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ヴィクトリア時代のパルダリウムケース
19世紀の英国、ヴィクトリア時代のパルダリウム(小型の植物温室)。 今だとパルダリウムは、水槽に熱帯雨林や湿地帯を再現したものをさす。 しかし、もともとは19世紀頃の貴族の娯楽として作られた、小さな植物用温室のこと。つまりパルダリウムの語源のオリジナルアイテム。パリ万博にも出展されたという。 輸送するときに適温で植物をキープする役割も同時に兼ねていたのかも。 教会を模している。修復はあるものの、よくトップが残っていたものだと思う。 さらに、ガラスも前面(外せる)、側面ときちんと割れずに残っている。 なお、背面と底面は、ディスプレイケースとしても使えるようにと現代のアクリル板を切り出したものをつけてくれた。 確かにディスプレイケースになるが(ゴシックな物に合うだろう)、自分としてはやはり本来の使い方通りに植物を入れたい。 パルダリウムという判断のひとつ、底面に通気穴があいている(写真3枚目)。当時は台の上に置かれていたのだろう。 また、内部には植物を吊るせるフックがある(写真4枚目)。 博物蒐集をしていると、「これは一般的に欲しがられるもの」「これは自分だからこそ価値がわかるもの」に分かれるが、これは後者。 学生のときの専門は農学(植物)だし、植物も好きなんですよね。 しかも130年前の物でも実用的。ライトやヒーターやタイマーを設置すれば、植物温室として現代でもしっかり使える。 30センチキューブ水槽なみのボリュームなので、場所とる迷いはあったけど、実際に来ていいものだなと。 これまた、私の博物蒐集のモットーである当時の人の追体験をしたい欲も満たしてくれる。 #antique #イギリス #アンティーク #博物蒐集 #england #博物趣味 #園芸 #植物
博物 ヤフオク 2022ofugutan
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パスツールの使っていた顕微鏡
近代細菌学の開祖、パスツールが使用してた同モデル&時代の150年前の顕微鏡。 ルイ・パスツールは化学・医学・生物の分野で多くの業績を残しているフランスの研究者。 ワクチン開発のパスツール研究所で名前を知っている人も多いのでは?パスツールは、狂犬病のワクチン開発者でもある。 また、中学理科の資料集に掲載されていた、何故物が腐るのか=当時信じられていた、生き物が何もないところから生まれることがある「自然発生説」を否定した実験で知る人もいそう。 口を細く伸ばして外部から微生物が入らないようにした、白鳥型フラスコの中に煮沸した肉汁を入れておいても腐らなかったというやつだ。 自然科学オタクとしては、あの有名なパスツールの使ってた顕微鏡!?欲しい!!!のぞいて同じ体験を追体験したい!となってしまったわけで。 フランス製で『ナシェ No.3』というモデル。同じ物が載ってる出品者による掲載資料より1872年(明治5年)頃のものと思われる(3枚目)。 ベース部分にナシェ・エ・フィルス(NACHET ET FILS)のロゴあり(2枚目)。 対物レンズが2つついており、肝臓写真(240倍)より接眼レンズは16倍。倍率の低い2(2.5倍)の対物レンズと組み合わせると40倍で観察可能(3枚目)。 前者は微生物で後者は鉱物の観察に使えるか。 150年前と思えないほど、反射鏡に曇りがなくレンズも経年のわりにきれい(同年代の顕微鏡もうひとつ持ってるが)。 https://muuseo.com/Mayu_I_ofugutan/items/18 また、フランス製の科学機器らしく、曲線が多様に使われてるデザイン製の高さ。底面が布貼りなのもぬかりない(8枚目)。 なお、見た目以上にかなりずっしり重い。 箱が現存しておらず、そのままプチプチに包まれてきたのには驚いた。ディスプレイケースに入れないといけない。 もともとヤフオクで8万円〜出品で手が出なかったところ、5万〜に。このタイミングで落札してればよかったのに、出品者が今度は1000円からスタートに変更! →4万円くらいで落とせるか、と思ったら最後の競争相手が物凄く粘ってきて3万ほど戦い、6万4000円でfix。2022年の博物蒐集で予定外に散財したNO.1!になってしまった。 物的には、国立科学博物館にありそうクオリティの顕微鏡だけども! 余談:実はパスツール、人生後半は有名になりすぎて立場に固執し、実験の捏造やってて正しい対抗者の説が認められず…とか、科学×政治の今も続く闇の原因にもなってるんですよね。完全正義の偉人ってわけではない。 #博物趣味 #博物蒐集 #antique #science #科学 #medical #アンティーク
科学 NACHET ET FILS ヤフオクofugutan
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フローライトの母岩付き標本(ヤオガンシャン産)
