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Pterygometopus angulatus
ロシア産では数少ないファコプスの仲間であり、小さくて特徴も産出も少ない地味な存在です。近縁というか混在に近い形でEstoniopsという属名も見かけますが、Estoniopsの方が写真等で比較すると幅広なのかと感じていましたが、必ずしもという訳でもなく、比較は難しいです。本種は、頭鞍部のブツブツが無い種類の様です。
Lower Ordovician Pterygometopidae,Phacopoidea,Phacopina,Phacopida TRI-547 Kunda levelTrilobites
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Pliomera fisheri
まるで、ダンゴムシかミツオビアルマジロの様に完璧に丸まったPliomera、4億年以上前の生き物の化石というよりは、美術工芸品の根付を見ている様な錯覚になります。ファコプスの仲間が繁栄したのは、この完璧なエンロール姿勢が可能だった事が一つあると考えられ、捕食者から幾度の危機を乗り切って来た事でしょう。ここまで完璧に丸まった状態で化石化するのは、埋もれるタイミングなど奇跡的な事で、更に発見される時もホンの僅かな箇所だけ(この化石でいうと右頬辺りが少し風化)が見えていて、発見される風化する前に採掘されるなど奇跡が重なる必要があります。 【標本リンク】FFストア http://www.ffstore.net/detail/pmf_020.html
Lower Ordovician Pliomeridae,Cheiruroidea,Cheirurina,Phacopida Kunda level Voibokalo Quarry,St.Petersburg region,RussiaTrilobites
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Megistaspidella triangularis
その名の通り三角の三葉虫です。頭部と尾部が尖っているので、実際はラグビーボールの様な楕円に近い感じです。見た目が特徴的ですのでロシア産の中でも屈指の人気のある種類です。最も一般的な本種以外にも尖りの形状の違いなどから数種が知られていますが、本種以外の産出量は極めて少ない状況です。Spinopygeという属名が使われる事もあり、古くはMegalaspisが一般的に通用した属名でした。
Lower Ordovician Asaphidae,Asaphoidea,Asaphida TRI-238 Kunda levelTrilobites
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Pliomera fischeri
Pliomeraという種類は、派手な棘などありませんが、彫りが深く独特の存在感のある種です。私を含め三葉虫コレクターにもファンが多い種類の一つでないかと思います。オルドビス紀ロシア産では、アサフスが優勢でファコプスの仲間は少数派であり、実際に産出量も多くはありません。もう少し小型ですが欧州各地から産出するPlacopariaに良く似ております。真っすぐ伸びている個体も大きいと迫力がありますが、この個体の様に少し姿勢に動きがあると、生物らしくて、よりこの種の魅力が増す気がします。
Middle Ordovician Pliomeridae,Cheiruroidea,Cheirurina,Phacopida TRI-60 Kunda LevelTrilobites