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Flexicalymene retrorsa
Flexicalymeneは、モロッコ産とオハイオ産が多産したので、軽視されてしまいますが、良く見ると完成された姿をしていて、この標本を見ていると美しいなと感心してしまいます。それなりの数が出る産地ですが、完全な防御姿勢で風化が少ない個体を探してみると、コレクターが満足できる品質の標本は少ないのです。 https://muuseo.com/trilobites/items/241?theme_id=20904
Upper Ordovician Calymenidae,Calymenoidea,Calymenina,Phacopida TRI-9-2 ArnheimTrilobites
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Alcymene neointermedia
嘗て日本でもシルル紀の事をゴトランド紀と呼んでいた事もある程、シルル紀における重要な産地ゴトランド島、島全体が石灰岩と言われ、三葉虫も産出したのですが、ゴトランド島の三葉虫は完全体が少なく、状態の良い標本の入手は苦労する産地であります。ゴトランドからは、数多くのカリメネが報告されているのですが、明確な違いは状態の良い標本でも難しいレベルだと感じます。本種は、独立した属名が与えられているのですが、外見に大きな違いは学者レベルでなければ論文からでも分かり難いです。既に採掘できないゴトランド産では数少ないクリーニングが近年になってからされている標本なので、細部の保存状態はとても良い個体です。Alcymeneと同定されている標本は、実は世界で見ても数個体レベルと言われています。
Upper Silurian Calymenidae,Calymenina,Phacopina,Phacopida TRI-642 AhrdorfTrilobites
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Calliops armatus
Calliopsという種類は、単なるファコプスの一種に見えますが、完全体など滅多にお目に掛る事が出来ないような希少な種類であります。体の割に比較的に眼が大きいのが特徴的であります。Bromide 累層からの産出化石は、細かい体表面の保存状態が極めて良かったり、同一種類がまとまって産出する反面、三葉虫は完全体が滅多に出ないのです。この母岩には、腕足類を始めとする当時の様々な生物が散乱しており、死骸の吹き溜まりの様な状態で化石化したと思われますが、当時(オルドビス紀後期)の海底の様子を窺い知る貴重な資料であります。
Upper Ordovician Phacopidae,Phacopoidea,Phacopina,Phacopida TRI-460 BromideTrilobites