セルのブルックナー交響曲第8番

0

ジョージ・セルがクリーヴランド管弦楽団と成し遂げた「究極のオーケストラ演奏」としてあげるべき名演奏。セルの厳しい造形力とオーケストラの精緻なコントロール力によって、作品の音符の一つ一つに至るまで吟味され尽くされながらも、その表現はあくまでもしなやかで、ゆるぎない緊張感の中に素晴らしい生命力を内包しています。特に対位法的な書法での完璧なバランスは、まさにこのコンビの独壇場ともいうべき見事さで、遅めのテンポの中で緻密に響きが積み重ねられ、ブルックナーの音楽の持つ巨大な相貌が姿を現す様は圧巻の一言に尽きるといえましょう。アナログ完成期ならではの充実したサウンドです。
セルがクリーヴランド管と演奏会で取り上げたブルックナーは第3、7、8、9の4曲のみ。当盤の2曲はそれぞれその最後の機会に演奏会と並行してセッションが持たれ、第3番は2日間、第8番は何と4日間をかけて収録されました。第8番は文字通りコロンビアへの最後の録音で、セル唯一の録音。第3番は他オケとのライヴ盤も残されているセルの愛奏曲の一つ。(メーカー資料より)

Default