CADAN Art Channelは、一般社団法人 日本現代美術商協会(CADAN)とミューゼオ株式会社による現代アートの番組です。
シリーズ「画廊放浪記」第11回は2021年6月5日から 7月4日までNANZUKA UNDERGROUNDで開催されるモリマサト「Lonsdaleite Year 」を訪問。
NANZUKA代表の南塚真史さんと、アートコレクターの小川晃さん、タグチ・アートコレクション共同代表の田口美和さんの鼎談を配信します。
画廊放浪記 #11|NANZUKA |モリマサト「Lonsdaleite Year」
2005年、ポップカルチャーと現代美術の接続を目指し、実験的な企画ギャラリーとして設立されたNANZUKA UNDERGROUND。そのフラッグシップギャラリーが裏原宿の中心に新しくオープンします。
初回の個展はモリマサトさんです。モリさんは1976 年に徳島県に生まれ、現在も徳島市内にて製作活動をしているアーティストです。NANZUKAの第1号アーティストでもあります。近年、ArtBasel Miami Beach のNova セクションにおけるソロ展示(2019 年)、Jeffrey Deitch における「Tokyo Pop Underground」(2019/2020)と、その活躍の場を国内外に広げています。
モリさんの絵画は、鮮やかな色彩と複雑なテクスチャーを持つ一方、どこかコミカルで軽快です。この作風に至る過程で、モリさんは自身の創作活動のルーツとなっている様々な影響関係について分析を繰り返し、漫画やTV ゲーム、アニメーションなどと自身の美学的観点との合致点を探しました。今回の新作個展「Lonsdaleite Year」は、徳島での日常生活を綴った絵日記とも呼ぶことのできるシリーズとなっています。
今回の配信では国内外問わずさまざまなアートを鑑賞し、コレクションをしてきたアートコレクターの小山晃さんと田口美和さんにお越しいただき、モリさんの創作行為を紐解いていきます。展覧会、アートフェア、有名メゾンとのコラボレーションなど、グローバルにあらゆる方法でアートの可能性を拡げるNANZUKAの今後の展開にも話が及ぶかもしれません。
WEB会議ツール「Zoom」を使用し、配信中は質問も受け付けます。一夜限りの生配信、お見逃しなく。
登壇
南塚真史
1978年東京生まれ。NANZUKA代表。ギャラリスト。
2005年、NANZUKA UNDERGROUND開設。
2012年、NANZUKAに組織名を変更。
2013年、AISHONANZUKA 開設。
2019年、2G NANZUKA 開設。
2020年、3110NZ by LDH kitchen 開設。
2021年、フラッグシップギャラリーとしてNANZUKA UNDERGROUND を神宮前に開設。
インタビュー記事:いま世界で進む商業芸術の再評価。「NANZUKA」が拡張した現代アートの文脈について
https://muuseo.com/square/articles/1083
小川晃
岡山大学医学部卒業後内科系大学院を修了。その後勤務医として数ヶ所の総合病院で内科を中心とした西洋医学に加え、東洋医学 漢方・鍼灸 を学ぶ。1992年東西結合医学 西洋医学・漢方鍼灸 を提供できる内科クリニックを開業。その後、デイケア施設や老人保健施設を開設。アート分野では学生時代に趣味で油彩を描いていたことをきっかけにピカソ、ミロ、カンディンスキーなどの近代美術に興味を持ち、開業当初はこれら作家の版画を中心にコレクションを始める。このころ、国内の作家では唯一、熊谷守一の油彩画をコレクションする。現代美術は 1990 年代にはほとんど関心はなく、もし生きていれば同年齢のキースヘリングのドローイングと草間彌生のサムホールサイズのアクリル画 かぼちゃ の2点のみをコレクションする。この草間作品は当時インテリアアートとして認識しており、作家の歴史も知らなかった。
2000年代初めにアメリカ西海岸へ家族で旅行に行った際、ロサンゼルス現代美術館のミュージアムショップで奈良美智氏のTシャツを小学生の娘が大変気に入り購入。私には普通のイラストにしか見えなかったが、何か気になり帰国後取り扱い画廊や展覧会で本画を見る機会があり、深い感動を覚える。
