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Die Tödliche Doris “…”
漸く、たどり着きました。独逸が誇るアヴァンギャルド・グループ、Die Tödliche Doris (ディー・テードリッヒェ・ドーリス)のファースト・アルバムです。特にタイトルとかは付いておらず、”….”なんて表記されていたりします。それで、Die Tödliche Dorisの命名については皆さんも知っているとは思いますが、英語に直訳すると”The lethal Doris”で、lethal dose(致死量)とDoris(女の子の名前)を引っ掛けた造語のグループ名で、そこら辺にも彼等が只者では無いのが分かると思います。そして、その結成には、1981年に西ベルリンで行われたイベントGeniale Dilletanten運動(ゲニアーレ・ディレタンテン; タイプミスをそのまま使っていますが、意味としては「天才的アマチュア」)が大きく関わってきます。このフェスでは、音楽、絵画、映像等を問わず、何か面白くて、新しいことをやろうとするのが、コンセプトだったようで、音楽方面からは、Die Tödliche Dorisの他に、Frieder Butzmann, Einstürzende Neubautenなんかのメンバーが集まっています。また、Die Tödliche Dorisのリーダーであり、作家兼音楽家でもあるWolfgang Müllerが出版社メルヴェ社に”Geniale Dilletanten”という本を書いており、これは、仏のポストモダン哲学者を独で最初に出版したこととして知られています。Die Tödliche Dorisは、ポップミュージック・グループに通常不可欠である一貫したアイデンティティを構築するのではなく、「慣習」や「固定観念」の概念に挑戦しています。 その代わりに、彼らはそれぞれの楽曲やプロダクションにおいて、「スタイル」とか「イメージ」に従わないようにしています。 ボードリヤール、フーコー、ガタリ、リオタールのポスト構造主義に触発されたDie Tödliche Dorisは、音によって作られた彫刻を解体したいと考えており、この音楽的、娯楽的、或いは非音楽的な目に見えない彫刻は、Die Tödliche Dorisそのものの身体となるはずだと言うことです。とまぁ、その頃のDie Tödliche Dorisは、ポストモダンのコンセプトで理論武装した頭脳派演奏下手バンドだった訳です。 それで、Die Tödliche Dorisの最初の12インチのアルバムにはタイトルがありませんが、通称”7 tödliche Unfälle im Haushalt (「家庭内の 7 つの死亡事故」の意味)” と呼ばれており、それは前回ご紹介しました。 その後、彼らは、1982年に”….”(通称”Die Tödliche Doris”と呼ばれています)をリリースしています。このアルバムには 13曲が収録されていますが、共通点は無いように思えます。つまり、「面白い」曲、「シリアス」な曲、その次が「平凡」な曲、「残酷な」曲、「ソフト」な曲、 どれも一緒に収録されるようには思えず、すべてのスタイルやテーマが互いに厳密に分離されて、バラバラになっている訳です。 なので、Die Tödliche Dorisは人間と同じように、多くの異なる矛盾した特性で構成されており、それらは 1 つの身体の中に存在しますが、同時に存在する訳ではないと言うことを表していると言えましょう。それで、彼等は、このコンセプトを更にレコードで再現することはできないとの考えに至り、「レコード」と言うメディア自体も解体することにしました。それが、あの有名な1983年作の”Chöre & Soli”で、要するに、音質の悪い小さなソノシート8枚とそれ専用のバッテリー付き再生機及びブックレットをボックスに入れたと言う作品です。この作品は、世界中のコレクターズ・アイテムとなっています。 と言うように、かなりコンセプチュアルな作品を作り続けているDie Tödliche Dorisですが、今回は、先述の”….” (通称”Die Tödliche Doris”)をご紹介します。何せ常に観客を裏切るのが、Die Tödliche Dorisであり、それを期待している観客を更に裏切ってくるとまで言われた頭脳集団の音ですから。先ずは、タイトル”….”のファースト・アルバムから聴いてみます。因みに、参加メンバーは、Wolfgang Müller(ヴォルフガング・ミューラー)とNikolaus Utermöhlen (ニコラウス・ウーターメーレン)及び(多分)Käthe Kruse(ケェーテ・クルーゼ)の3人ですね。内容的には、A面7曲/B面6曲が収録されています。それでは、各曲の紹介をしていきましょう。 ★A1 “Stümmel Mir Die Sprache” (3:37)では、単調なDrsに、男性の叫び声と女性のうめき声の阿鼻叫喚と歪んだBらしき音から成り、一部でコードを弾くオルガンやフリーキーなGも聴取されます。 ★A2 “Posaunen Der Liebe” (1:40)では、壊れたラジオのようなノイズが段々と分厚くなってきます。大声援のテープ音も最後に放たれます。 ★A3 “Der Tod Ist Ein Skandal” (4:29)では、何とも頼りな気ないDrsと存在感あり過ぎなBに、弱々しい男性Voが呪文のように流れ出してきます。 ★A4 “Panzerabwehrfaust” (0:13)は、叫び声とDrsから成る一瞬の曲で、直ぐに過ぎ去ります。 ★A5 “Wie Still Es Im Wald Ist” (2:21)は、チェロとおもちゃ楽器(?)をバックに、引き攣るような語り男性Voから成る曲で、不安感が部屋中に充満します。 ★A6 “Sie Werden Nicht Beobachtet” (1:50)は、ドカドカしたDrsに合わせた男性の叫び声と、そのバックでGが鳴っている曲で、その構造自体がヘンテコ。 ★A7 “Haare Im Mund” (3:35)は、単調なスネアの打撃音に、男性の叫び声Voと女性の叫び声の合いの手が乗る曲で、多層化されたクラリネットが挿入されたり、一瞬の大音量ノイズやBのループ音も加わります。 ★B1 “M. Röck: Rhythmus Im Blut” (2:27)は、言葉遊びのようなリズミックな合いの手に、スライド奏法のGとB及び男性Voが乗る曲で、その内、バックに伸びやかな男性コーラスが挿入されてきます。 ★B2 “Kavaliere” (3:42)では、多層化したリズムを刻むDrsに、フリーなクラリネットとGノイズ及び多重録音された男女Voが被ってきて、せめぎ合います。 ★B3 “Fliegt Schnell Laut Summend” (2:48)は、反復するアコーディオンの上に、語るような女性Voが乗る曲で、それぞれの音や声は多層化して再生されます。 ★B4 “Robert” (3:09)は、ホワイトノイズのリズムの上にナレーションが乗っていたと思ったら、いきなり、リムショットにフリーキーなBやG、或いはそれらの逆回転再生音が押し寄せますが、ナレーションは続いています。 ★B5 “Über-Mutti” (2:21)では、単調なDrsにBとGの不協和音と段々エキサイトしてくる女性Voが乗る曲で、まるで出来損ないのMarsのようです。それが数回繰り返されます。 ★B6 “In Der Pause” (4:25)は、リズムマシンとSynth-Bから成る曲で、ラジオ調のナレーションが重なってきます。しかし、リズムレスになってきて、音数は減少していき、そのまま終わります。 いやー、凄かった!と言うのが、このアルバムを聴いた時の第一印象です。とにかく、男女問わずにVoはただただ叫んでいるだけで、「歌う」ことはしてないです。Drsとかも多分、Kruseだと思いますが、とても叩いていると言える程のテクはないと思われます。メインVo(男性)のMüllerもただ喚いているだけのように聴こえますが、独逸語が分かれば、もっと楽しめるのでしょう。彼の歌の調子っ外れ振りが魅力的ですね。しかし、それらの外れた音をUtermöhlenがしっかり補完している感じで、ちゃんと「曲」として成り立たせ、ギリギリのところで一線を保っているのも凄いです。そう言う意味で、Die Tödliche Dorisは「天才的アマチュア」なのかもしれませんね。必聴の一枚です! https://youtu.be/iVMGLohJV1Q?si=efxh7yz5ZsMdO9q0 #DieTödlicheDoris #… #ZickZack #FirstAlbum #7TödlicheUnfälleImHaushalt #1982年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Berlin #Avant-Garde #Dadaism #Fluxus #Noise #GenialeDilletantenFestival #WolfgangMüller #NikolausUtermöhlen #KätheKruse
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Avantgarde Zick Zack 不明Dr K2
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Diamanda Galás “You Must Be Certain Of The Devil“
Diamanda Galásは、忘れた頃にやって来る!と言う訳で、ギリシャ系米国人の彼女の6枚目のスタジオ・アルバムになる"You Must Be Certain Of The Devil"を今回はご紹介します。彼女のバイオグラフィーは、以前に書いていますので、そちらをご参照下さい。それで、本作品”You Must Be Certain Of The Devil”なのですが、これは、3部作"Masque Of The Red Death"の3番目の作品に当たり、1番作"The Divine Punishment"と2番作”Saint Of The Pit"とで完成するとされています。この3部作は、1988年に3枚組CDとして、Mute Recordsよりリリースされています。この3部作は、彼女の兄弟であり、作曲家でもあるPhilip-Dimitri Galásが、丁度1作目を制作中にHIVに感染して、AIDSを発症した事と関係して、彼女はAIDSに関する作品を作ろうと決意し、作り上げたもので、AIDSに関する啓蒙や活動家としての参加と関係しているようです。しかしながら、彼女の弟は、1986年に、その3部作の完成を見るまでに他界してしまったとのことです。それで、本作品についてのクレジットですが、本作品には、Diamanda Galás (Vo, Hammond Organ, Piano, Synth, B-Kbd)の他に、Charlie Terstappen (Drs), F. M. Einheit (Drs [B2], Chains [A2]), Naut Humon (Sampler), Kurt Schmidt (G [A2,A4]), Peter Zimmermann (Perc)がゲストで参加しています。両面4曲ずつ収録されており、45回転のミニ・アルバムの体裁を取っています。それでは、各曲についてご紹介していきましょう。 ★A1 “Swing Low Sweet Chariot” (2:44)は、Galásの高周波ファルセットの独唱が気狂いじみたように響き渡ります。 ★A2 “Double-Barrel Prayer” (5:02)は、A1に連続して、Drsとシーケンスによる楽曲へと進む曲で、呪文のような多重化したコーラス(歌詞の朗読)や声帯をむき出しにするようなGalásのVoも混在してカオスへと雪崩れ込んでいきます。 ★A3 “Let's Not Chat About Despair” (4:59)は、這いずり回るB-Synthとピアノの上で、狂気のVoがパンしながら放射しまくり、やがて物音系ノイズも挿入されます。