鉱物収集家に人気のフローライト(蛍石)。ヤオガンシャンは有名な産地のひとつ。 フローライトは雑貨屋さんで数百円で手に入るものから、レア産地のものは数十万円の価格がつくものも。沼にはまると怖いが、鉱物を楽しむ入り口として良い石のひとつかと思う。 カットしなくても結晶の形が整っていていること、産地によって色や形に個性があり、ゾーニングと呼ばれる色が帯状にうつり変わる部分がさまざまでわびさびを感じる美しさが魅力の理由だろうか。 ずっぷりハマるのは怖いけど、手に入れやすい価格でバランスの良い標本がひとつ欲しいと思っていたところ、目にとまって入手。 結晶にカケはちょっとあるけど、青緑〜紫のゾーニングがきれいに出てるし(2枚目)、ぽこんと母岩にひとつのってる様子はなかなか良い。 また、パイライトと共生していて、ひっくり返すとキラキラ光る部分(3枚目)が好み。フローライトがきれいな面と同じ場所にあったらベターではあった。 でも、このクオリティで3000円くらいなので、コスパ良い印象。 #鉱物標本 #鉱物 #フローライト #蛍石 #博物
鉱物 ヤフオク 2022ofugutan
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辰砂(北海道産)
辰砂(シナバー)は『賢者の石』とも言われる赤い石。中2心をそそるので、ひとつ欲しいと思っていたもの。 写真の標本は光沢を感じる粒があったので購入。白い部分は、多分ドロマイトと共生。 辰砂というと、漫画「宝石の国」のキャラクターで知った人は多いかもしれない。 なぜ『賢者の石』なのかというと、その背景や特徴が『賢者の石』らしいからのようだ。 この石は高温で熱すると水銀が得られる。そのために日本でも発掘されていたし、赤い鮮やかな色なので、弥生時代から顔料や絵の具として使われていたとのこと。 錬金術においては、賢者の石を作るためのプロセスに水銀が必要となる。水銀自体が、不思議な性質から、不老不死の薬としてもいたが……。 過程は「ニグレド」「アルベド」そして最終の「ルベド」と段階で色を変えていく。今は黒、白、赤。だから賢者の石は赤い色で、まさしく辰砂の色も赤である。 また、辰砂は中国においても、漢方薬や霊薬に使われていた。実際は体に悪影響をおよぼすのは皮肉なことだ。 水銀ということで取り扱いの危険性を心配する人がいるが、高温で加熱するわけではないので、普通に標本として飾るぶんには問題ないのではと思う。 ただ、触ったあとに手は洗ったほうが安心では。 #鉱物 #鉱物標本 #博物趣味
鉱物 2〜2.5 ヤフオクofugutan
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スプートニク Weather Station
ソ連発の人工衛星、スプートニクを模した気圧計、温度計、湿度計を合体させたスチームパンク感もある科学オブジェ。 1950年台後半のスプートニクショックより、スプートニクを模したデザインの製品が数多く作られたが、中でもデザイン性が高いアイテム。 パーツの色が違うものや卓上、壁掛けタイプなどさまざまなバリエーションがある。 デザインは好きだがけっこう市場では見るため、博物蒐集家的には悩ましい。1950〜60年代でアンティークではなく、一点ものではないアイテムにどこまでお金をかけられるか? 精度が高そうなものは4万以上するし、まったく動かないジャンクをオブジェにする興味はない。 ということで、1万円台の低価格で購入、精度的には狂っていると思うが(特に湿度計)、針の動きは楽しむという落とし所にした。 なお、人気のためほかのメーカーからレプリカも出ているが、これはHUGER社のオリジナルでシリアルナンバー入りの西ドイツ製。ここは重視した点だ。 経年で変色した色合い的にも、生産されたなかでは古い方ではないかな?と推察している。 ちなみに、近い年代の蒐集品はこちらの月球儀。宇宙開発に熱狂した、スペースエイジなアイテムたち。 https://muuseo.com/Mayu_I_ofugutan/items/6?theme_id=33900 #博物蒐集 #ドイツ
理科アンティーク HUGER ヤフオクofugutan
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英国の古い三日月のクリップ
十三夜なので月を象ったものを。1920年代のイギリス製の真鍮でできたクリップ。 ネクタイピンのような形状なので、服や小物にとめるほか、文房具として紙ものをまとめるのにも使えて、なかなか汎用性が高いアイテム。 三日月が人の横顔になっているデザインのものは西洋でよく見られるので、ひとつ欲しかった。 ところで、その場合は写真のように月が右を向いている下弦の月なんですよね。 欠けていく月で、見えるのは夜明けなため、見たことのない人も多いのでは。 一般的に見る三日月は夕方に見える、満ちていく上弦の月です。 下弦の月のほうが神秘的な大人な雰囲気はあるかもしれませんね。 以下、稲垣足穂の『鉛筆奇談』より。 「君、お月さまって左向きと右向きとは随分ちがうね、この間あれに目鼻がついてあるわけがはじめてわかったよ。