夢追い人小椋佳

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夢追い人』は、小椋佳のアルバムとして始めてオリコンチャートで第1位を獲得した作品です。
2007年4月19日に日本でレビュー済み
1975年10月に発売されたこの『夢追い人』は『彷徨』と共に、オリコンチャートで同時期に11週連続して3位以内にあり、現在に至るまで誰にも破られていない燦然と輝く記録を持っている作品です。

全曲、小椋佳の作詞ですが、作曲は星勝や井上陽水で、編曲も星勝が行っており、従来の小椋佳のイメージとは違った趣のあるアルバムに仕上がっています。それがまたこのアルバムの魅力ともなっているわけですが。

小椋佳が勤務先の海外研修として1年間渡米していた時期に吹き込んだこともあり、バックのメンバーとして、ジョー・サンプル、リー・リトナー、ジム・ゴードンが関わっていますので、ウェスト・コーストを中心に台頭したフュージョン系のサウンドですね。ロック・テイストに溢れており、A.O.Rの先駆のようでもあり、とても斬新な香りのする音楽に満ちています。

2曲目とラストに2度歌われている「思い込み」がいいですね。これを聴きたいがために再び購入したわけですが。小椋佳のソフトで暖かく落ち着いたヴォーカルに、星勝のどこか懐かしい上品なメロディとハーモニーが花を添えます。詩人小椋佳の才能の素晴らしさをいたるところに感じる言葉に満ち溢れています。詩集としても味わい深い作品が並んでいます。一節をご紹介します。

♪彩色されていくことだけで それを成長と呼ぶのなら 僕は彩りをこばむことにしよう♪ 
♪これがわたしの最期の唄と 愛せる人に告げる日を 待ちつぶすために 今日も唄作り♪

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