後半、GalásのVoは語り調になりますが、この時点で聴く者はカオスの中に放り込まれることに。 ★A4 “Birds Of Death” (5:15)では、Drsとcelloらしき持続低音による演奏をバックに、Galásが自由自在に叫ぶように歌いまくっています。バックの演奏は益々不穏になり、高揚するVoの迫力、そして最後のストリング・シンセやGやPercで緊張感はピークになります。 ★B1 “You Must Be Certain Of The Devil” (4:57)では、意外にも1950年代のポップス調の演奏ですが、Galásは相変わらず高周波Voで歌っており、コーラスも1人で担当しています。演奏と歌のギャップによって、彼女の凄まじさがより浮き彫りになっていきます。 ★B2 “Let My People Go” (3:21)は、Galásによるピアノの弾き語りですが、全ての悲哀を飲み込むような迫力があります、恐ろしいくらいに! ★B3 “Malediction” (4:18)では、シンプルなロック調のリズム隊に、Galásの狂人的なVoが悪意を撒き散らすが如く歌われ、更に多重録音によるコーラスやピアノも加わり、カオスの中に突っ込んでいきます。最後にはシンセも加わり、高周波Voと共にフェイドアウトしていきます。 ★B4 “The Lord Is My Shepherd” (1:32)では、歌うと言うよりも呼吸するように呪詛を吐く唱法を試しており、無伴奏となっています。 しかしながら、Diamanda Galásのアルバムは、毎回、分かってはいるものの、凄まじく狂的であり、混沌としており、取りつく島もなく、圧倒されるばかりです。それは、彼女が精神疾患とか言う訳ではなく、シラフでそう言った表現が出来ることが素晴らしいと、毎回、感嘆してしまいます。以前にご紹介した3部作の"The Divine Punishment"と”Saint Of The Pit”とを聴いた時から全然変わっていませんね。また、余り言われていませんが、彼女の歌詞にももっと注目が集まっても良いのではないでしょうか?まぁ決して明るい歌詞ではないですが、何か(恐らくはAIDS?)に対する呪詛のように、ある単語や言葉のパタンを繰り返したりするのは、彼女の唱法にマッチしているのだと思います。因みに、A2は、ミサ曲から、B1は旧約聖書の一部から歌詞が取られているようです。このアルバムも完成度は高いので、是非是非、彼女の壮絶な世界を体験してみて下さい! https://youtu.be/UsVW14its94?si=RJM5i_s-eHTXGSnP [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLaUZvzqQ0efQ77Vjah4PVkPlLpRQoDc8C&si=Tll82rX9cm09PESJ #DiamandaGalás #YouMustBeCertainOfTheDevil #MuteRecords #6ThAlbum #Trilogy #MasqueOfTheRedDeath #ForAIDSPatients #Philip-DimitriGalás #TheDivinePunishment #SaintOfThePit #Experimental #Vocalization #Organ #Piano #Synthesizers #Bass-Synth #Guests #CharlieTerstappen #F.M.Einheit #NautHumon #KurtSchmidt #PeterZimmermann
Avant-Garde / Vocalization Mute Records 不明Dr K2
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Edgar Froese “Ages”
今回は、独電子音楽界の巨匠でもあるEdgar Froeseの4枚目のアルバム”Ages”のRecord Store Day用の特別盤を紹介しようと思います。内容が大きく変わっている訳ではないですが、まあ特別盤と言うことで、装丁はえらく豪華になっています。今回のリリースは、仏のレーベルCulture Factoryからとなっています。Edgar Froeseのバイオグラフィーについては、以前にも書きましたので、ここでは省略させて頂きます。 本作品は、元々は、1978年にVirgin Recordsより2枚組LPとしてリリースされていた作品で、彼にとって、ソロアルバムとしたは4枚目に当たります。皆さん、ご存知の通り、彼は、Tangerine Dreamを率いていた訳ですが、ソロでも音楽制作を行っていました。本作品では、Klaus Krügerがパーカッションでゲスト参加していますが、それ以外は全てFroeseが演奏しています。それでは、各曲についてご紹介していきましょう。 ◼️LP1 ★A1 “Metropolis (Inspired By Fritz Lang's Movie)” (5:41)は、淡々としたシーケンスに様々な音色の上物シンセが波状に被さっていくドラマチックな展開の曲で、シンセの音作りが素晴らしい。そしてDrs(又はPerc)が加わり、躍動する音が曲を生き生きさせています。 ★A2 “Era Of The Slaves” (8:11)は、怪しい雰囲気のミニマルなシーケンスと、それに攻めぎ合うフルートっぽい/横笛っぽいシンセのメロとサブ・メロのシンセが秀逸な曲です。やがて、僅かながらリズムマシンや生Percも入ってきて盛り上がります。 ★B1 “Tropic Of Capricorn” (20:47)は、いきなりドラマチックなシンセとベース・シンセのコンビに、オペラのようなサブ・ シンセから成るイントロから一気に流れ込んでくる一大電子絵巻物です。 ◼️LP2 ★C1 “Nights Of Automatic Women” (10:06)は、交響楽のような分厚い電子音の壁で、やがて、リズミックなシーケンスと生Drsが曲を引き締めます。それらが複合して、遠くまで飛んで行きそうな躍動感を感じますね。 ★C2 “Ikarus” (9:14)では、ダークなシーケンスから始まり、天女の歌声のようなシンセ音が絡み、その反復によるトランスが心地良く、叩きまくる生Drsと弾きまくるGが、Froeseはロック側の人間であることを如実に証明しています。 ★D1 “Ode To Granny A” (4:43)は、やや牧歌っぽいハーモニーを奏でるシンセとシーケンスから成る曲で、タンバリンの鈴の音が心に響きます。 ★D2 “Pizarro And Atahuallpa” (8:15)では、土俗的Percで始まり、伸びやかなシンセの電子音が重層化して響き渡ります。そうして、シンカッションも加わり、次第にノリも良くなってきます。 ★D3 “Golgatha And The Circle Closes” (9:36)になると、ポツポツとしたシーケンスの上に、すっかり落ち着いた雰囲気のシンセの音色とフレージングが乗ってきて、少しのばかりの高揚感と共に、弾きまくるGも印象的で、最後のDrsも含めて! 今まで、Edgar Froeseのことを、確かにKrautrockだが、そんなに「ロック・ミュージシャン」とは思ってはいなくて、アンビエント作家の印象で見ていましたが、本作品を聴いてみて、Froeseの根っこにはロックの血が流れていることに気づかされました。そう言う意味で、彼の本性を理解していなかったと考え直すキッカケになったアルバムでした。そこら辺も含めて、目から鱗の作品ですので、Edgar Froeseの本質を知りたい方は、このアルバムは必聴でしょう❗️ [original full album] https://youtu.be/ro0QMknW7Ak?si=mG-cbOhsRHgslfbE #EdgarFroese #Ages #CultureFactory #VirginRecords #Reissue #Remastering #RecordStoreDayDexuleVersion #4ThAlbum #ColorVinyls #Krautrock #Electronic #Synthesizers #Sequencer #Guitar #SoloAlbum #Percussions #KlausKrüger #Founder #TangerineDream
Krautrock / Electronic Culture Factory (Virgin Records) 3608円Dr K2
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The Legendary Pink Dots “Synesthesia”
久々にきました、蘭地下音楽界の至宝、The Legendary Pink Dots (以下、LPDと表記)の登場です。正直言って、1980年代初頭に、彼等が国際カセット・カルチャー界に出てきた頃は、結構好きだったのですが、近年の作品は殆ど聴かなくなりました。どうも洗練し過ぎてきたのがあるからだと思っていたので。なので、このアルバムを何故、買ったのか?も不明です。しかも、わざわざ2枚組と言うボリュームを狙ったかのような購入、謎です。まあ、それは良いとして、今回、ご紹介するのは、セルフ・コンピ・アルバム”Synesthesia”です。LPDのバイオグラフィーは以前にも書いてありますので、詳細については、そちらをご参考にして下さい。それで本作品についてですが、先ず、参加メンバーは、Edward Ka-Spel (Vo, Kbd, Electronics), The Silver Man (Kbd, Electronic Processes)のコアメンバーに加えてRaymond Steeg (Sound Wizardry), Martijn De Kleer (G, Vln), Niels Van Hoornblower (Horns)の全5人です。内容は、英国ネット・レーベルChez Dotsによって配信されたデジタル・アルバム” Chemical Playschool 11, 12 & 13"からセレクトされた曲に、未発表曲も加えており、A面4曲/B面2曲/C面3曲/D面2曲となっています。この内、D面2曲は2004年、独DarmstadtのVilla Oetingerでのライブ音源であり、これが未発表曲と言うことになります。また、A-C面に収められた曲も全曲録音し直しているとのことで、LPDのマニアックさを垣間見ることができます。それで、本作品は、このセルフ・コンピ・アルバムの再発盤と言うことになる訳です。それでは、各曲について紹介していきたいと思います。 ◼️LP1 ★A1 “Shining Path”では、やや土俗的なリズムボックスのビートに、浮遊感のあるKa-SpelのVoが全てを優しく包み込みます。細部にまで作り込んだ音楽で、ちょっと不思議で、ちょっと不気味。 ★A2 “Rome”はA1と連続しており、いつの間にか、逆回転とホワイトノイズで、場の時間軸は荒らされ、やがてフェイドアウトしていきます。 ★A3 “Kami Kai” では、キラキラした装飾電子音の下で、ミニマルなベースラインとシンセのリフが奏でられ、機械の様なVoとテープ音も続いて、不協和音すら美しい! ★A4 “Premonition 26 Part 1” では、蠢く暗部の音が微音で鳴っています。その異形の音楽はついぞ大きくならないまま、終わってしまいます。 ★B1 “Premonition 26 Part 2”は、A4の続きの微音から始まり、次第にKbdのソロが、祈りのVoを携えてゆっくりと立ち上がってきます。その内、テープ音や宇宙音に取って代わられ、Gも含めた暗黒宇宙の祭典の如き不定形の音像へと変化します。 ★B2 “Premonition 28”では、ランダムなパルス音と逆回転Voと不定形のビートが、更にサンプラー音も煮込んだ音の混合物へと変化していき、コラージュとも異なる異形の音楽になりますが、最後に救済のピアノとディレイ処理された虚空が聴こえてきます。 ◼️LP2 ★C1 “The More It Stays The Same”は、一転、中々ノリが良いミニマルなリズム隊にKa-Spelの歌心と邪心のVoが乗ってくる曲で、時にKbdプレイとサンプラーとノイズが暴発しています。 ★C2 “Flashback”は、土俗的リズムから始まり、不明瞭な音像が立ち現れ、サンプラー音と共に不安の霞へと誘われる曲です。 ★C3 “Kalos Melas”も、ノリが良く、明瞭なシンセのメロが聴取出来るインスト曲ですが、Vlnやリードシンセが安心感を与えてくれますが、そこは擬似幸福でした。 ★D1 “The More It Stays The Same (Live)”は、C1のライブ・ヴァージョンですが、より歌物っぽくアレンジされていますね。Ka-Spelも歌い上げていますし、Van HoornblowerのSaxとDe KleerのGもそれを支えており、正にLPDの世界に飲み込まれそうになります。 ★D2 “The Divide (Live)”でも、リズムマシンにシンセのパルス音や突発音が、SaxやGと混然となり、その上に酔っ払ったようなVoが喚き散らし、最後には叫んだりも!それにしてもバックの音は聴き分けられないですね。 総じて、以前評されていた程、ケルティックではなかったです。ですが、その分、ノイズ的要素は多くなっており、コアメンバーが2人共、Kbdと言う編成であるので、バックの音は不明瞭で、明確なリフやメロディを演奏しない曲構成になっています。正に「混沌の中でのポップネス」を体現しているようです。なで、個人的には、半分は楽しめましたが、半分はビックリしました。そんなLPDですが、昔から知っている方も、最近知った方も体験した方が良いかもよ❗️ C3 “Kalos Melas” https://youtu.be/m87_WaEo3fo?si=kwB5fctIQbpNgjKA [Original CD album] https://youtube.com/playlist?list=PLfNI8tKGRuJbO9rBFOsMu17wQ7XIsvwqg&si=NTApA6gzheOc9g_Y [BandcampのURLも貼っておきます] https://legendarypinkdots1.bandcamp.com/album/synesthesia-2013-remaster-expanded #TheLegendaryPinkDots #Synesthesia #NortonNorth #Luxembourg #S.P.K.R. #Reissue #LiveTracks #Holland #Avant-Rock #ExperimentalRock #Psychedelic #Electronics #Horns #DutchUnderground #EdwardKa-Spel #TheSilverMan #RaymondSteeg #MartijnDeKleer #NielsVanHoornblower
Avant-Rock / Psychedelic Norton North (S.P.K.R.) 不明Dr K2
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あぶらだこ “あぶらだこ (穴盤)”
やっと入手しました。あぶらだこの「穴盤」です。オリジナルは2004年にCDのみでリリースされており、本作品は、2LPsとしてのみ再発されています。なお、リマスタリングはPeace Musicの中村宗一郎が行っています。あぶらだこのバイオグラフィーは以前にも書きましたので、そちらをご参考にして下さい。なお、このアルバム制作時のメンバーと担当楽器は、長谷川裕倫 (Vo, ??, Thermen), 大國正人 (G), 小町 裕 (B, 口琴, Piano), 伊藤健一 (Drs, Perc, Triangle, Kazoo, Harmonica, Whistles, Chorus)の4人です。いつもながら、タイトルからして難解そう/面白そうですね LP1: ★A1 “都塵気孔”は、まるでロックであることを拒むようなガクガクの構成ですが、サビでは疾走します。長谷川の歌詞と言うかVoも引き攣れててグー! 個人的には、レコメン系ロックのような印象です。 ★A2 “夏風邪へ漁群”は、初め軽快なリズムで始まり、Voパートが出てきても、余りテンポが崩れないので安心しました。この曲は割とロックっぽい。 ★A3 “磁場”では、緩急の激しい展開で、最初に歌詞から曲を作るのかなと思う程、字余りで骨折しそうな演奏です。 ★A4 “鰐園”でも、不協和音がギクシャクと歩みを進めるような曲ですが、間奏ではカッコ良いロックっぽいノリも聴取できます。 ★A5 “ファストダンスは僕に”は、寸止めで逝きそうでいけないインスト曲です。もう前進しているか後進しているかも分からなくなってしまいます!そもそも、これはロックなのか! ★B1 “映発トンネル”は、ドコドコしたDrsで始まりますが、やはり字余りの歌詞に合わせたような演奏になります。サビではちょっとだけ良いノリもありますが、間奏のリバーブ掛けたGに痺れます。 ★B2 “湿原へ砂浜”は、Gの単音弾きから始まりますが、点描のような演奏になり、時にノリが良く、時に骨折させられたようなブレイクを挟みまくります。最後のDrsも締まっています。 ★B3 “素懐手”も、聴き方によっては、レコメン系のような構成なんですが、Voの灰汁の強さが、そのような「ロック」と一線を画します。 ★B4 “自転車の窓から”は、珍しくVoも演奏も拍子を合わせたような曲ですが、間奏のファズGが普通じゃない程、カッコ良いです。 LP2 (片面のみ) ★C1 “トリプルレインボー”は、中々始まらないと思っていると、微かな軋む音が聞こえてきて、やがて段々とGやBと分かるようになってきますが、いつまでも不定形な雰囲気で、一度、奇声が聞こえてきます。が、また闇の中へ。真綿で首を絞められるような微音の中、DrsとBが緩いビートを刻み始め、Gも加わり、奇声?カズー?も。やっとVoも加わり「曲」らしくなりますが、そこはやはり「あぶらだこ」です。 一通り聴いてみて。やはり、あぶらだこは凄かった❗️今回、感じたのは、やはりレコメン系ロックを思わせる構成の複雑さなんですが、そこはやはり似ているような印象があるだけで、ワン・アンド・オンリーな奇想天外さと下品さ/アウトロー感が一線を画している訳で、出自がハードコアであることが少しだけ窺える所がまた痺れます。特に、C1 “トリプルレインボー”は新境地のように思える一大叙事詩となっています。全ての音楽ファンへ、マスト❗️ A2 “夏風邪へ漁群” https://youtu.be/b23BprfLxSs?si=25SJFTLs5OtKkZV- [live at 高円寺Show Boat on Feb.07, 2009] https://youtu.be/4Gg7mXJvbRk?si=IlFBye8GNNygaRUl #あぶらだこ #Aburadako #穴盤 #P-VineRecords #PostHard-Core #Avant-Garde #ProgressiveRock #Reissue #Remastering #6ThAlbum #長谷川裕倫 #大國正人 #小町裕 #伊藤健一
Post Hard-Core / Avant-garde P-Vine Records 3500円Dr K2
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Art P “No Message”
Art P、正式名称はArt Programmingで、独Bremen出身のJens-Markus Wegener (イェンス・マルクス・ヴェジェナー)とFrank Grotelüschen (フランク・グローテリューシェン)とが、1982年初頭に知り合ったのがきっかけで活動を始めた電子音楽デュオです。元々のきっかけは、Grotelüschenが、自分の持っているシンセRoland 101を売ろうと新聞に広告を出して、Wegenerがそれを買ったことから、2人の交流が始まり、そうして、お互いに仲良くなり、GrotelüschenがドラムマシンRoland TR-808とJupiter 4シンセを、自分の休暇中6週間に、Wegenerに貸したことをきっかけにデュオで活動を始めています。そうして、Wegenerは、数週間の内に6〜7曲を作り上げ、そこで、Art Programmingとして正式に活動を開始、曲作りに精を出して、1983年に、Korg Mono/Polyの他にも、ベースシンセとしてRoland TB-303をFricke Sequencerで駆動させ、またゲストにNorbert PautnerとヴォーカリストClaudia Roebkeを迎え入れて、ファースト・カセット”Art Programming”をリリースします。ゲストの2人は後にライブ・メンバーにもなっており、後には、Yamaha DX-9シンセも導入するようになります。その後、本作品であるセカンド・アルバムを作るに当たって、よりプロらしくする為に、デュオの名前をArt Pと短くしました。そうして、BremenのDub City Studioにて、ヴォーカルもフィーチャーして録音を開始します。ファーストもセカンドも、Wegener自身のレーベルP.A.P. (Programming Art Productions)からカセットでリリースされています。Art Pは、1989年までに、”Terminal Zeit”と言う曲をU.S.S. Dancefloorのコンピに提供し、これが、ダーク・インダストリアルと初期EBMを意識したエレクトロ・チューンであり、この曲でデュオは解消となります。その後、Wegenerは、カセット・コンピ”Berlincassette 2-85”に参加、「Bremen電子音楽シーンのグラン・パ」と呼ばれたこともあり、後に、Public Propagandaのような会社を設立して独音楽マーケットのキーパーソンになったり、1990年代中期には欧州で最も大きく成功したプロモーターとしても知られるようになります。また、彼は、SPVやPiasレーベルのプロモーションをやったことで、Electronic Body Musicを一つのジャンルにまでしています。 大体のArt Pの流れはこんな感じです。それで、セカンド・アルバムでもある本作品では、Frank Grotelüschen (Synth, Vocoder, Tapes, Effects, Compositions, Programming, Arrangement, Drs-Machine), Jens-Markus Wegener (Synth, Vocoder, Tapes, Effects, Drs-Machine, Composition, Programming, Arrangement)の他に、Evelyn Gramel (Vo [A4,B2]), Peter Apel (Vo [A2]), Sabina Mai (Vo [A4,B2]), Yamatsu Dix (B)も参加しています。シンセ・マニアの2人が作った作品ですので、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “David”は、何だかスパイ映画風のシンセのリフと生Drsに近いマシンドラムのリズムからなるミニマルなインスト曲です。 ★A2 “A Place To Fear”は、ちょっと初期YMOっぽい曲で、Peter ApelのVo入りです。リズムの作り方と裏で入るシンセ音がかなりYMOに似ていますが、それ程オリエンタル風ではないです。 ★A3 “Polaroid”は、ヴォコーダーを使った曲で、ん〜これはTelexの”Moscow Discow”っぽいです。それにしても、打ち込みは凄く上手くて、緻密で、殆どプロ並です。でも、シンセソロもちょいフュージョン臭いかな? ★A4 “No Message”は、イントロのシンセがカッコ良いですが、その後は強力なマシンリズムとシンセのコードの刻みから、女性Voも入ってきます。