普段見る三日月というのは左向きだが、月も明方のやつ即ち右向きになるとね、左向きとはちがった谷や影のせいだろう、弓のうち側のところがギクシャクしてほんとうに横を向いた顔に見えるから妙だよ。宵の月なんか見ている奴は野暮で、あの男か女か子供かおじいさんかわからぬようなお月さまの横顔を見た西洋人は、たぶんドイツ人でそして明方に寝るような何かそんなしゃれた職業の男であったと思えるんだが」 ちなみに、入手はヤフオクからですが出品者は天文アンティークを複数だしており、こちらのガラススライドも過去に同じ方経由で入手しています。 https://muuseo.com/Mayu_I_ofugutan/items/39?theme_id=33558 https://muuseo.com/Mayu_I_ofugutan/items/74?theme_id=33558 #アンティーク #イギリス #博物蒐集
アクセサリー、文房具 ヤフオク 2022ofugutan
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英国JOHN HADDON社の古いプリンタートレイ
アンティークアイテムの定番、イギリスの古いプリンタートレイ。1920年代頃のもの。 活版印刷が盛んだった時代に、印刷所で活字を収納する引き出しとして使われていた。 なお、活字そのものも蒐集済み。 https://muuseo.com/Mayu_I_ofugutan/items/110?theme_id=36293 アンティークのプリンタートレイは、現在では立て掛けて小物をディスプレイするアイテムとして人気。 ポピュラーなのはアメリカのハミルトン製だが、私はちょっと渋いこちらイギリスのJOHN HADDON & Co製のが欲しかった。なんとなくル・クルーゼ派とストウブ派みたいな感じ? ディスプレイアイテムとして需要が高いため、小さいサイズに加工された可能性もあるが、これは接続部が組み木なのでオリジナルだろうか(そう思いたい)? なお、枠はもっとランダムなものが欲しかったが、2種類枠なので良しとする。 小さい方には、宝石のルースケースの定番ミニサイズがジャストフィットした。 とりあえず、ぎゅうぎゅうになっているキャビネット内のものや、その辺に転がしている鉱物をセット。 そのほか、海福雑貨で買った真空管や銅箔が入った小瓶とか、理科系のクラフトイベントで買ったビスマスやキューブプリズムなどを収めてみた。 #antique #博物蒐集 #english
ディスプレイ JOHN HADDON ヤフオクofugutan
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昭和時代のブリキの螢かご
1950年代ころの蛍かごのデッドストック。蛍はいないので、蛍石をいれてみた。 手の平サイズの小さな虫かごです。こんな華奢なかごでも、蛍は捕まえておける繊細な生き物なのだと感じる。 まるで灯りとして使えるように、小さな脚が付いているところや、蓋もシンプルな造りで味がある。 色もレトロで可愛らしい。 植物を飾るのにもいいのだろうけど、星をつかまえたかのように、マカバスター(六芒星の立体)に掘り出した水晶をこの中に入れて飾りたい。 #ビンテージ #ブリキ
ブリキ雑貨 ヤフオク 2022ofugutan
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アイオライト・キューブ
アイオライトは多色性がある鉱物で、光の当たり具合で青〜紫〜黄色がかった透明に見え方が変わる。 これも普通に見ると黒に近いダークな青なのだが、角度によって透けて指が見える(4枚目)。 国立科学博物館の『宝石展』で、このようなキューブカットのアイオライトが回転する台にのせられていて、色の変化がリアルタイムにわかる展示をされていた。 それが面白かったので、同様にキューブカットのこの標本を入手。 なお、アイオライトは流通名で、「ion(スミレ色)」と「lithos(石)」という2つの単語の合体と言われる。よって 菫青石(きんせいせき)の和名を持つ。鉱物としての名前はユーディエライト。 近年、9月の誕生石になったため、アクセサリーへの加工なども増えて認知度も高まるのではないだろうか。 #鉱物 #誕生石
鉱物 7.0〜7.5 ヤフオクofugutan
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1900年初頭の仏製の18kピアス
20世紀初頭頃のフランス製のアンティークピアス。鷲の頭の18kを表すマークが刻印されている。 当時のフランス製のピアスでよく見る「ドルムーズ」というタイプで、耳の後ろから針を通して前でカとめる。 ドルムーズとは、「眠る=ドルミール」という意味のフランス語から派生。英語だと「スリーパーズ」。 かつて、赤ちゃんを抱く必要のある乳母が着けたといわれている。 着けた後の装着感がよく、そのまま眠っても痛くないことから。邪魔になりにくいのが特徴。 ただ、このピアスの場合、挿入口がかえしのようになっているので、スッと入りにくく装着はしにくい。付けた後は楽なのだが。 サイズ感やデザインも現代で普通に使える。使いやすそうなのと、見たときに三日月ぽいと思って購入。 18Kだが、中が空洞なので見た目より軽い印象。 #アンティーク #フランス #ジュエリー #ピアス
