Aciculolenus askewi

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カナダのカンブリア紀末の化石を産するMcKay groupから、風変わりな三葉虫、アキキュロレヌス・アスケウィ(Aciculolenus askewi) です。
McKay groupでは、原始的なアサフス目に属する小型でやや地味めの三葉虫を多産し、特徴が分かりにくく区別が付けづらい種が多いです。しかしよくよく見ると、そんな中に数種類の実に奇妙な種が多いことに気が付き、比較的コアなコレクターを惹き付けて止まない産地です。

本種はMckayのそんな変わり種の一つ。圧倒的にペラペラの背甲を持ち、そのニョロっとした全体像はどこか紙魚を思わせます。吹けばどこかに飛んでいきそうな体格をしており、化石化して残っている事自体が、奇跡のような種です。実際、本種は保存状態の良いものでも、特に自由頬か軸葉の垂直な棘が揃っていない事が多く、両自由頬のない本標本ですら、かなり状態が良い方です。

アキキュロレヌスは、アキキュロレヌス・パルメリ (A. palmeri)という種が元々知られておりますが、同種は胸節が7に対し、本種では13とより細長く、本標本入手時(2019年)には未記載種につき、Aciculolenus sp.としておりました。

しかしその後、2020年にBrian Chatterton氏らによって、アキキュロレヌス・アスケウィ (Aciculolenus askewi)との名で無事記載されております。
(参考文献:Mid-Furongian trilobites ans agnostids from the Wujiajiania lyndasmithae Subzone of the Elvinia Zone,McKay Grup,southerstern British Colombia,Canada, 2020)

小さいながら、とても面白い種かと思います。

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    Trilobites

    2023/02/22 - 編集済み

    本種は、もし実物が目の前に居たら、グロテスクだろうなと思う代表種ですね。カンブリア紀後期になると防御系の体の作りを強化していく方法性の三葉虫にあって、それらを否定し軽量化で原始的な姿を維持する方向性は、どんな環境が起因したか興味深いです。

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    • 部屋の中に居たら、スリッパで叩き潰したくなる系の三葉虫かもしれませんね。私の好みの種は、それなりの割合で生きていたらグロテスクであろう種が多い気がします。ここの母岩は、泥岩質で生物の密度も少ないようですし、礁の発達していない、殆ど起伏のない泥〜砂地だったのかもしれません。もしそうだとすれば、カンブリア紀の姿を残したままの平べったい体型であり続けることが、この環境への最適解になりうるのかななどと想像しました。

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    ktr

    2023/02/23 - 編集済み

    骨にかろうじて皮が張ってる、という感じですね。
    しかも15㎜ですか。
    じつに私の好みです。
    トゲが直線なのがハルキゲニアみたいで、生き物という感じがしないところがよいですね。

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    • まさにその通りで、心の中では勝手に骨皮君と呼んでおります。お好みの標本のようで良かったです。自由頬が残っていれば、印象がガラリと変わる種でもありますね。
      ダイフォンなどは、まさにその典型かと思いますが、生き物感のない種というのは、どこか一種独特な魅力がありますよね。

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