スタン・ゲッツとオスカー、ピーターソン、トリオ

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ゲッツが初めてリーダーアルバムを録音したのは1946年、19歳の時。かたや2歳年上の
オスカーの初リーダー作は1950年で、年齢的には下のゲッツの方がデビューは早い。

ジャズの世界には名人、達人、超人のような人たちはいるが、巧いミュージシャンとなると、
スタン・ゲッツはトップのポジションにランクインする。それがどんな環境、フォーマットで
あっても、最適な音楽にフィットする。

ここではオスカー・ピーターソン・トリオとの共演。この時オスカーは、まだ「ザ・トリオ」
結成以前のドラムレスのギターとベースによる編成。プロデューサーはオスカーの紹介者
ノーマン・グランツで、JATPツアーズでもオスカーは参加し、録音にも参加しているが、
ほとんど聞こえない状態の時もある。このスタジオ録音では、主役の一人でしっかりと彼の
ピアノプレイが聴き取れる。

ノーマン・グランツのヴァーヴ作品は、リラックスしたジャムっぽい雰囲気が特徴。
ここでもその良さは残しつつ、最初から最後まで、4人のメンバーの水も漏らさぬ
緊密なインタープレイの豊かさが満喫できる。特にゲッツのテナーの鳴り具合は抜群で、
彼だけに特別な楽器が与えられているのではないかと思うほど。

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