アンティークジュエリー ヤフオク 2022ofugutan
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フランスビンテージのソーイングボックス
1960年代頃の仏製ソーイングボックス。ビーチ材。開けると中身全体が見わたせる。メイクボックスとして使用。 ソーイングボックス自体は、英国製をはじめ、アンティークアイテムとしては珍しくない。もちろん、裁縫箱として使用できる。 ただ、現代だと取手つきで細かいものを収納でき、見やすい構造的にメイクボックスや工具箱として使うのに便利。 この製品は、脚などがアーコールの家具に似ているデザイン製の高さと、仕切りが多いのが気に入った。 惜しむらくは、購入したあとに二段だと気づいた。このデザインで三段構造だったらベストだった。 とはいえ、深めの箱形のメイクボックスに手当たり次第にアイテムを入れていたときより、すっきりものが片付いてよかった。 上が平らなのでベッドの横に置くと、スマホなどをちょい置きするにもちょうどいい。
ソーイングボックス ヤフオク 2022ofugutan
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アールデコの英国製の星の指輪
今日は七夕なので星のアイテムを。ベゼル(石座)が星型になっている珍しい指輪。1900年代初頭のイギリス製。 出品者は数多くの英国のアンティークリングを扱ってきたが、星型のベゼルは初めて見たとのこと。 星の中心には小さいダイヤモンド。材質は9kで中心はWG、周囲はYG。 水引きのような曲線があわさった細い指輪で、細身の指にきれいに収まるデザインになっている。 花や星など自然な物と曲線の組み合わせで、アールヌーボーぽさを感じる。 #アンティーク #イギリス #指輪 #アールデコ
アンティークジュエリー ヤフオク 2021ofugutan
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ヌーマイト
ヌーマイトは漆黒に流星のような青や緑のフラッシュが入り、神秘的な美しさがある石。 1982年にグリーンランドのヌーク地方で発見された。和名は角閃石片麻岩(かくせんせきへんまがん)。 近年まで見つからなかったのは、地球温暖化のために溶け出した氷河の下から発見されたからとか。 そのいっぽう、約25億年前から存在していたと言われ、地球で見つかった石のなかで最も古い部類になる。 グリーンランドで近年発見されたパワーストーンというと、ほかには赤くて紫外線で色味が強くなるタグチュパイト(ツグツパイト)がある。ものすごく価格があがっているので、15年前ebayで見たとき、買っておけばよかった……。 今は安価で気軽に手に入るヌーマイトも産出量が少なく、すでに枯渇傾向とも。今後手に入れにくくなる可能性はあるので、蒐集品として入手しておいた。 #鉱物
鉱物 5.5〜6.5 ヤフオクofugutan
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英国ビンテージのポールハンガー
イギリスのミッドセンチュリー時代のポールハンガー。 上部がもっと古い時代のベントウッドで作られたイギリスのポールハンガーの定番デザインを踏襲している印象。 ただ、支柱の部分はギリシャの神殿の柱ぽいとも感じる。3つのパーツに分類でき、支柱は経年で少しななめになっているものの、十分使える。 色合い的には、自分がメインで集めている19世紀末〜20世紀初頭の家具より、カントリー系の家具に合うかとも思う。 あまり場所をとらず、濡れたアウターなどをかけておけるポールハンガーが欲しかったが、家具は英国アンティーク(100年以上)〜ビンテージ(100年未満20年以上)で集めているため、手頃な価格で見つけたときはこれだ、と購入。 やはり使い勝手がいいため、玄関近くで実用品として活躍している。 #イギリス #ビンテージ #家具
アンティーク家具 ヤフオク 2017ofugutan
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フランスの古いサーベル型ペーパーナイフ
1920〜1950年頃のフランス製。真鍮でできたサーベル型のペーパーナイフ。 ペーパーナイフは、魔法の杖みたいなものなど、遊び心を感じるものが多いけど、このサーベルを模したデザインも中2心がそそられる。 持ち手の部分は縦に削り取ったような線が見られるので、おそらく削り出しで作られている。 刀身には、羽のような模様が彫られている。 振り回すとヒュッとけっこういい音が鳴るので、本当に武器になりうるんでは。 なお、真鍮の文房具は時を経た現代でも実用できるものが多いのが魅力。価格もほかのアンティークなものより手頃な傾向もあり。 #フランス #vintage #antique
アンティーク文房具 ヤフオク 2022ofugutan