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Reedops cephalotes hamlagdadianus
この化石をじっくり見ると、三葉虫コレクターでも気持ち悪いと目を逸らす人もいるかもしれません。無数の巻貝が三葉虫の周辺を蠢いている訳ですから、無理もありません。三葉虫の化石として見た時も、醜い異物として邪魔な存在でしかないので、普通のプレパラーターでしたら、奇麗に取り除いていると思います。ただHammi氏は、当時の環境を伝える価値を理解していますから、非常に手の掛かる、この様な産状の化石を残してくれているのです。巻貝は常に共存していたというより、この三葉虫の死後、腐敗する前に集まってきた掃除屋なのだと個人的には想像していますが、他に理由を考えてみるのも楽しいです。
Lower Devonian (Pragian Stage) Phacopidae,Phacopoidea,Phacopina,Phacopida TRI-1-2 LhandarTrilobites
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Paralejurus brongniarti
最も一般的なParalejurusで、モロッコ産でも入門種として扱われます。この個体は頬棘が無く、ドーム状に張り出したの尾部、Paralejurusに特徴としてある皴構造は控えめな種類です。これだけ多産する一般種でありながら、小種名は P.dormitzeriとして扱われたり、混迷しています。この標本で注目すべきは、体表面に幾つかある粒上の物体、これはゴミが取り除かれていないのではなく、小さな巻貝なのです。普通なら削り取られてしまうでしょうが、この様な小生物が共存していた痕跡が残された事が重要なのです。生息環境で共存していたのか、Paralejurusの死骸に群がってきた掃除屋なのか、当時の海底に思いを馳せながら色々想像が広がります。
Lower Devonian(Pragian Stage) Styginidae,Illaenoidea,Illaenina,Corynexochida TRI-44 LhandarTrilobites
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Reedops cephalotes hamlagdadianus
モロッコのReedopsは、私が初めて購入した三葉虫でした。この標本は、そこから買い替える事、4代目ではあります。この種類を手にした事で、何かに取りつかれ様に三葉虫を収集する事になる元凶となった三葉虫であります。一般種ではありますが、所謂ファコプス系のMorocops, Pedinopariops、Austeropsなどとは姿が異なる事が素人でも分かると思います。これらファコプス系の中では、産出量はそれ程多産する訳では無い種類だと感じます。近年、この標本の様な大型のReedopsの保存の良い個体は、入手が難しくなってきています。 【標本リンク】FossilEra https://www.fossilera.com/fossils/2-9-detailed-reedops-trilobite-atchana-morocco
Lower Devonian Phacopidae,Phacopoidea,Phacopina,Phacopida TRI-1 LhandarTrilobites