大和古寺風物詩/亀井勝一郎

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新潮文庫

亀井 勝一郎(1907年2月6日 - 1966年11月14日)は、昭和期の文芸評論家。1926年に東京帝国大学文学部に入学。1927年に、マルクス・レーニンに傾倒し、社会文芸研究会、共産主義青年同盟に加わり、1928年に退学。1932年にはプロレタリア作家同盟に入りますが、翌年に解散。以後、同人雑誌『現実』、『日本浪曼派』を創刊し、評論を発表します。1934年に最初の評論集『転形期の文学』を刊行します。 同じ時期に大和路紀行を行い、古代・中世の日本仏教との出会いにより開眼、聖徳太子、親鸞の教義を信仰し、その人間原理に根ざした宗教論、美術論、文明・歴史論、文学論の著作の多くを連載出版しました。

『大和古寺風物誌』は、1300年の昔、新しく渡来した信仰をめぐる飛鳥・白鳳の昏迷と苦悩と法悦に満ちた祈りから、やがて天平の光まどかなる開花にいたるまで、三時代にわたる仏教文化の跡をたずねる著者の、大和への旅、斑鳩の里の遍歴の折々に書かれた随想集。傷ついた自我再生の願いをこめた祈りの書として、日本古代の歴史、宗教、美術の道標として、また趣味の旅行記として広く愛読される名著です。

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