サビでのコーラスも良い感じですが、間奏のシンセソロがどうにもフュージョン臭いですね。 ★B1 “White Jackets”は、ややしっとりと落ち着いたインスト曲で、Tubeをシンセで演ったようなイメージですね。リズムもTR-606っぽい音で軽めに仕上げています。 ★B2 “Sounds Of The City”では、リズムをシンセで使ったり、更にそれにマシンリズムを加えたりで、凝っています。2人の女性によるユニゾンVoも可愛らしいですね。この曲は割と面白かったです。 ★B3 “Five Minutes”も、割と落ち着いており、ヴォコーダーも入っているほぼインスト曲で、途中のブレイクなんかは上手いなあと感心します。またシンセ・ベースもファンキーです。 ★B4 “Beams”は、静かなシンセによるミニマルなインスト曲で、リズムマシンは使っていません。ある意味、アンビエントと言って過言ではないでしょう。 確かに、打ち込みとかは凄く上手くて、プロ顔負けなのですが、全体にフュージョン臭いと言うかシティーポップっぽくて、個人的にはちょっと拒絶反応が出そうでした。時代を考えると、そう言う曲調も仕方ないのかな?また彼等は機材オタクっぽいので、シンセの音色からは、当時のフュージョンとかシティーポップのような感じだったのかな?と思います。ただ音楽としては緻密なので、一度は聴いてみてもよいかも‼️ B2 “Sounds Of The City” https://youtu.be/A0vD8covnjk?si=t2vEgDzDp4Yh8WbW [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lw1XV5g1KMphSX23bSyCEPxBCsSq8WUkk&si=iDp8ipjXBIT5qxr5 #ArtP #ArtProgramming #NoMessage #P.A.P. #TheArtlessCuckoo #TheOuterEdge #Reissue #LimitedEditions #300部 #BlueVinyl #Electronic #Fusion #CityPop #GermanElectro #Synthesizers #FrankGrotelüschen #Jens-MarkusWegener #EvelynGramel #PeterApel #SabinaMai #YamatsuDix
Electro Pop / Fusion The Artless Cuckoo/The Outer Edge (P.A.P.) 2800円位?Dr K2
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Himukalt “Dreaming Of A Dead Girl”
米国女性パワー・エレクトロニクスの筆頭、その名もHimukalt!その正体は、米国ネバダ州在住のEster Kärkkäinen女史です。彼女は、ヴォイス、エレクトロニクスだけでは無く、鋏を使った独特のコラージュ・アートワーク(xerox)もこなしており、欲望、性欲、敵意、怒り、マニア、抑鬱、血液、肉欲に関するサウンドを使うことで、肉体の複製や再生を試みることをコンセプトに表現活動をしています。今回は、彼女の本気度を知らしめることになった、パワ・エレ総本山の独Tesco Organisationからのリリース作品”Dreaming Of A Dead Girl”を紹介しましょう。Himukaltのバイオグラフィーについては、前回、書いた通りなので、そちらをご参照下さい。両面とも3曲ずつ収録されています。彼女のコンセプトがより一層剥き出しになった感がアルバム全体に漂ってますね。全体の第一印象は、押し殺したヴォイスが特徴的なパワー・エレクトロニクス作品です。それでは、各曲について紹介していきましょう。 A1 “Sehr Empfindlich”は、小声の囁きとゆったりと圧死させられるような電子音から成る曲ですが、その声が何故か「いけないこと(個人的には近親相姦を想起)」をしてしまった独白のように聴こえます。 A2 “The Chemical Lust”は、ひび割れた電子音とリズムが、もろパワ・エレのストロング・スタイルで、更に潰れ、歪んだ声が聴こえてます。 A3 “Hysterical”では、最初、通奏低音の上に乗る形で、女性の叫び声とか呻めき声のコラージュから始まります。そうしていると、テンポの速いキックとKärkkäinenの歪んだヴォイスによる告発が始まり、段々と切迫して、ドラマチックな展開になっています。 B1 “Suicidal Ideation”は、淡々としたリズムにぶ厚い電子音と抑制されたヴォイスが乗る「告白」系のパワ・エレです。淡々としている所に余計、悪意を感じます。 B2 “Naked, Soiled, Desperate”でも、ひび割れた持続電子音と淡々としたKärkkäinenの独白、そこに切れ込む電子ノイズ。題名通り、完璧にして名曲です! B3 “This Pig Is Crying Out”も、また緩やかな波状電子音と押し殺した独白系ヴォイスから成り、段々と彼女のヴォイスは電子音に覆い被されてしまい、後半にはハーシュな電子ノイズに蹂躙されてしまいます。 何となく、後味の悪いアルバムだと感じますが、これはEster KärkkäinenのHimukaltとしてのコンセプトがより明確になったことを意味するものと想像します。独白系のヴォイスは、抑制された「もの」(=秘密にせざるを得ない物事)を体現し、それ故に、この作品では必然であったのでしょう。それ故、危険なアルバムですので、聴く際は、注意して下さい‼️R18指定ですね! A3 “Hysterical“ https://youtu.be/o6mVJMAmac8?si=UxirK07oWPgRppQn [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mhwpE74YaPbtE463Je_oY0OwR8M-2MSUE&si=qk9izIoRCVV0Ly2j [BandcampのURLも貼っておきます] https://himukalt.bandcamp.com/album/dreaming-of-a-dead-girl #Himukalt #DreamingOfADeadGirl #TescoOrganisation #PowerElectronics #Voice #13ThAlbum #Collage #Artwork #Female #SoloUnit #独白 #電子音 #EsterKärkkäinen
Power Electronics Tesco Organisation 不明Dr K2
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The Wolfgang Press “Unremembered Remembered”
今回は、あの通好みのRema-Remaやその後のMassのメンバーが、1983年に立ち上げたバンドThe Wolfgang Pressを紹介します。Rema-RemaとMassについては、既にバイオグラフィーは書いてありますので、そちらをご参照下さい。Massを立ち上げた、元Rema-RemaのMichael Allen (Vo,B)とMark Cox (Kbd)は、たった1年の活動後、1981年に、The Wolfgang Pressを立ち上げ、2人でファースト・アルバム”The Burden of Mules”を4ADからリリースし、音楽誌からは「ダークで不協和音。それにポストパンクに残っていた薄暗さを怒りと緊張感で作り上げた作品」とか「気難しい面と激烈な面の境界でのセルフ・パロディ」とか言われています。この時に、ゲストで、Dif JuzのRichard ThomasやIn CameraのDavid Steiner及びAndrew Gray (G, Perc)が参加していますが、これを機にGrayはThe Wolfgang Pressに加入しています。そうして、彼等は、3枚のEP “Scarecrow”, “Water”, “Sweatbox”をRobin Guthrieのプロデュースでリリースしますが、割と好評でした。1986年には、The Wolfgang Pressとしてのファースト・アルバム”Standing Up Straight”を4ADからリリースしますが、このアルバムはインダストリアルとクラシックの強力な融合を試みています。音楽誌からは「実に挑戦的で容赦ないアルバムだ」と評されています。その後、1988年に、セカンド・アルバム”Bird Wood Cage”をリリース。音楽誌からは、「今回はダンス・ミュージックやファンクの要素を取り入れ始めた、最も重要なアルバムだ」と評されています。このアルバムの前にEP “Big Sex”がリリースされており、このアルバムのコンセプトを解き明かす鍵になっています。1991年にサード・アルバム”Queer”をリリースしますが、このアルバムは、1989年のDe La Soulのファースト・アルバム”3 Feet High and Rising”を聴いたことがキッカケになって作られました。つまり、よりファンク調で、よりポップな曲が多く、また、メンバーは皆が色んな楽器を演奏し、更にゲストとして参加したThrowing MusesのLeslie Langston (B)が殆どの曲で演奏しています。その後、1992年5月に、シングル"A Girl Like You"をリリースしますが、これが世界的ヒットとなり、ビルボードのモダンロック・チャートで2位になっています。その後、バンドは、自分達のスタジオを買い取り、2年間かけて作成したアルバム”Funky Little Demons”を1995年にリリースしています。音楽誌は、「このアルバムを全うなダンス・ミュージック・アルバムであり、彼等はもう一つの’White Post-New Wave Soulバンドだ」と評しており、実際、1995年2月の英国アルバムチャートでは、1週間75位を取っていました。しかしながら、このアルバムのリリース直後に、Coxがバンドを脱退し、残ったAllenとGrayは2人で米国ツアーを敢行しています。それで、2001年に、セルフ・コンピ・アルバム”Everything Is Beautiful (A Retrospective 1983–1995)”をリリースします。それで、Coxが脱退した後に、The Wolfgang Pressは、AllenとGrayのデュオになりますが、2020年のRecord Store Dayに合わせて、本作品でもある未発表曲6曲から成るミニ・アルバム”Unremembered Remembered”をリリースしており、これが最後のスタジオ・アルバムになります。The Wolfgang Pressの流れほここまでになります。 それでは、ラスト・アルバムでもある本作品”Unremembered Remembered”について紹介していきます。先述のように、Michael AllenとAndrew Grayのデュオで作成されたデモ音源6曲入りミニ・アルバムです(7曲目もあったようですが、アルバムに合わないと言う理由で収録されていません)。1995年10月〜1996年3月に、A1-A3はLondonのLimehouseにあったRewのアパートで、B1-B3はLondonのLimehouseにあったAndrew Greyのアパートで録音されたデモ音源で、全て未発表曲から成っています。それでは、各曲について紹介していきます。 A1 “You Say You Love Me”は重目のリズムと独特のシーケンスを含むシンセ音の組合せから来るソウルフルなノリが、結構カッコ良いです。A2 “God Let It Shine On”もボトムの低いリズムとエレピやシンセの音に、飄々としたヴォーカルが乗るノリの良い曲になっています。ギターのリフもフリーキーでカッコ良いです。A3 “My Mother Told Me”はノリの良いテンポで突き進む曲で、ギターのカッティングやシンセの使い方が上手くで、敢えて言えば、Stereo Totalのようなシャレ乙な雰囲気すら感じますね。