DVD「ヴァンパイア/最期の聖戦」

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 1998年製作。ジョン・カーペンターが携わった作品は割と観ている方だとは思っているのですが、総じて好きな作品というのは、これといってそれほどありません。だからといって、その諸作品が駄作・凡作だと断じているわけではなく、娯楽作としてそれなりに評価すべきものも少なくはないとは見ているのですが、そもそもホラー映画の類いが好きではないこともあり、そう思ってしまうのですかね。しかしながら、例外的に気に入っているのが本展示アイテム収録作で、ある雑誌の映画評を読んで興味を持ち、劇場で観て気に入り、DVD出版された際にはすぐに入手しました。
 作品そのものについては別に語る機会もあるでしょうからここでは詳細には触れず、雑感を少し。本展示アイテム収録作は、ヴァンパイア(吸血鬼)が作品タイトルになっているくらいですから、ホラー映画にカテゴライズされるのでしょうが、テイストとしては西部劇ですね。舞台は現代ですから、西部劇の時代よりは法的秩序や治安維持能力は整備されているわけですが、戦いの主体はヴァンパイアとスレイアーズ(戦士)ですから、そんな現代の基本的設定とは別次元の、それこそ西部劇での半無法地帯的な舞台での戦いとして描かれており、それが何となく違和感なしに受け入れられるところはジョン・カーペンターの演出の手腕によるところが大きいと言えます。また、正直言って結論のわかっている筋書きですのでどのようにエンディングを迎えて観客にある種のカタルシスを提供できるかが重要になってくるのですが、そこを共に戦った戦士同士の友情に決着させたのが素晴らしく、それなりの爽快感が得られました。
 ただ、残念なのが本展示アイテムに収録されている吹替ですかね。本作にはソフト版とテレビ東京版の2種類が存在し、当然のことながら本アイテムには前者が収録されているわけですが、出来は後者の方がよかったですね。まず、主役のジェームズ・ウッズを前者が山路和弘なのに対して後者が野沢那智というだけでも差を感じますし、さらにはマクシミリアン・シェルではその差が顕著でした。前者の青森伸もベテランでそれなりに巧い吹替をしたとは思いますが、やはり後者の家弓家正の方が過去にもマクシミリアン・シェルの吹替の経験がある分も含めて一日の長があったような印象を受けました。最後に、ソフト版の吹替配役についてはタグに表示しておきます(敬称略)。
https://www.youtube.com/watch?v=hSfGOdPSvPQ
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    オマハルゲ

    2020/07/04

    青森伸という人は特撮作品「怪傑ズバット」の予告ナレーションをやられた方、くらいの印象しかありません。吹き替えでは「リーグ・オブ・レジェンド」のネモ船長役が代表作?

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      woodstein

      2020/07/07

       omaharuge102さん、コメント有難うございます。青森伸という声優については、名前だけは知っているけれども、声は意識したことがないですね。改めて思うに、声優にも主役級と脇役とがあって、ということなのでしょう。

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