ヘンリー・ムーアとは?

ヘンリー・ムーア(Henry Spencer Moore、1898年7月30日 - 1986年8月31日イギリス・ヨークシャー生まれ)は、20世紀のイギリスを代表する芸術家・彫刻家である。1920年大前半までの彼の作品は、ロマンティックでビクトリア朝風だったが、民族的な作品に触れることで変化していった。その後、ムーアの人生とも言える彫刻のテーマ「母と子」「横たわる姿」を掲げた。これらのテーマや他の彫刻家からのインスピレーションを受け、1920年代前半からは「ダイレクト・カーヴィング(直彫り)」の手法へと制作方法を切り替えていった。ダイレクト・カーヴィング(直彫り)は、大理石や木といった素材を直接削ったり切ったりをしていく制作工程であり、「素材の良さを最大限に生かした制作(truth to materials)」と呼ばれた。1930年代後半にはブロンズでの作品制作も行っていくようになり、多くの作品が世間に広がった。その後も多くの成功を収め、財産のほとんどを後世のアーティスト育成のために、1977年に創設された「ヘンリームーア財団(Henry Moore Foundation・Henry Moore Studios & Gardens 」に捧げるなど、美術界に多大な貢献をした。日本では、箱根彫刻の森に多くの作品が展示されいる。

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所属作家に、日本を代表する現代美術家の草間彌生が名前を連ね、シンガポールと上海の海外拠点も順調に力をつけている。

そんなオオタファインアーツの代表が、大田秀則さんだ。自由な空気を求めて現代アートの世界に入ったという。閉塞感を好まない気質が影響しているのか、ギャラリーでは若手のスタッフたちがのびのびと働いている。

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程度の差こそあれ、誰もが抱いたことのある感情ではないだろうか。しかし多くの場合、なんとなく右へならえに甘んじてしまう。実際に、みんなと違う一歩を踏み出せる人は、意外と少ない。その道を30年歩みつづけられる人は、もっと少ない。

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それから約30年がすぎ、今、笹川さんは会社経営者として忙しい毎日を過ごしている。その生活を送る傍らでは、変わらずにギャラリー通いをつづけ、現代アートのコレクションを楽しんでいるという。へそ曲がりや好奇心だけでは続かなかったであろう、現代アートの魅力とは?笹川さんに話を聞いた。

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現代アートを扱うギャラリーはまだ少なかった1994年。当時31歳の石井孝之氏が、「見よう見まね」で立ち上げたのがタカ・イシイギャラリーだった。写真界のレジェンドたちと、どのように繋がったのか。作家をどのように見出すのか。写真を中心に現代アートをコレクションしている小松隼也さんが話を聞く。

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箔工芸の技術を昇華して「箔のアート」というジャンルを切り拓き、世界から注目される箔アーティスト・裕人礫翔さん。日本の伝統工芸でもある「箔」の奥深い世界を知るべく、京都・西陣のアトリエへ伺った。

金箔、伝統工芸に加えてアート。これだけで、ピリッと張り詰めた緊張感の中での取材をすぐに想像できるだろう。
でもお会いして10分後には笑っていたし、取材開始30分後には、用意していた半分以上の質問は見当違いだったことに気づいた。

裕人礫翔さんは、とてもよく笑うし、笑わせてもくれる。そして想像していた箔工芸とは別の角度から箔を見ている。「伝統工芸」のイメージとはかけ離れた、無限大に広がる箔の世界に彼はいる。

もちろんそうなるまでには、ひたむきに箔工芸と向き合ってきた歴史があった。400年以上紡がれてきた京都の箔工芸から、アーティスト・裕人礫翔という異物が誕生したその軌跡を辿りながら、箔の世界を見てみよう。