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Dalmanites limuloides
まだRochester Shaleが閉鎖されていなかった頃は、本種はシルル紀の一般種として軽視される存在でした。当時でも群衆化石はそれなりの高額の標本もありましたが、単一個体の標本は入門種だと私も思っていました。ただ他の産地を見てみれば、ダルマニテスは、同じアメリカ産でもWaldron ShaleやHenryhouseでも結構な希少種ですし、英国産も簡単に入手できるような供給量はありません。現在も状態の良い標本が市場に出てくると直ぐに売りけれる様な人気種であります。
Middle Silurian (Ludfordian) Dalmanitidae,Dalmanitoidea,Phacopina,Phacopida TRI-14 Rochester ShaleTrilobites
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Huntoniatonia(Huntonia) lingulifer
デボン紀オクラホマ産の人気種の一つで、ダルマニテスの代表的な姿をしています。一昔前は、Huntoniaという属名でしたが、近年はHuntoniatoniaとされています。H.huntonensis(Ulrich & Delo,1940)やH.oklahomae(Richardson,1949)と比較すると明らかに尾棘が長いので見分けがし易い種類と言えます。
Lower Devonian Dalmanitidae,Dalmanitoidea,Phacopina,Phacopida TRI-486 HaraganTrilobites
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Dalmanites rutellum
アーバックル山脈から産出するシルル紀の三葉虫は、独特の白系母岩の美しい化石が産出します。Calymene claviculaやFragiscutum glebalisなどが他に知られ、Dalmanitesは産出量としては希産です。産状として何故か丸まった個体しか出てきません。Fragiscutumも同様に丸まった個体しか産出しないので、化石化する過程で防御する猶予があったのかもしれません。後の時代のデボン紀Haragan累層Huntoniaは、同じオクラホマ州で子孫である可能性は高いです。
Upper Silurian Dalmanitidae,Dalmanitoidea,Phacopina,Phacopida TRI-581 HenryhouseTrilobites
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Eudolatites sp.
比較的大型化した初期のダルマニテスの仲間で、大きな個体ですと15cmを越える個体もあります。産地の特性上、表面が荒れた感じになってしまうことが多いのですが、この種類にしては珍しく複眼が残っています。E.maiderensisという本種より幅広で卵型をした種も確認されていますが、本種まだ記載がされていないようです。
Upper Ordovician Dalmanitidae,Dalmanitoidea,Phacopina,Phacopida TRI-105 KtaouaTrilobites
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Guichenia dufouri
フランスからは、オルドビス紀を中心とした三葉虫は産出するのですが、商業化されていない為、入手する機会が少なく、更に状態の良い標本が極めて少ないので、手を出すコレクターも限られます。この標本は頭鞍部の形状からダルマニテスDalmanitidae(科)の一種と直ぐに分かりますが、一般的なDalmanitidae(科)の仲間より長細い印象です。左の複眼は綺麗に残っています。産出する地方都市Guichenを属名に頂く種類です。因みにGuichenは、ブルターニュ地方の玄関都市レンヌ(Rennes)から程近い場所にあります。
Ordovician Dalmanitidae,Dalmanitoidea,Phacopina,Phacopida TRI-303 TraveusotTrilobites
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Crozonaspis struvei
この種類は、数は何れも少ないですが近隣のポルトガル、フランスでも産出します。ZeliszkellaやEodalmanitinaと近縁な種類です。フランス産にも共通する事ですが、陽の光に当てるとキラキラと輝く母岩で、ポルトガル産とも近い質感です。Dalmanitoidea(超科)に属しますが、後のシルル紀やデボン紀のDalmanitoidea(超科)よりシンプルであり、まだ他のファコプスの要素が残る分岐した直後の姿に思えます。
Ordovician Dalmanitidae,Dalmanitoidea,Phacopina,Phacopida TRI-321 SueveTrilobites
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Francovichia francovichi
推定15cmはあろうと思われるボリビアの巨大なダルマニテスです。ノジュール中から産出する為、立体的で体表のツブツブや複眼まで綺麗に残っているものの、完全体では産出する事はありません。この3つの化石は同一個体である可能性は低いです。胸部はありませんが、全身にツブツブがぎっしりとあった事がわかります。ボリビア産は、一部の一般種を除くと入手困難種が多く、本種の様な種類の入手は新規には出来なくなりました。
Lower Devonian Dalmanitidae,Dalmanitoidea,Phacopina,Phacopida TRI-351 BelénTrilobites
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Zlichovaspis rugosa
以前は、Odontochile hausmanniと呼ばれていた種で、デボン紀モロッコ産において、美しく人気のある種の一つだと感じます。この標本でも十分な大きさがありますが、大きい個体では15cmにもなる種類です。ただ、大きな個体は体表が荒れていたり、複眼の保存が不十分であったり、補修が多い標本が多くなる傾向があります。Zlichovaspisには、全身に顆粒に覆われたZ.spiniferaもいますが、本種の方が圧倒的に数は多いです。一般種として扱われている本種ですが、近年は産出が激減していて良質な個体は入手困難になっています。
Middle Devonian Dalmanitidae,Dalmanitoidea,Phacopina,Phacopida TRI-51 -Trilobites
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Eodalmanitina destombesi
ポルトガル産は、産状として多くの個体が地層の褶曲の影響を受けて、元の形とはかけ離れた引き延ばされたり、歪みが生じてしまう状況が見られます。その状態も味わいがあり、標本としての価値を損なう様なものではなく、産地の特色として嫌いではありません。この標本は、奇跡的に褶曲の影響を免れています。この種類の特徴は、尾部から延びる長い1本の棘です。眼もDalmanitoidea(超科)独特の上から見ると三日月状の複眼があるのですが、この標本では残念ながら欠損しています。属名の最初に"Eo"が付いていますが、初期のダルマニテスという理解で良く、デボン紀まで反映したダルマニテスの仲間の初期の姿になります。
Middle Ordovician Dalmanitidae,Dalmanitoidea,Phacopina,Phacopida TRI-155 ValongoTrilobites
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