ウルトラセブン〈1994 TV SPECIAL〉太陽エネルギー作戦

　テレビ放映は1994年3月21日でしたが、当時は「ウルトラセブンが26年振りに復活！」という宣伝文句をよく目にしました。ただ、放送局がTBSではなくて日本テレビだったのはなぜなのでしょうか。それはともかく、当時は私も期待を膨らませて、ビデオ録画の準備も万端にブラウン管の前に座りましたが、放映終了直後はとても複雑な心境でしたね。番組自体が通商産業省（当時）のエネルギー政策の啓蒙であったのは、ドラマ制作の都合上致し方ないので、この件については度外視するとして、まず良かった点を挙げますと、曲がりなりにも『ウルトラセブン』の新作が制作されたこと、怪獣と星人は馴染みのキャラクターだったこと、毒蝮三太夫、ひし美ゆり子というオリジナルメンバーが出演したこと、ウルトラホーク1号の飛行音などの効果音がオリジナルシリーズと同じものを使用していたこと、冬木透氏の音楽の使用の仕方が（素人の私から見ても）適切だったことですかね。残念だったのは、やはりラストシーンのウルトラセブンに対するアンヌの呼びかけの内容ですね。フルハシ隊長はセブンに対して「ダン！」と呼びかけているのに、あの言い方はないだろう、と、思ってしまったのは私だけではないはずです。もっとも、この件については、ひし美氏がご自身の著書『セブン　セブン　セブン わたしの恋人 ウルトラセブン』の中で、反省というか後悔の念を綴られているので、これ以上は言及しません。
　自分の思いだけ先走りしてしまい、本展示アイテムの内容について触れていませんでした。収録内容は、完全版、TVオンエア版、そしてメイキングの3本柱で、当然興味深かったのはメイキングですね。どのような項目があったかは3枚目の画像に表記してありますので興味があればそれを見て頂くとして、嬉しかったのは毒蝮三太夫、ひし美ゆり子をはじめとしたキャスト諸氏や神澤信一監督以下のスタッフ諸氏から、「ウルトラセブンの新作を制作することができるのだ」という意気込みが画面越しにも伝わってきたことでした。
　あと、本展示アイテム収録作には特別出演の面々もおられますので、その氏名についてはタグに表示しておきます。ちなみに、この放映の翌年、円谷皐（のぼる）氏が60歳の若さで鬼籍に入られたのですが、そういう意味ではこの作品に収められた映像は貴重でした。
https://www.youtube.com/watch?v=XcnE5YpI248
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