Sinosaukia distincta

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中国のサンドゥ (Sandu) 累層産のシノサウキア・ディスティンクタ (Sinosaukia distincta) です。

ほぼ全身を覆う目立った顆粒と長い頬髭が特徴的な種類であります。この標本は本体67mm、頬棘込みで75mmとかなりのサイズですが、このように大型化する個体も偶におります。8枚目の手との比較でも分かる通り、母岩も巨大でずっしりとしており、私の手持ちでは最重量級の標本の一つです。なお、見た目からはいまいちピンときませんが、新旧分類ともに、アサフス目に属するようです。

サンドゥ累層は広西チワン族自治区に位置し、ベトナムにも接する中国の辺境の産地ですが、2020年頃までは、本産地の種が比較的市場に出回っていたように思います。当時は。本種含めよく見かけたものですが、他の中国産の例に漏れず、最近はぱったりと供給が途絶えてしまいました。

Upper Cambrian産と時代的にも面白く、当時、手をつけておいて良かったなあと思う産地です。

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  • 1. 魅惑の三葉虫 2020年02月01日 09:38
    本種はSanduの三葉虫では最も入手しやすい種類ですが、数千円程度で入手出来るのは小型個体だけですね。今はholdですが「ふぉっしる」の高額標本が長いこと残ってましたが、近年見かける大型個体は10万以上かけなければ入手出来なってきました。特徴的な種類が多いSanduですので、手に入れられる内に抑えないと澄江系や凱里の様になる産地でしょうね。
    2. trilo orm 2020年02月01日 10:03
    >>魅惑の三葉虫さん
    この種の大型個体は数年前のショーで、Zoicで初めて見かけ、いいなあと思ってました。確かに大型個体になると高価格帯になるんですよね。ふぉっしるさんのも、私も以前から注目していましたが、ずっとフォローして迷ってたら、ホールドになってしまっていました。
    この個体はebayの中国の業者/個人から入手したもので、幸い、質の割には、かなり安価で入手できました。今も実はebayに、いくつか比較的大型の、本種の安価な標本が転がっていて、チャンスだなと思ってます(名前も産地も無茶苦茶なので、あまり化石に詳しくない業者なんだろうと思います。)。Sanduはおっしゃるように、澄江と同じ運命を辿りそうで、今良標本を抑えにかかってます。
    3. hdo 2020年02月09日 19:21
    頬棘がなければファコプスに見える種類ですね。この産地はオルドビス紀に至るミッシングリングを埋める時代のためか、普段見慣れた種類とどことなくズレたフォルムの三葉虫が多くて興味深いです。今はまだ売られているのを見かけますが、それでもこの標本のように立派なサイズのものは高額なので、集めるのは大変そうです。
    4. trilo orm 2020年02月09日 20:55
    >>hdoさん
    この産地は、Mckay同様、アサフスの祖先が多いですが、見た目が変わっていて、アサフス??となるような種が多いですよね。この種も大概ですが、同産地のSpinamacropygeなんて、私にはレドリキアにしか見えません。
    この種の大型の標本はどんどん値が上がってますね。この標本は相場からすると、あり得ぬ安値でした。

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    ktr

    2024/03/02 - 編集済み

    これが廉価で手に入ったというのが驚きですね。
    たまにそういうこともあるので、三葉虫漁りはやめられません。
    中国産は分類の隙間をついてくるような奇妙な種類が多いのが魅力ですが、供給のほうも行き当りばったりで、捉えどころがなく、傍観状態がずっと続いております。

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    • 数は多くないですが、この標本のほかに、価値に見合わない程廉価で入手できた標本が2-3あります。宝探しのような楽しさがありますよね。
      中国産は累層によっては、なぜだか分類しづらい種が多いですね。供給が不安定なのと、参照可能な詳細な図鑑は中国語である事もあり、中国産はどうも全貌が掴みづらく手を出しにくい側面がありますね。

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