アイリス(20本入)

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明治時代最後のタバコ。
50本未満の容量のものには珍しく、蓋付きの缶入りで発売されました。『光琳画帖』をもとにデザインされた菖蒲は、従来の日本画調から離れ、より単純化されたものの「図案」としての進化を見せています。残念ながら展示の品は、経年変化のために地色が剥落し、菖蒲の藍、葉の緑が褪せていますが、発売当時は金箔貼の屏風を思わせる優美な装いであったことが想像されます。
明治から大正にかけて、輸出対象となった銘柄には「Monopoly Bureau」・「Imperial Japanese Government Monopoly 」などの英文が添えられていましたが、「アイリス」は特に「Special Quality」の一文が添えられており、高級品種をセールスポイントとしていたことが読み取れます。
20本入りのほかに輸出用として、10本入小箱ならびに50本入が存在しました。

1912年2月3日~ 20銭で発売開始【画像1_3】

・1915年11月25日 製造中止

※10本当たり10銭という価格は、専売創始3品種の筆頭である「スター」よりも高額であった。

[1961 日本専売公社]

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