ハツラツとしたヴォーカルもグーです! では、B面に行きます。B1 “Black Hole Star”は重いキックですが、ギラギラしたギターと軟らかいシンセに、呟くようなヴォーカルから成るホワイト・ソウルな曲です。B2 “Liar”では、シンセ・ベースとブレイク・コア的ドラムマシンとが曲をしっかり支えており、そこに語りに近いヴォーカルが乗っています。流石に今風ですね。B3 “Miss H.I.V.”はウネウネしたシンセベースが印象的なややダウンテンポな曲で、やはり語りかけるようなヴォーカルが特徴的です。 どちらかと言うと、A面はよりポップ・ミュージック寄りの曲で、B面はよりダンス・ミュージック寄りの曲かなと思いますが、今、聴き直してみると、想像以上に、The Wolfgang Pressの聴き易さやダンサブルな面が見られて、4ADでもこのような音楽を扱うのか⁈とビックリしました。ある意味、Stereo Total(こちらは最もスカスカですが)にも似ていますね。また、ジャケもカッコ良く、お得なミニ・アルバムですね。なので、未聴の方は一度、固定概念を取り払って聴いてみては如何でしようか‼️ “Christianity” single (1995) https://youtu.be/OTI-7e7oEBM [full mini-album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lNNiRAnHtGsSzxYvsv-19mYSmsOczV5XQ #TheWolfgangPress #UnrememberedRemembered #4AD #Mini-LP #LastStudioAlbum #LimitedEdition #1500枚 #2020RecordStoreDay #Funk #DanceMusic #ElectronicPop #PreviouslyUnheardTracks #Demo at #MichaelAllen #AndrewGray #Rema-Rema #Mass #MarkCox
Alternative Rock / Electronic 4AD 580円?Dr K2
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The Fall “The Rough Trade Singles”
割と私、デジタル配信ではThe Fallはよく聴いてた方なんですが、いざ、フィジカルとなると、あんまり持ってないんですよね。それで、他のアイテムを買う時に見つけたので、購入してみました(なので、今回、初めて聴いてみます)。これは所謂、セルフ・コンピみたいなもので、The FallがRough Trade自体にリリースしたシングル音源をコンパイルしたものです。ただし、この作品のオリジナルは、5枚の7㌅シングルから成るボックスセットでした。私の購入したのは、その再発で、シングル5枚分が、このLPにまとめられているものです。それで、先ず、The Fallのバイオグラフィーから紹介していきます。The Fallは1976年に英国マンチェスターのPrestwichで結成されたポストパンク・バンドで、メンバーチェンジが激しく、唯一、創設者でヴォーカルのMark E. Smithだけがコンスタントなメンバーです(ただ、彼も2018年1月24日に60歳の若さで他界しており、それを持ってThe Fallは解散となっています)。それで、先ず、1976年に、Mark E. Smith (Vo), Martin Bramah (G), Una Baines (プリキ缶, Kbd), Tony Friel (B)の4人は、各自が書いたものやドラッグをやる為に集まっていたことが、そもそもの始まりです。彼らの好きな音楽は、Can, Velvet Underground, Captain Beefheart, Stoogesなんかで、一方、Smithは、H.P. Lovecraft, Raymond Chandler, Malcolm Lowry等の作家もお気に入りでした。そんな中で、同年7月に、Sex Pistolsのマンチェスターでの2度目のギグを観て、ショックを受け、彼等はバンドを始めた訳です。最初はThe Outsidersと名乗っていましたが、Frielが持っていたカミューの小説から取ってThe Fall と改名しました。この時、Bainesはドラムを買うお金が無かったので、ビスケットの缶を叩いてました(後にKbdにスウィッチします)。音は酷くて、繰り返しだけでしたが、この「繰り返し」が、後々The Fallの特徴になります。1977年5月23日に最初のギグを行いますが、この時のドラムはSteve Ormrodでしたが、1回だけやって、政治的な考えの違いの為、直ぐに辞めています。そして、Nuclear Angelに居たKarl Burnsがドラムで加入。そんなThe Fallに注目したのが、BuzzcocksのマネジャーRichard Boonで、1977年11月に彼等に録音させて、The FallのデビューEP”Bingo-Master's Break-Out!”を、彼自身のレーベルNew Hormonesからリリースしようとしていましたが、結局、出せずに、マスターテープをバンドに返しています。1978年6月に、Virgin Recordsが、マンチェスターでのライブ・コンピ”Short Circuit: Live at the Electric Circus”をリリースしますが、そこで初めてThe Fallは2曲参加しています。1977-1978年に、メンバーチェンジが起こります。先ず、Bainesの友達のKay Carrollが新マネジャー兼バックVoとなりますが、Frielは彼女のやり方が合わず、1977年12月に脱退。とりあえず、Jonnie Brownが、その後に、交代にEric McGannに加入します。1978年2月13日に、Granada TV番組What’s OnにThe Fallは出演し、Smith (Vo), Bramah (G), Burns (Drs), Baines (Kbd), McGann (B)のメンツで演奏しています。しかしながら、1978年3月には、ドラッグによる神経障害で、Bainesが脱退。代わりにYvonne Pawlett (Kbd)が加入。また、McGannが、ヴァンのドライバーのSteve Davisがハワイアンシャツを着ていたことが気に食わないと言う理由で、やはり脱退。その時、Martin BramahもSmithのリーダーシップとその彼女がマネジャーをやっていることを問題視しています。それで、当時まだ16歳だったローディのMarc Rileyにベースを担当させます。それで、何とか持ち直し、1978年8月に、お蔵入りになっていたEP “Bingo-Master's Break-Out!”が、Step Forward Recordsからリリースされ、同年11月にはシングル"It's the New Thing"もリリース。更に1日で作ったとされるThe Fallのファースト・アルバム”Live at the Witch Trials”が1979年3月にリリースされます。このアルバム作製後、ドラムのBurnsは暫くして脱退し、代わりに、Rockin’ RickyのMike Leighが加入。しかし、1979年4月には、アルバムの殆どの曲を書いていたMartin Bramahが抜けます。それで、先述のRileyはベースからギターにスウィッチし、Craig Scanlon (G)とRileyのバンドメイトでもあるSteve Hanley (B)が加入します。特に、Hanleyは、そのメロディアスなベースラインで、以後約20年間に渡り、The Fallの音楽的根幹を支え、Smith自身も、彼に全服の信頼を寄せています。それで、1979年7月30日に、シングル”Rowche Rumble"をSmith (Vo), Scanlon (G), Riley (G), Hanley (B), Pawlett (Kbd), Leigh (Drs)のメンツで録音していますが、Pawlettはその直後に脱退しています。The Fallは、1979年8月に、RochdaleのCargo Studiosで、セカンド・アルバム”Dragnet”を作製、1979年10月26日にリリースしています。このアルバムはファーストと比して、よりスカスカで、より耳障りな音に仕上がっています。1980年1月13日に、4枚目のシングル"Fiery Jack"をStep Forward Recordsよりリリースしますが、同年3月に、Mike Leighが脱退してしまい、バンド活動が数週間停滞します。その間に、Smithは歌詞を書き溜めていましたが、Leighの代わりに、Steve Hanleyの弟で、当時16歳だったPaul Hanleyがドラマーとして加入します。この後に、The Fallは、Step Forwardを離れ、Rough Tradeと契約しています。それで、Rough Tradeでの最初のアルバム”Totale’s Turns”は1980年5月にリリースされていますが、2曲を除いて、1979年のライブトラックを集めたものとなっています。1980年11月には、フルアルバムとしてはサードアルバムに当たる”Grotesque (After the Gramme)”を、2枚のシングル"How I Wrote 'Elastic Man'"と"Totally Wired"をリリースしますが、アルバムは英国インディー・チャート1位まで行きます。ただ、このアルバムは、Rough TradeのGeoff TravisとRed KrayolaのMayo Thompsonが共同プロデュースしていますが、音作りを大胆に改善しようとした彼等の考えに、Smithは大いに不満でした。と言う事もあって、The Fallは、長過ぎず短過ぎない媒体として10インチEPを選び、それを£2.00ポッキリで発売する戦略で、1981年4月に10インチEP”Slates”をリリースしています。同年終わりに、バンドは、Rough Tradeを離れ、小さなインディーレーベルKameraと契約します。話が少し前後しますが、The Fallが、EP “Slates”の促販の為、米国ツアーに行こうとした時、Paul Hanley (Drs)が若過ぎるとの理由でビザが降りず、仕方なく、Smithは、Karl Burnsを代役としてツアーを行なっており、その時のライブ音源から、ライブアルバム”A Part of America Therein, 1981”を1982年にRough Tradeの米国部門Cottage Records よりリリースしています。ただ、英国に戻ってきても、Burnsは居座っており、バンドのセカンド・ドラムとして在籍、1981年11月に、2人のドラムで録音したシングル"Lie Dream of a Casino Soul"をRichard Mazdaのプロデュースで豪州及びNZにてリリースしています。 The Fallのバイオグラフィーを書き出すと切りがないので、今回はここまでとしておきます。 それで、Rough Trade在籍時代(主に1980年で、一部1983年)のThe Fallのシングルなどを集めたのが、本作品となる訳ですが、先ず、この時期のメンバーを再度、確認しておきます。Mark E. Smith (Vo), Steve Hanley (B), Paul Hanley (Drs), Craig Scanlon (G), Marc Riley (G)ですが、1983年録音のトラックではKarl Burns (Drs)も参加していたり、或いは1983年録音のトラックではMarc Riley (G)が参加していないものもあります。とにかく、内容は最高ーッ‼️ タイトなリズムとSmithのスポークン・ワードのようなヴォーカル、それと先述のように執拗な「繰り返し」。これだけでご飯3杯食べられますね。多分、初期のThe Fallとしても、一番脂が乗り始めた時期なので、もう痺れる程、カッコ良いです。