Meadowtownella crosotus (Trilobita) & Ectenocrinus geniculatus (Crinoidea) : sea bottom plate

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海底のワンシーンを切り取ったような面白いプレートです。7-8mmの小さな三葉虫がウミユリの散らばる海の中を泳ぐように配置されています。

三葉虫は、メアドウトウネラ・クロソトゥス (Meadowtownella crosotus) という珍しい種で、オハイオ州以外にもケンタッキー州でも産出するようです。ほぼ全て部分化石や裏掘り化石ですが、母岩中に8体程度が載っており豪華です。複数体で産出することも多く、集団で生活をしていた種である可能性があります。小さくて可愛らしく、美しい種だと思います。

一方、3番目の写真のウミユリはエクテノクリヌス・ジェニクラトゥス (Ectenocrinus geniculatus) という種であります。提供者の方によると、シンシナティ地区で、ここ数十年で数体見つかった程度という、一応メインの三葉虫以上に珍しい種のようです。詳しくないので、私はこれ以上語れませんが‥。

種類は同定不可ですが、他にもウミユリ茎やコケムシの破片が散らばっています。ウミユリが犇めき合う海底をメアドウトウネラのような小さな三葉虫が、隠れ家のように利用して生活していたのかもしれないなと想像 (妄想) させてくれる、ワクワクする標本です。

※ Primaspis crosotusで一度登録しましたが、Meadowtownella crosotus (Locke, 1843) が正式とのご指摘を受けて修正しました。

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  • 1. 魅惑の三葉虫 2018年12月11日 22:06
    5 暫く更新されてなかったので、どうされてしまったか心配してました。凄いウミユリを褒めたい所ですが、専門外のため凄さが分かりません。化石の景色として異種同載標本は、想像力で眺めていられるので、楽しみが増えますね。良い標本だと思います。
    2. orm 2018年12月13日 19:54
    心配させてしまってすいません。
    標本は少しずつ増えているのですが、仕事方面でやや忙しくなってしまって、標本整理をなかなかできずにおりました。
    ウミユリは私も代表的な種しか知りませんので同じです。ウミユリの細かな種は置いておくにしても、三葉虫+ウミユリ プレートは優雅さに置いて他の組み合わせよりbestだと思っております。眺めていると非常に楽しいですよね。

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    Trilobites

    2023/03/25 - 編集済み

    改めて見ても良い標本ですね。私はケンタッキー産Primaspis crosotusを所有していますが、全所有標本の中でトップ10に入るくらい気に入っています。属名は、Meadowtownellaが今は正式になったのではと思われます。

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    • ありがとうございます、私もこの標本は気に入っています。
      この記事を書く前に、改めてお持ちの標本を拝見していますが、さすが良い標本ですね。positiveの標本に加えて、negativeも同居しているのが、なおグッドで価値が高いです。お気に入りと書いておりましたが、そこまでお気に入りとは存じませんでした。

      属名、AMNHで確認しても確かにMeadowtownellaになっていますね。ありがとうございます。早速修正しておきます。しかし、プリマスピスという語感が割と好きでしたので、ちょっと残念ではありますね。

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    ktr

    2023/04/02 - 編集済み

    かつてebayでこの手の精緻な剖出をしていたおじさんがいて、プリマスピスはいつも高値がつくので見送っていましたが、最近ではさっぱり出品がなく、あのとき無理をしてでも買っておくべきだった、と後悔しております。

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    • ebayでそのようなsellerがいたとは気が付きませんでした(本標本の提供者でしょうか?)。シンシナティエリアは、熱い化石愛好家が多いようですし、そういうマニアのお一人だったのかもですね。
      この標本は不完全な個体が多い為か、全然高くならず、標本の割にはかなり安価に入手できてラッキーでした。

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