日光寺峠のそろばん玉石/カルセドニー

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京都府京丹後市久美浜町の日光寺峠で産出される珍石。
そろばん玉石はその名のとおり算盤の珠を模るユニークな形状の玉髄です。

この独特な姿は溶岩が固化する過程でできた空洞がちょうど算盤珠のような型になったところ,内部が二酸化ケイ素の溶液で充填されやがて石英質が晶出することで形成されるとされます。

のっぺりした2つの円錐を底面で張り合わせたような姿はさながらUFOのようでもあります。

この標本の着目すべき点は何と言ってもその完璧に近い形状バランスにあります。
逆さ富士を彷彿とさせる優れた対称性は礼賛せずにはいられません。

そろばん玉石と銘打たれるものの,いびつに歪み,お世辞にも算盤玉には見えない個体が散見される中,これほど名前に違わぬ一石はなかなか出会えないと思われます。

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