありません。歩兵は、新兵、2線級、1線級の3種類で、エリート部隊はありません。SSRも少なめです。
戦術級 なし Multimanpublishingファイトいっぺい
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スターリングラード
エポック社から1982年に発売された青作戦を扱うゲーム。 システムの一番の特徴は、攻撃側が戦闘の損害の大きさを任意に決定できる攻撃命令のルールでしょう。予めドイツ軍は0−5、ソ連軍は0−10の範囲で損害の増分を宣言し、CRTで決まった損害を増やすことができます。このほか、珍しいルールはスタック制限がないこと。とはいっても、極端にスタック枚数を増やしても、戦線が薄くなり、突破されてしまうので、結局は自制することになります。また、ソ連軍は、戦ってみないと戦力が分からないというアントライドシステムを採用しています。最後に、1ターンに3回の移動又は戦闘の機会があるので、攻防ともに予備が重要となるゲームです。 このゲームはしばらく積みゲーでしたが、令和2年のゴールデンウイークに積みゲー消化週間の一作としてソロプレイしてみました。当時の難易度は星5つ(結構難しい方)でしたが、難易度はそう高くはありません。国際通信社から再販されています。
戦略級 あり エポックファイトいっぺい
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沖縄の落日(Game Journal #73)
沖縄の落日(Game Journal #73)は、1945年4月からの沖縄戦を扱うシミュレーションですが、最も激戦となった首里前面にフォーカスをあてており、南部は地図に含まれていません。時期については、第1海兵師団(上陸直後は北部を掃討していた)、第77歩兵師団(4月は伊江島を攻略)が増援として登場しないため、4月中の戦に限定しているようで、5月の首里陥落までは扱っていません(米軍が快進撃すれば首里の占領も可能です)。ただし、これらは将来の追加シナリオのために、ユニットとしては存在しています。 システムは、チットシステム。イベント(大和、陽動、菊水作戦など)、増援(戦車連隊、特設連隊など)、戦術(煙幕、支援砲撃など)などがあります。空海の戦いは、このチットで処理されます。 沖縄戦のゲームについては、その期間中陣地戦がほとんどですので、戦線が動きにくくダイナミックな展開がないため、ゲームとして作りにくいと考えます。ただし、このように時期と地域を絞ることにより、じわじわ首里に迫る様子を再現できます。 沖縄戦では、Wargamer誌のOKINAWAが有名ですが、一時Grognard Simulationというメーカーが、Pacific Island Campaignシリーズの一つとして沖縄戦のゲームの発売を予定していた時期がありました。しかし、ほどなくしてオーダーから外されてしまいました。現在では、情報源は未確認ですが、Compass Gamesが、CSSシリーズの一つとして沖縄戦のゲームを予定しているそうです。これはビッグゲームになると予想され、発売が待ち遠しいです。 ちなみに、自分はフルマップ4枚の沖縄戦のゲームを自作していますので、いずれアップする予定です。
作戦級 あり Game Journalファイトいっぺい
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The Mighty Enveavor
The Mighty Endeavorは,Standard Combat Seriesの第17番目の作品。1944年6月のD-Day以降の戦いが再現されています。自分が所持しているものは,改訂バージョンで,ブリターニュ地方とドイツ東部のマップが追加されています。東部戦線マップが追加されたことにより,SPIのBattle for Germanyのように,連合軍と東部ドイツ軍,ソ連軍と西部ドイツ軍を,それぞれ同一プレイヤーが担当し,連合軍とソ連軍のどちらが多くのVPを獲得するかという競争ゲームになっています。 連合軍の上陸は,史実ではノルマンディーでしたが,これ以外の海岸地域に上陸することもできます。しかし,上陸部隊数に制限がかけられるなど,実際にノルマンディー以外に上陸すると,上陸海岸の維持に苦労することでしょう(ソロプレイでも,史実通りノルマンディーに上陸しました)。ノルマンディーを突破しても,十分な補給を受けるためには,速やかに港を確保することが必要になります。港の確保に苦労すれば,ライン川に到達するのも困難になります。ドイツ軍は,8月までに多くの装甲師団が壊滅しますが,補充により12月頃には史実通り反撃が可能となります。 他方の東部戦線,ソ連軍は部隊数が多いものの,3分の1の確率でしか攻勢できないことと,攻撃しても自軍も大きな損害を被るので,思いの外進撃に苦労します。 シンプルなルールで楽しめる一作です。
戦略級 あり Multimanpublishing(The Gamers)ファイトいっぺい
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Forgotten War
Forgotten Warは,ASLに朝鮮戦争を導入するモジュール。7枚のカウンターシート,16個のシナリオ,4枚のマップと,もちろん特別ルール,砲・車両の解説書が同梱されている。 オーストラリア,ベルギー,カナダ,オランダ,フランスなどの国連軍,米軍,韓国軍,イギリス軍,北朝鮮,中国共産軍などの新しい部隊が導入された。ルールには,前線航空管制員,サーチライトなどのルールが導入されている。 和訳チームによる日本語訳では,何カ所かで脚注があり,ルールに整合しない部分があるようだ。いずれ,Journalで大量なエラッタが出てくる予感がする。
戦術級 なし Multimanpublishingファイトいっぺい