トパーズ

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トパーズ(Topaz)
化学組成:Al₂SiO₄(F,OH)₂

 11月の誕生石として有名です。多様な色相を持ち、宝石にも好んで加工されます。珪酸塩鉱物としてはもっとも硬い(モース硬度8)一方で、強い劈開を持つために割れやすい特徴を有します。
 より低温環境で形成されると水酸基を多く保有するOHタイプとなり、より高い屈折率を有するようになります。その一方でより高温環境で形成されると水酸基をあまり含まないFタイプとなり、屈折率がやや落ちます。
 OHタイプは一般に退色しにくいとされ、ブラジル(オウロプレット)のインペリアルトパーズやパキスタン(カトラン)やロシア(南ウラル)のピンクトパーズが該当します。前者は色中心とクロムが結晶構造に取り込まれることで発色し、後者はクロム発色とされます。
 Fタイプは紫外線や光、熱に曝すと容易に退色します。黄色や緑色、青色などありますが、その発色は色中心によるものです。結晶構造中に発色起因となる元素を含まないと無色になります。保管方法に注意が必要な標本です。

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