シャルロッテ・ポゼネンスケとは?

シャルロッテ・ポゼネンスケ(Charlotte Posenenske・1930年生まれ)は、ドイツ出身のアーティスト。
戦後はヴィリー・バウマイスター(Willi Baumeister)に師事して絵画制作に取り組むが、1960年代には大量生産や規格化という観点からスチールや段ボールなどの工業製品を用いた立体作品の発表を始める。
1968年に制作活動を休止し、1985年に亡くなるまで、労働や社会の不均衡を研究する社会学の専門家として活動。自作を展示することも展覧会に足を運ぶこともなかった。
没後、徐々に作品が紹介され、2005年オーストリア・インスブルックのGalerie im Taxispalaisとドイツ・ジーゲン現代美術館で企画された回顧展をきっかけに広く知られることとなった。

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東京都写真美術館では、8月21日(日)まで「アヴァンガルド勃興 近代日本の前衛写真」が開催されています。

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※こちらはTOPMuseum Podcast「#01ゲスト・トーク|塩塚モエカ(ミュージシャン)×藤村里美(学芸員)【アヴァンガルド勃興】(前編)」のトークを編集した記事です。

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