モダンジャズカルテット、ラスト、コンサート

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演奏する側、Milt Jackson (vib), John Lewis (p), Percy Heath (b), Connie Kay (ds)の4人の演奏も、通常のそれぞれ4人の演奏とは異なる、鬼気迫る様なテンションの高い演奏を延々と繰り広げる。エンタテイメント性を全く追求することの無い、アーティスティックでストイックな演奏の数々。聴き進めるうちにグイグイ惹き込まれていく。

このMJQの解散コンサートの音源は、『The Last Concert』のタイトルでリリースされたLP時代は2枚組。

このライブ盤は特別なシチュエーションでのライブで、20年に及ぶ活動の後、Moden Jazz Quartetが解散する時のコンサートのライブなのだ。冒頭の名曲「Softly, As in a Morning Sunrise(朝日の如くさわやかに)」から、張り詰めた心地良い緊張感を感じる。
 

Mjq_the_last_concert

 
これが最後の演奏なのだ、という思いが、メンバーのそれぞれの演奏から迸っている。リーダー格のジョン・ルイスのピアノは意外と普段通り、余裕の演奏を聴かせているのだが、もう一人のフロント、ヴァイブのミルト・ジャクソンは鬼気迫るテンションのヴァイブ弾きまくり。

「MJQの一員としてのヴァイブ演奏はこれが最後なのだ」と語りかける様に、お得意のファンクネスを封印して、MJQとしてのヴァイブの音を心ゆくまで聴かせてくれる。ここまで、アーティステックなミルトのヴァイブは他に聴いたことが無い。

このラスト・コンサートで、その存在を再認識させられたのが、ドラムのコニー・ケイとベースのパーシー・ヒース。とにかく上手いのなんのって。こんなに上手くて味のあるドラムとベースはそうは無い。ルイスのピアノとミルトのヴァイブのアドリブが素晴らしいのは、こんな素晴らしいドラムとベースがあってこそ。そういう事実をこのライブ盤は再認識させてくれる。

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