光(10本入)-その5

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戦後の混乱も一段落し、さまざまな物資の供給が安定し始めたのと軌を一にしたのかタバコのデザインにも色彩がもどってきた。「光」も配給品から自由販売品への転換にあわせ、まず3色刷に戻った。次いで金付印刷にもどり、1957年に発売当初の姿に復することができた。

1955年ごろまでは売上げ上位三傑には必ず顔を出していたが、改装された「ピース(新)」や「しんせい」や新銘柄「いこい」が上位を席巻し、シェアを落としはじめる。そして、フィルター付きタバコの生産量が両切タバコの生産量を上まわる1966年を目前に控えた1965年2月に廃止される。

「光」がオリジナルデザインで発売された期間は、1936年~38年・1957年~65年と、全発売期間の半分に程度にすぎない。それでも鮮烈なイメージを今に残しているのは、杉浦非水の非凡さによるものだろうか。かのレイモンド・ローウィも、「光」については「このままでよい」と評したということである。

【画像1】1947年12月20日~ 50円へ価格改正
☆「日本政府専売局」左書、3色刷に戻る
☆ 配給品から自由販売品への移行に伴う値上げ

【画像2】1949年4月1日~☆「日本専売公社」
  
・1950年4月1日~ 40円へ価格改正
☆在庫処理のため値下げ

【画像3】1950年8月1日~☆金付印刷に戻る
【画像4】☆表面一部デザイン改正

・1951年4月1日~ 30円へ価格改正
☆減税政策の一環として値下げ

【画像5】1952年3月頃~☆常用漢字採用
【画像6】1953年3月頃~☆公社証票変更

【画像7】1957年3月頃~
☆雲の陰影を入れ換えて発売当初の姿に完全に戻る

・1965年2月廃止

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