A面6曲、B面4曲で、その内、B3 “Container Drivers”とB4 “New Puritan”は、1980年9月16日のJohn Peel Session用に録音した曲です。A5 “The Man Whose Head Expanded”, A6 “Ludd Gang”, B1 “Kicker Conspiracy”, B2 “Wings”は、1983年作で、その他の曲はいずれも1980年作です。取り敢えず、このアルバムに収録されている曲は下にURLを貼っておきましたので、何も言わずに聴いてみて下さい❗️これらの曲とかヴォーカルは唯一無比ですから。あとは楽しんで下さい❗️ A1 “How I Wrote ‘Elastic Man’” & A2 “City Hobgoblins“ https://youtu.be/aBUlf8THuNg A3 “Totally Wired” https://youtu.be/sk1TP5EkLS4 A4 “Putta Block” https://youtu.be/6oF-J-5HjyU A5 “The Man Whose Head Expanded” https://youtu.be/8jo5rzGRlH4 A6 “Ludd Gang” https://youtu.be/cqTK3nuepps B1 “Kicker Conspiracy” https://youtu.be/Ehoi2-rlmdI B2 “Wings” https://youtu.be/Wb6zdxd9phQ B3 “Container Drivers” https://youtu.be/TsaPuF8eji4 B4 “New Puritan” https://youtu.be/o5dMQNROQr0 #TheFall #RoughTradeSingles #SuperiorViaduct #CastleMusic #Reissue #1981 #1983 #Singles #PostPunk #Punk #MarkE.Smith #SteveHanley #PaulHanley #CraigScanlon #MarcRiley #KarlBurns #JohnPeelSession
Post Punk Superior Viaduct (Castle Music) 不明Dr K2
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Embryo “Opal”
今回は、ちょっと毛色の違うクラウトロック・バンド、Embryoを紹介します。Embryoは独のミュンヘンのバンドで、Christian BurchardとDieter Serfasが10歳の時に、即ち、1950年代にBavariaで出会っていたことが、元々の端を発するバンドです。1969年に、マルチ奏者Christian Burchard (Drs, Vibraphone, Santur, Kbd)とEdger Hofmann (Sax, Flute)が再び会って、Embryoが結成されました。メンバーの入れ替わりが激しく、Charlie Mariano, Trilok Gurtu, Ramesh Shotham, Marty Cook, Yuri Parfenov, Allan Praskin, X.Nie, Nick McCarthy, Monty Waters, Mal Waldronが在籍はしていましたが、最も長く続いたメンバーは、Edgar Hofmann (Sax, Vln), Dieter Serfas (Drs), Roman Bunka (G, Oud), Uve Müllrich (B), Michael Wehmeyer (Kbd), Chris Karrer (G, Oud, Vln, Sax), Lothar Stahl (Marimba, Drs), Jens Polheide (B, Flute)でした。因みに、KarrerはAmon Düül IIのメンバーでした。それで、彼等は、独のバンドTon Steine Scherbenと共に、1976年に、独逸発の自主制作レーベルSchneeballを作ります。1979年には、Embryoは、9ヶ月に渡るバスでのツアーを開始し、その様子を”Vagabunden Karawane”と言う映画にしています。また、彼らは、ジャズ・ロック的なクラウドロックか、ワールド・ミュージック・バンドへと変遷していきます。彼等は、4大陸制覇ツアーをしながら、各地でフェスに出演もしています。因みに、1991年には日本の和歌山でのフェスにも参加しています。これらのツアーの功績で、Embryoは、2008年のTFF Rudolstadt Festivalで、ドイツ・ワールド・ミュージック賞RUTH 2008を受賞しています。しかしながら、1981年に、Uve MüllrichとMichael Wehmeyerがバンドのやり方に反対を唱え、脱退し、Dissidenten(反体制派)と言うバンドを結成しています。その後、Christian Burchardがモロッコで心臓発作を起こし、その為、娘のMarja Burchard (Drs, Vibraphone, Vo, Trombone, Kbd)がバンドを率いることになります。なお、2018年1月17日に、Christian Burchardは71歳で、ミュンヘンにて他界しています。 大体のEmbryoの流れは上記のようになります。それで、彼等の本作品”Opal”について紹介したいと思います。この時のメンバーは、Christian Burchard (Drs, Vibraphone, Santur, Kbd), Edgar Hofmann (Sax, Vln, Flute), John Kelly (G) Ralph Fischer (B, Vo)の4人(正確な担当楽器は不明ですが)で、ゲストとして、Holger Trülsch (Bongos), Roberto Detrèe (MotoCello), Bettsy Alleh (Vo)も参加しています。両面とも4曲ずつ収録されていますが、B1 “Got No Time”なんかは1分半しかありません。それで、まだ、この作品ではワールド・ミュージック系ではないですが、とにかく各人のテクは凄いです。なので、敢えてジャンル分けをするならば、ジャズ・ロックと言うことになるでしょうか? 特に、A1 “Opal”やA2 “You Don't Know What's Happening”でのヴァイオリンとベースの掛け合いほ白熱していますね。A3 “Revolution”でのギターとドラムの掛け合いにフリーキーなサックスが絡むのも緊張感があって良いです。A4 “Glockenspiel”のベースのヘビーさもカッコいいです。B2 “Call”ではギターとドラムとサックスの掛け合いに、オルガンまで巻き込んで、トルネードのようです。フェイドアウトがちょっと残念。B3 “End Of Soul”では、男性のスポークン・ワードと唸りまくる太いベースが堪能できます。B4 “People From Out The Space”の異常なグルーヴ感は何なのだろうか? とまあ、最後の盛り上がりとか最高だな。いやー満腹です。今聴き直すと、意外と各々の個性がぶつかり合ってよいですねぇ。それで、個人的に思ったのが、ベースの録音仕方が上手いと言うこと。そこだけでも面白かったので、皆さんも聴いてみて❗️あと、ジャケのデザインも秀逸なので、是非アナログで! A1 “Opal” (2:44) A2 “You Don't Know What's Happening” (4:50) A3 “Revolution” (4:34) A4 “Glockenspiel” (4:59) B1 “Got No Time” (1:20) B2 “Call” (3:31) B3 “End Of Soul” (4:10) B4 “People From Out The Space” (7:26) https://youtu.be/H-Z_SG6FmaI?si=DD8lllFZVzAX8Dpf [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lz6r3K6gnyxjhovhrlupKsmQQS8urWMfs #Embryo #Opal #Ohr #1970年 #Reissue #BreezeMusic #2020年 #FirstAlbum #Krautrock #JazzRock #AmonDüülII #Dissidenten #ChristianBurchard #EdgarHofmann #JohnKelly #RalphFischer #Guests #HolgerTrülsch #RobertoDetrèe #BettsyAlleh
Krautrock / Jazz Rock Ohr / Breeze Music 3000円Dr K2
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Coil “Love's Secret Domain”
お恥ずかしいながら、私は、CoilとかCurrent 93とかDeath In June辺りの音楽は殆ど聴いたことがないんですよ。何故かは分かりませんが、、、なので、勉強と思って、買ったのが、本作品”Love’s Secret Domain”でした。まあ、そうは言っても、この前、Peter “Sleezy” Christophersonの3枚組は聴きましたが。それでは、先ず、Coilのバイオグラフィーを紹介しておきます。元々は、1982年にJohn BalanceよってLondonで始まりましたが、バンドメイトでもあったPeter ‘Sleezy’ ChristophersonがBalanceとパートナーとなって、活動を共にした1984年から、フルタイムのグループとして活動を始めました。Coilは、オカルト、セクシャリティ、錬金術、ドラッグと言ったテーマに深く関与しており、ゴス・ロックやネオ・フォーク或いはダーク・アンビエント等に大きな影響を与えた、ポスト・インダストリアル・バンドです。BalanceとSleezyがパーマネントなコアメンバーで、作品毎に他のアーティストが加わると言う形態を取っています。Balance (本名Geoff Burton)は1978年には、彼の同級生Tom CraigとSubmentalと言う英国の地下音楽を扱うファンジンをやっており、特にインダストリアル・ミュージックに興味を持っていました。特に、Throbbing Gristle (TG)のファンであったBalanceは直接、Genesis P-Orridgeに手紙を書いて、親交を深め、またTGのライブへも足を運びます。その頃にSleezyとも友達になっています。そして、1981年にTGが解散し、P-Orridge, SleezyとAlternative TVのAlex Fergussonは、Psychic TVを始め、Thee Temple ov Psychick Youth (TOPY)を組織します。その頃、Sussex大学に通っていたBalanceは、ロンドンに戻ってきて、彼等のライブに参加しますが、この頃にSleezyとパートナーになったらしいです。Psychic TVのメンバーとして、彼は最初の2枚のアルバムに参加しますが、1982年には、彼はサイド・プロジェクトとしてCoilを名乗ります。1983年に、彼は “The Price of Existence Is Eternal Warfare”と言うマニフェストと”On Balance”と言うテープを作製しています。同年8月4日に、CoilはBalanceとSleezyのデュオとなり、Cerith Wyn EvansやDerek Jarmanの映像をバックに、ロンドンで初ライブを行なっています。SleezyはP-Orridgeとの確執があったこともあり、Coilに専念する決意が固っていました。