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神奈川県立博物館資料目録(自然科学)第10号;櫻井欽一コレクション標本目録第1集 化石
櫻井欽一氏(1912-1993)は、鉱物学者として、この筋では知らぬものはいない程の足跡を残した方ですが、鉱物だけでなく貝類や化石に関しても膨大なコレクションを残されていました。桜井氏の死去後、「桜井コレクション」と呼ばれた多くのコレクションが散在することなく、国立科学博物館と神奈川県立生命の星博物館に寄贈されています。化石コレクションの一部は、「原色化石図鑑」にも多く採用され、国内の多くの関係者の目にする所となってきました。この目録では、神奈川県立生命の星博物館が引き継いだ凡そ2,500点の化石コレクションが整理されています。一部カラー写真で紹介されていて、その他は、①番号②学名③和名④分類⑤時代⑥産地と区分され掲載されています。三葉虫も外国産を中心に多く掲載されており、標本の種類や状態から見て昭和30年から50年代にかけ収集されてきたコレクションと分かります。
濱田 隆士ほか 神奈川県立博物館資料目録(自然科学)第10号;櫻井欽一コレクション標本目録第1集 化石 1342-8993 JapaneseTrilobites
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山口県の古生物-古生代‐
観光地である秋吉台や秋芳洞が有名な山口県美祢市の国内最大のカルスト台地。このエリアは、工業的にも大規模な石灰岩の採掘が行われる秋吉石灰岩が広がります。この石灰岩こそ古生代石炭紀やペルム紀の地層なのです。ここから産出する化石を分類毎に各専門家が解説した書籍で、数少ない「秋吉石灰岩」の化石解説本であります。三葉虫に関しては、一般には出回らない事から馴染みは無いですが、石炭紀とペルム紀から未定種を含め16種類以上が報告されているそうです。見つかっても頭部や尾部だけの部分化石ですが、記載されている採掘場所が民間のセメント工場となっており、一般に出入りができないため採掘が出来ず市場で見かけないのも頷けます。
濱田 隆士ほか 山口県の古生物-古生代‐ - JapaneseTrilobites