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Redlichia mansuyi
中国の関山生物群 (Guanshan biota) のレドリキア・マンスィ (Redlichia mansuyi) の標本です。 関山生物群は時代的には、最古の澄江より新しく、バージェスよりは古い層が中心となっており、おおよそCambrian series2のstage4に当たります。澄江や他の中国のカンブリア系の産地と並び、軟体保存にも優れた、代表的なラガシュテッテであります。 いかにも、標準的レドリキアといった形態をしております。サイズは60mmと中々の大型。尾部を欠いていますが、本来は軸葉から後方に一本の長い棘が伸びる種です。同産地の似た種に、レドリキア・マイ (Redlichia mai) などと言う種もいるようですが、どこがどう違うのか私は理解していません。 数年前までは、比較的容易に入手可能だったように記憶しておりますが、現在はこのサイズのものはかなり少なくなっています。わずか数年でこの有様かと、隔世の感があります。当時の感覚でレア度は星2としていますが、今や星3あたりが妥当なのかもしれません。
Lower Cambrian Lower Cambrian (Series2, Stage4) Near Kunming, Yunnan, China Redlichia mansuyitrilobite.person (orm)
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Yiliangella forficula
こちらは、中国のイーリャンゲラ・フォルフィキュラ (Yiliangella forficula) であります。カンブリア紀前期 (特にSeries2, stage4) に当たる時代の化石を産する、馬龍生物群 (Malong biota) の紅井哨紅累層 (Hongjianshao fm) のものです。 中国の化石特有の黄土色の母岩に、鉄錆色の本体が生える化石です。優美で流れるような胸尾部の棘は、どこか柔らかそうで、モロッコのGygantopygusなどを思わせます。頬部が失われてはおりますが、本種に関しては完全な標本はほぼ無いと言ってよく、これで上位の保存状態であります。 大型で実に美しい中国の標本ですが、砂泥質の母岩が脆く、標本箱の中に置いているだけでも、徐々にポロポロと崩れるのが玉に瑕です。
Lower Cambrian (Series2, Stage4) Malong biota, Hongjianshao (紅井哨紅) Near Kunming, Yunnan, China Yiliangella forficulatrilobite.person (orm)