映画監督 村川透 和製ハードボイルドを作った男

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村川透監督ご本人を初め、ご家族、映画関係者、出演者などに取材を行い、松田優作とタッグを組んだ名作・『遊戯』シリーズを初め、テレビドラマでは『探偵物語』、『あぶない刑事』など、数々のヒット作を世に送り出してきた映画監督・村川透の“モーレツ"映画人生に迫る初のドキュメント。
助監督時代の熱血的な仕事ぶり、師・舛田利雄監督とのこと、盟友・松田優作との出会いや別れ、『あぶない刑事』誕生に触れる逸話など、初めて明かされるエピソードも満載。

本書の内容
序章:タフでなければ、撮っていけない

第一章:山形の異端児、東京へ
山形の芸能一家
やんちゃと映画と音楽と
「アメリカ」の衝撃
憧れの日活へ、しかし……。

第二章:助監督奮闘記
目指すは「東洋のハリウッド」
新米助監督、走る!
映画と喧嘩の日々
大いなる映画の師匠たち
「鬼のマスさん」との出会い
ハリウッドからの「挑戦状」
全てが「規格外」の過酷な現場

第三章:監督デビュー、そして挫折
日活の変質
ロマンポルノでついに抜擢
初メガホンは自由闊達
ポルノの常識を打ち破れ
立ちはだかった「ポルノの壁」

第四章:松田優作と作り上げた伝説
石原プロ『大都会』で監督復帰
インディーズ体制でアクション映画を!
前人未踏の長回し銃撃戦
因縁の角川からオファー『蘇える金狼』
『野獣死すべし』への布石
丸山が見た村川の「凄み」
優作、丸山の挑戦~『野獣死すべし』始動
優作の試行錯誤、受けて立つ村川
角川春樹、そして優作との対立
袂を分かつ時が来た

第五章:舘ひろし・柴田恭兵『あぶない刑事』たちとの出会い
『あぶない刑事』で新しいことを
村川路線と長谷部路線
柴田恭兵を発掘
カリスマたちの洗礼
舘ひろしの新境地
優作との「対決」
村川映画祭――二人が見せた男気と友情

第六章:さらば、永遠の戦【と】友【も】よ
ハードボイルドの快作『ブレイクアウト』
最後のコンビ作『華麗なる追跡』
病魔との闘い
惜別の言葉

終章:老兵は未だ、闘い続ける
衰え知らずの量産ぶり
映画復帰を待望する声
十八年ぶりの銀幕復帰――『さらば あぶない刑事』
伝説の村川=仙元コンビ復活
燃え上がる『あぶ刑事』村川組現場
万感のクランクアップ、そして次なる目標へ――

あとがき
著者について
山本俊輔(やまもと・しゅんすけ)
1975(昭和50)年、東京生まれ。
立教大学卒業後、映像の世界へ。監督作『カクトウ便/そして、世界の終わり』(2007)で劇場公開デビュー。
映画監督業の傍ら、『デス・ゲーム・パーク』、『木更津グラフィティ』などの脚本や小説も多数執筆。主な著書に小説『テイクファイブ 名画と愛と大泥棒』、『脱獄学園島 ハイスクール・プリズナー』などがある。
2015年、初のノンフィクション『NTV火曜9時 アクションドラマの世界』を上梓。

佐藤洋笑(さとう・ひろえ)
1974(昭和49)年生まれ。
音楽雑誌編集者を経て、映画、音楽を主な執筆対象とするライター活動を開始。
「映画秘宝」、「ミュージックマガジン」などに多数寄稿。並行して映画ZINE「映画時代」の企画編集に携わり、長年に渡り「NTV火曜9時」枠関係者への取材や、イベントの主催を手がける。
2015年『NTV火曜9時 アクションドラマの世界』を上梓。

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