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Hamatolenus vincenti
カンブリア紀モロッコ産の中では小さな種類であり、珍しい存在では無い本種ですが、頬棘の長い棘に加え第2胸節から伸びる長い棘が特徴的で、見た目も均整を取れた姿をしています。希に第1胸節からも棘があり片側3本ある個体も同一種とされているのですが、実際これが欠損しやすいだけなのか、実は別種なのか判断はされていない様であります。 [Left side:Negative,Right side:Positive]
Middle Cambrian (Stage 5, Series 3) Ellipsocephalidae,Ellipsocephaloidea,Ptychopariina,Ptychopariida TRI-332 Jbel Wawrmast(Tissafinian)Trilobites
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Protolenus sp.
モロッコでは新産地とされるIssafenes。大型で特徴的な種が多く、コレクターに注目されて来ていましたが、実は軟体部も保存されている個体が存在する事も密かに知られていました。石質だけ見ていると軟体部が保存されるように思えなかっただけに意外に思えるかもしれません。近年は、オルドビス紀Fezouata累層の軟体部保存の知名度がありますが、Issafenesの軟体部もクッキリしています。触覚が保存されている、この標本、細くてしなやかな質感が良く分かります。
Lower Cambrian Ellipsocephalidae,Ellipsocephaloidea,Redlichiina,Redlichiida TRI-686 IssafenesTrilobites
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Bergeroniellus spinosus
数ある三葉虫産地の中でも最も採取困難な立地のため、元々市場には出回り難く、地味な割に高額な三葉虫でした。更に2012年に「レナ川の柱群」としてユネスコの世界自然遺産に登録されると、もう新規の標本は手が届かない存在になってしまいました。三葉虫を産出するカンブリア紀の地層の中でも初期の層なので、三葉虫創世記の貴重な産地です。典型的な平坦な体形をした種類ですが、鋭い頬棘を既に発達させていました。
Lower Cambrian Ellipsocephalidae,Ellipsocephaloidea,Ptychopariida TRI-6 SinskTrilobites