Balanceは、バンドメイトのJohn Gosling(その頃、新ユニットZos Kiaを始めていた)と一緒に作業するようになり、1983年には3人でCoilのライブを3回やっています。そして、Zos Kia/Coilのスプリット・アルバム”Transparent”を1984年2月にNekrophile Recordsからリリースしています。そうして、1984年1月にBalanceとSleezyはPsychic TVとTOPYを脱退し、Coilに専念します。そして、1984年4月20日に、ベルギーのL.A.Y.L.A.H. Antirecordsから、単独のEP”How To Destroy Angels”をリリース、このアルバムはノー・ウェーブ・バンドMarsに捧げられています。同年5月から、Coilは、JG Thirlwellを共同プロデューサーに迎え、「変容のアイデアとしての錬金術」をテーマに、Stephen Thrower, Alex Fergusson, Gavin Friday等のアーティストも参加して、ファースト・スタジオ・アルバム”Scatology”を作製します。このアルバムは1985年初頭に、彼等自身のレーベルForce & Formと、Some BizarreのサブレーベルK.422からリリースされます。その直後、Coilは、米国Four Prepsの”Talented Love”のカバーをリリースし、その売り上げをAIDS患者救済運動組織Terrence Higgins Trustに献金しています。1986年に、Coilはセカンド・アルバム”Horse Rotorvator”をリリースしますが、曲名がスカトロを想起させるもので、かつスロー・テンポな曲が多く、Balance曰く「よりダークなテーマ」とのことです。このアルバムのアートワークには、IRAによる軍楽隊パヴィリオンの爆破現場の写真が使用されています。その後、彼等はSome Bizarreを離れ、1987年にサード・アルバム”Gold Is the Metal (With the Broadest Shoulders)”を彼等自身のレーベルThreshold Houseからリリースしていますが、これは前作とは全く関係が無いとライナーノーツには記述されています。その後、ミニアルバムなどもリリースし、1991年に、本作品であるアルバム”Love’s Secret Demain (これを略するとLSDになる)”をリリースしますが、このアルバムでは、ポスト・インダストリアルの一つの方向性として、アシッド・ハウスを取り入れた、Coilの新しい音楽性を持った作品になっています。アップテンポの多いアルバムですが、Sleezyは、「これはダンス・ミュージックでは無い。もっとポジティブなものだ」とコメントしています。例えば、”Windowpane”はタイとビルマの間にある黄金の三角地帯についての曲であり、Balance曰く「そこで取れた麻薬をCIAが金に変えていることを歌っている」。Sleezyは、シングルカットされた”Windowpane”と”The Snow”のミュージック・ビデオを作っています。その後、1992年には、アルバム”Stolen & Contaminated Songs”がリリースされていますが、これは”LSD”のアウトテイクとデモトラックから作られています。今回のCoilのバイオグラフィーはここまでとします。なお、Balanceは、2004年11月13日に自宅で逝去しています。また、Sleezyも2010年11月24日にタイのバンコクで亡くなっています。 それで、本作品”LSD”の内容ですが、先ずはメンバーを紹介しておきます。BalanceとSleezyは勿論のこと、他にOtto AveryとStephan I. Throwerが参加しており、更に、Juan Ramirez (Spanish G), 元Strawberry SwitchbradeのRose McDowall (Back-Vo), Michael McEvoy (Kbd), Cyrung (Didgeridoo), 元Soft CellのMarc Almond (Vo), Audrey Riley (Cello) Jane Fenton (Cello), Julia Girdwood (Oboe), Jos Pook (Viola), Sue Dench (Viola), Andrew Davies (Vln), Clive Dobbins (Vln), Gini Ball (Vln), Sally Herbert (Vln), Billy McGee (Orchestral Arrangement), 元This HeatのCharles Hayward (Drs)が1〜2曲ずつゲスト参加しています。それで、全体の印象を言うと、確かに変な音やエフェクト処理等がそこかしこに施されているのですが、基本的にはハウスっぽい(?)ビートのあるダンサブルな曲は多い印象はあります。各曲を紹介すると、A1 “Disco Hospital”は、その曲名だけでもカッコいいですが、勿論、音の方もぐちゃぐちゃの音声の変態的混合物で始まり、鞭の音に合わせたビートでカッコいいです。A2 “Teenage Lightning”は重めのビートとガムランのようなパーカッションにエフェクト掛けまくりのロボット・ヴォーカルから成る曲で、間奏にゲストのRamirezによるSpanish Guitarが入ってきます。先述のA3 “Windowpane”も重めのダンサブルなビートの曲なんですが、歌詞が辛辣ですね。ここら辺の音がアシッド・ハウスからの影響なんでしようか? A4 “The Snow”もリミックス・ヴァージョンがシングルになっていますが、いきなりTGの時のGenesisのような声の逆回転で始まり、軽めのビートに4打ちのキックが入ってきて、かなり上手いMcEvoyのキーボード・プレイが聴取出来ます。A5 “Dark River”はスローな曲で、ガムランのような打楽器とシーケンスが絡む異色かつ不穏な曲です。それでB面に移ります。B1 “Further Back And Faster”は導入は早いビートなんですが、その後はやはりダンス・ミュージックのようなビートになり、そのバックにCyrungによるDidgeridoo(打楽器?)が並走し、押し殺したようなヴォーカルが囁き始める、アルバム中最も長い曲です。B2 “Titan Arch”は淡々としたリズムに粘っこいMarc Almondのヴォーカルが被る曲で、バックにはかなりノイズ要素が強いです。B3 “Chaostrophy”は短波ラジオのコラージュで始まり、徐々にオーケストラの音が変調されながらも混じってくるビートレスな曲です。オーボエ独奏が何故か物悲しい。そして、タイトル曲B4 “Love's Secret Domain”ですが、歌詞も暗喩的で、リズムはあるものの、一種、病的な雰囲気に溢れています。 このような内容となっていますが、Coilの歴史を振り返るには、このアルバムも重要なのですが、その前までの作品も聴かなきゃと思いました。ライナーノーツをNurse With WoundのSteven StapletonとD.H.なる人物が書いていますので、参考になるかもしれませんね。Coilに関しては、初期の音源を聴いてから、判断しようと思いますが、本作品はクラブ・ミュージックでも通用すると思いますので、そこら辺を掘っているDJやリスナーには受け入れ易いのではないでしょうか❗️ A3 “Windowpane” (music video) https://youtu.be/AnoqcyGWPEA [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_ngpLNSnVZTAfWA6tybq5VQ2NFWAU3L_ng #Coil #Love’sSecretDemain #Torso #KontaktAudio #LSD #Reissue #Remastering #Experimental #AcidHouse #Post-Industrial #JohnBalance #PeterSleezyChristopherson #OttoAvery #StephanI.Thrower
Post-Industrial / Experimental Kontakt Audio (TORSO) 不明Dr K2
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Ash Ra Tempel “Schwingungen”
入手してから、まだ聴いていなかったよー!独のAsh Ra Tempelのセカンド・アルバム”Schwingungen (振動)”を、今回は紹介します。私が購入したのは、本アルバム発売50周年記念として、180gの重量盤で見開きジャケと言う豪華な一品です。ええっと、ちょっとややこしいのですが、元々は、ギタリストのManuel Göttschingが中心となって西独で1970年〜1976年に活動していたのが、このAsh Ra Tempelで、バンドとして終わってからは、Göttschingは、Ashraの名前で活動していました。それで先ず、Ash Ra Tempelのバイオグラフィーを書いていきたいと思います。1970年に、Göttsching (G)は、Klaus Schulze (Drs)とHartmut Enke (B)とのトリオで、Adh Ra Tempelを結成します。この前に、SchulzeらはConrad Schnitzlerと短期間ではありましたが、Eruptionと言うバンドに参加していますし、その前に、SchnitzlerとSchulzeはTangerine Dreamで一緒でした。それで、1971年6月に、彼等はセルフ・タイトルのファースト・アルバムをリリースします。その後、Schulzeがソロ活動の為、脱退した為、続くアルバムでは非正式なドラマーWolfgang Müller (Drs)を入れて作製していくことになり、主導権はGöttschingが握ることになり、1972年に、セカンド・アルバム“Schwingungen”をリリース。更に、当時、スイスを放浪していたLSDのグルTimothy Learyとコラボして、サード・アルバム”Seven Up”を1973年にリリースします。どうもこのアルバム作製時には、同僚ミュージシャン達がLSD入りのセブン・アップを飲んで、セッションしていたらしいです。1973年2月28日に、オリジナル・メンバーでリユニオン・コンサートをケルンで行います。その年の後半には、オリジナルの3人とRosi Müller (Vo)で、4枚目のアルバム”Join Inn”をリリースしますが、Enkeが体調不良で脱退し、またSchulzeも脱退。2人がいなくなってから、GöttschingとMüllerで、アルバム”Starring Rosi”をリリースします。2人のクレジットしかありませんが、実は、Harald Grosskopf (Drs)とエンジニアのDieter Dierks (B)も参加しています。1975年にzは、Göttschingはソロとして、”Inventions for Electric Guitar”を出しますが、本来、このアルバムは"Ash Ra Tempel VI"と名付けられて、Ash Ra Tempelの6枚目のアルバムになる予定でした。その年末には、Göttschingは、Agitation FreeのLütz Ülbrichと共に、Philippe Garrel作の映像作品” Le berceau de cristal”のサントラを担当しており、これは最初のコマーシャルなリリースとなりましたが、この先、1993年までコマーシャルな仕事のオファーは来ませんでした。1976年に、次のアルバム”New Age of Earth”をリリースしますが、この作品もGöttschingのソロアルバム的なものであった為、再発盤にはAsh Ra Tempelではなく、Ashraとのグループ名が付けられ、それは2000年代初頭まで続くことになります。今回はここまでとしておきます。 