-
Phacops saryarcensis ?
当館所蔵の謎ファコプス頭鞍部化石です。入手ルートは確かだったのですがラベル情報が不十分でした。 種名:Phacops saryarkensis (MAXIMOVA 1968)であればカザフスタン産(採取された1989年ですと旧カザフ・ソビエト社会主義共和国)になります。残念ながらラベルのスペルが微妙に違っていました。 地層:Moscow Formationというと、アメリカNYを思い浮かべるのですが、中央アジアからヨーロッパにかけて同名の地層が存在するのでしょうか。 場所:CSSR、1989年と記載されています。旧チェコスロバキア共和国の晩年になります。チェコだと当種が採取されるカザフと異なる可能性があります。 以上を総合すると、旧ソビエト時代のどこかで見つかったファコプスの1種なのではないか、止まりです。
Devonian Moscow ? CSSR ? Phacops saryarcensis ?tatsutoy
-
Koneprusites sp.
比較的大きくて派手目な種類が多いデボン紀モロッコ三葉虫ですが、本標本は1センチに満たない小さな化石です。プロエタスに似た形状をしていますが、側葉の後ろから一対の長い棘が伸びています。 最近では暫定として、Koneprusites aff. baconi(Pribyl, 1965)の小種名が与えられている模様ですが、詳しくはわからないです。
Devonian Hamar Laghdad Jbel Issimour, Morocco Koneprusites sp.tatsutoy
-
Asteropyge sp.
ブンデンバッハは三葉虫に限らず、ドイツデボン紀を代表する名産地です。化石化の条件が良かったため、三葉虫だと軟体部が残るものもあります。母岩の粘板岩は、屋根や床に使われるスレートで、紙が高価な中世では、教育の場で繰り返し使えるノートとして活躍していました。現在だとタブレットPCと言ったところです。当産地はファコプスの仲間が多く流通していますが、当標本はアステロピゲの仲間になります。
Devonian Hunsrück Shale Bundenbach,Land Rheinland-Pfalz,Germany Asteropyge sp.tatsutoy