これをきっかけに現代美術に興味が移り、東京、大阪、京都などの現代美術ギャラリーや国内外のアートフェアに可能な限り足を運ぶようになる。この頃から、現在までのコレクションの内容は草間彌生、田名網敬一、空山基、奈良美智、具体作家 嶋本昭三 、元永定正など 、村上隆、ジョアンミロ、キースヘリング、アレキサンダーカルダー、エリザベスペイトン、サイトウマコト、大竹伸朗、加藤泉、柴田敏雄、北川宏人、ハロシ、森雅人、谷口真人、佃弘樹、ダニエルアーシャム、ジョナサンチャップリン、ジェームスジャービス、ジャッキーザコッシオ、ボスコソディー、タルアール、チェンウェイ、チェンラン、アイチョウクリスティン、クリスヒュンシンカン、リーユンボク、リゼヒョウ、マリアファーラ、ラファエルローゼンタール、パラモデル、ユアサエボシ、ユーダイ、岡本啓、中村ケンゴ、藤浩志、藤原 康博、河合政之、桑久保徹、小西紀行、浅井裕介、岩崎貴宏、三宅信太郎、猪瀬直哉、 西岡良太、 内田江美、山下紘加など
田口美和
タグチアートコレクション共同代表
一般社団法人アーツプラス現代芸術研究所 代表理事
タグチ現代芸術基金 チーフアドヴァイザー
明治学院大学大学院卒業。大学講師などを務めたのち、2013年頃よりミスミグループ創業者である父親の田口弘が始めたアートコレクションの実務を担う。コレクションの充実のため、国内外のアートフェア、展覧会を毎年多数訪問している。各地の美術館で展覧会を開催し現代アートの普及活動に貢献する。2019年より一般社団法人アーツプラス現代芸術研究所を立ち上げ、現代アートに関する日本と海外の情報ギャップを埋めるべく、セミナー等を中心に普及活動を始めた。2020年8月タグチ現代芸術基金を父と設立、コレクションの公益性をより高める活動を開始。2020年末、新しく立ち上がった世界的アートプラットフォームSOUTH SOUTHのアンバサダーに就任。その他、スタートバーン株式会社シニア・アドヴァイザーなど。
タグチアートコレクション
https://taguchiartcollection.jp/
インタビュー記事:父から娘へ。タグチアートコレクションのこれまでとこれから
https://muuseo.com/square/articles/980
画廊放浪記 #11|NANZUKA |モリマサト「Lonsdaleite Year」
日時:2021年5月29日(土)20:00-21:00
参加費:無料
主催:日本現代美術商協会(CADAN)
企画協力:NANZUKA
運営:ミューゼオ株式会社
モリマサト「Lonsdaleite Year」
2021年6月5日(土) – 7月4日(日)
NANZUKA UNDERGROUND
東京都渋谷区神宮前3-30-10
火曜日 - 日曜日 11:00-19:00
*月曜日休業
シリーズ「画廊放浪記」とは
ギャラリーはアーティストのマーケットを開拓し美術史のなかに着地させる役割を担っています。その土台となるのは他でもない、展覧会です。情報が細切れになり、コンテキストの読み取りが難しくなっている昨今。展覧会についてギャラリストやアーティスト、キュレーターや批評家が話をすることの重要性は増してきています。シリーズ「画廊放浪記」は、CADANに加盟しているギャラリーに配信スタジオを設置。ギャラリストやアーティストが展覧会について、時にはゲストを招き語ります。
CADAN Art Channelとは
CADAN Art Channelは、一般社団法人 日本現代美術商協会(CADAN: Contemporary Art Dealers Association Nippon)とミューゼオ株式会社による現代アートの番組です。CADANには現在、若手から老舗まで国内47軒のコンテンポラリーアートギャラリーが加盟しています。世代間だけでなくキュレーター、コレクターという垣根も超え、現代アートを取り巻くプレイヤーの方々と「現代アートのいま」をオンラインで配信します。視聴者はその場で質問ができるなどのインタラクティブな仕組みも取り入れています。