それで、セカンド・アルバムでもある本作品”Schwingungen”の内容についてですが、A面は”Light And Darkness”と題されて2曲が収録されており、B面も”Schwingungen”と題されて2曲が収録されています。参加メンバーは、Manuel Göttsching (G, Organ, Electronics. Choir), Hartmut ‘Infra Roger’ Enke (G, B, Electronics), Wolfgang Müller (Drs, Vibraphone), Uli Popp (Bongos), John L. (Vo, Jew’s Harp, Perc), Matthias Wehler (Sax)で、この頃からRosi Müller (雑用)もいるようです。A1 “Light: Look At Your Sun”はややスローかつダルなテンポで、陰な気分になるような気怠い曲で、とても太陽の光など感じられない、と言うか薄曇りの中に靄と共にぼんやりした陽の光を見上げるような気分になります(サイケっちゃサイケなんですが)。A2 “Darkness: Flowers Must Die”は、手数の比較的多い走り抜けるようなドラムとベースにフェイザーとかを掛けまくったギター、吹き上げるサックス、それに絞り出すように叫ぶヴォーカルが渾然一体となって、聴く者の耳を襲ってくる、激しい曲ですね。B面はタイトル曲で、 “Suche”〜“Liebe”は、囁くようなビブラフォンの調べから始まり、キックの連打、そして不安を煽るようなオルガン、やがて再び闇のような時間を超えて、美しい歌声とハーモニーの光に照らし出される世界へと導いてくれるような至福の一大絵巻となっています。素晴らしい‼️聴き応え充分なアルバムです。クラウトロック云々の他に、至上の愛(或いは光)を感じる音楽です。マスト❗️ https://youtu.be/4VpdJt-eq0Q #AshRaTempel #Schwingungen #MG.ART #Ohr #Krautrock #Psychedelic #SecondAlbum #50thAnniversaryEdition #Reissue #Remastering #ManuelGöttsching #HartmutEnke #WolfgangMüller #UliPopp #JohnL. #MatthiasWehler
Krautrock / Psychedelic MG.ART (Ohr) 不明Dr K2
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Geography Of Hell “Verdun 1916”
素晴らしいネーミングのバンドだなあと、先ず感心してしまいました。「地獄の地図」だよ! しかも、国際的なメンバーによる完全なる覆面バンドで、メンバーは誰かは一切不明です。このGeography Of Hell (以下、GOHと表記)は、2008年に”Dresden 1945”と言うカセット作品をリリースして、2018年に名作ファースト・アルバム”Hiroshima 1945 / Nagasaki 1945”をリリース、ヴァイナルとしては、セカンド・アルバムに当たるのが、本作品”Verdun 1916”となります。一貫して、戦争と言う不毛の行為を描き出してきたGOHですが、今回は、第一次世界大戦をモチーフにした作品とのことで、ブックレットの方にも山のような当時の白黒写真が詰め込まれています。先述のように、GOHは正体不明で、唯一鍵となるのは、リリースが、米国テクノ〜ノイズ作家Dominick Fernow或いはPrurient主宰レーベルHospital Productionsからリリースされていると言う点と、Bandcampには仏と記載されている点です。それ以外の情報はありません。それで、本作品”Verdun 1916”の内容についてですが、曲名はなく、両面とも1曲ずつ長尺の曲が収録されています。その前に、このタイトルの”Verdun”について、少し解説しておきますと、第一次世界大戦の西部戦線で、フランス共和国内のヴェルダンを舞台に繰り広げられたドイツ軍とフランス軍の戦いのことです。そして、第一次世界大戦における主要な戦いの一つで、1916年2月21日に始まり、12月16日まで続いたこの戦いで、両軍合わせて700,000人以上の死傷者を出した凄まじくも陰惨な攻防戦であったとのことです。収められている曲はマーシャル系のリズムとパワ・エレ系ヴォーカルもあるのですが、どうも、メンバーは実際にVerdunに行き、そこに転がっているWWIの残骸(塹壕、要塞、ヘルメットなど)をフィールド・レコーディングしてきたらしく、そのような音も巧妙に加えられているみたいです。また、当時の無線通信やニュース音声等も加えられており、壮大な「戦争絵巻」となっています。また、一緒に ブックレットに掲載された夥しい戦時中の写真も視覚から訴えてきます。相乗効果ですね。中々、ヘビーな内容なので、心して聴かれるのが良いかと思われます‼️ https://youtu.be/XJ5OZqgfHac Bandcampも貼っておきました。 https://geographyofhell.bandcamp.com/album/verdun-1916 #GeographyOfHell #Verdun1916 #HospitalProductions #SecondAlbum #WorldWarI #Noise #Martial #PowerElectronics #FieldRecording #Verdun #France #HeavySound #Booklet
Industrial / Experimental Noise Hospital Productions 2500円Dr K2
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A Blaze Colour “Against The Park Trees Beyond”
これは完全に欧州物シンセ・ウェーブと言うことで購入しました。ベルギーのA Blaze Colourのセルフ・コンピ・アルバムです。彼等のバイオグラフィーを調べたのですが、殆ど情報がありませんでした。メンバーは、Karel ‘Bam’ Saelemaekers (Synth [Korg Polysix, MS20, M10, Casio VL Tone], Sequencer [SQ10] )とLudo Camberlin (Synth [Roland Jupiter 4, Roland SH2], Drum Machine [DR-55, TR808] )から成るデュオです。このデュオは現役時代には、カセット1本とシングル2枚(7㌅と12㌅)しか出しておらず、その詳細は不明です。その現役時代も、1981年〜1983年と言う短期間で、結成は1980年初頭にベルギーのLeuvenでと言われています。彼等がバンドを組んだ背景には、シンセが安価に入手できるようになったと言うことがあるみたいです。何でも、ライブトラックをコンパイルしたブートレッグがあるらしいのですが、これは本人達も確認できていないそうで、信ぴょう性に欠けるようです。それで、内容なんですが、多分、リズムボックスはBOSS DR-55と言う一番安価な物も使っていると思います。一応、シーケンサーと同期されていますが、簡素なシンセのリフやメロディから成る曲が多いです。ポップなことはポップなんですが、ん〜ひっかかりが無いと言うか、もう一つ個性的なところがあると良いなあと思います。でも、1980年代の欧州で流行ったシンセ・ウェーブの一端を知るには良いアルバムなので、聴いてみてはどうでしょうか❗️ https://youtu.be/rRsLkjHtiy4 #ABlazeColour #AgainstTheParkTreesBeyond #OnderStroomRecords #SynthWave #Belgium #Minimal #ElectroPop #Karel‘Bam’Saelemaekers #LudoCamberlin
Synth Wave OnderStroom Records 不明Dr K2
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Muslimgauze “Uzi”
また出ましたねー。PLOを支援していた英国人Bryn Jonesのイスラミック・インダストリアル・ユニットMuslimgauzeの初期のアルバム”Uzi”を、今回は紹介しましょう。元々は、1989年に独自主制作レーベルParade AmoureuseからLPで出されていた作品で、私が購入したものは、2021年にロシアに拠点を置く欧州レーベルOther Voices Recordsが、リマスターしてグレー盤として再発したものです。Muslimgauzeのバイオグラフィーについては以前に書いてありますので、そちらをご参照下さい。それで本作品の内容なのですが、その前に、本作品では、全ての曲がPart 1とPart 2の対になっているのが特徴ですね。例えば、A2 “Odour Of Semtex Part 1とA3 “Odour Of Semtex Part 2”と言うようになっています。今回は、リズムマシンと民族楽器(タブラなど)/シンバルなどの打楽器とが丁度良いバランスで配置されており、個人的には中々聴き応えがありました。A1 “Souq El Gharb Part 2”はシンバルがバシバシ叩かれる曲。A2 “Odour Of Semtex Part 1”はリズミックな曲で、対のA3 “Odour Of Semtex Part 2”はやや重いリズムの曲。A4 “Shroud Of Khomeini Part 1”は打楽器のリズムに逆回転の音が挿入される曲で単純なようで良く錬ってあります。それの対のA5 “Shroud Of Khomeini Part 2”もヘビーでリズミックな曲。A1の対のA6 “Souq El Gharb Part 1”は、静かな祈り声のようなイントロからシンバルをバシバシ叩くヘビーなリズムへ移行する曲で、A面を占めています。B1 “For Abu Jihad Part 1”は、ヘビーなキックの効いたリズムに薄ら電子音が絡む曲で、やがてシンバル乱れ打ちに、、、、対のB2 “For Abu Jihad Part 2”は珍しくイントロがあり、シンバルとキックが特徴的な曲で、後半には4つ打ちキックも。B3 “La Palestina Part 1”は電子音で始まり、ハンドクラップも入れたリズミックな曲で、対のB4 “La Palestina Part 2”はシンバルの逆回転から成り、低音ドローンも特徴的な曲。B5 “Obeid Part 1”は比較的テンポの早い曲でリズムも複雑。対のB6 “Obeid Part 2”はやや落ち着いたリズムの曲。とまあ、今回は割とシンバルを用いた曲が多い印象でしたが、リズムの構築はアラビックと言うか非西洋的/中東的で、緻密です。ただし、曲が3分台なので、不意に終わる曲もあり、もう少し聴きたいなあと思うこともありました。また、対になっている曲に、音楽的に何か共通点があるのか?と言うと、それ程無いようにも感じました。しかしながら、緻密さと大胆さを同居させたMuslimgauzeの魅力は充分に堪能できますので、Muslimgauzeのトライバルでインダストリアルな音楽を一度体験してみて下さい❗️ https://youtu.be/PuhqDnbKlq4 #Muslimgauze #Uzi #OtherVoicesRecords #KontaktAudio #ParadeAmoureuse #Reissue #Remastering #Tribal #Ethno #Industrial #BrynJones #PLO #RhythmMachine #打楽器 #民族楽器 #Cymbals #Electronics #対
Tribal / Ethno / Industrial Other Voices Records / Kontakt Audio (Parade Amoureuse) 不明Dr K2