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Xylabion sp.
カナダ、オンタリオ州ボブケイジョン層は、エリー湖東に沿ってアメリカペンシルバニア州まで続くオルドビス紀の地層です。かつては採取出来る採石所があり、三葉虫をはじめ、腕足類やウミユリ、座ヒトデの化石が採れたのですが、現在は立ち入りが禁止されています。灰色の母岩にキャラメル色の標本本体と、とても映える化石産地です。 XylabionはCheirurinaの仲間なのですが産出量が限られており、なかなか完全体標本を入手出来ません。
Middle Ordovician Bobcaygeon Ontario, Canada Xylabion sp.tatsutoy
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Neoceraurinella oliensis
外殻が融けており、頬や尾部にある棘がほぼ消失しています。残念ながら、本標本に関しては詳しい情報を持っていません。 近くのGirvan, オルドビス紀産地からは、大型のチェイルルス、Hadromeros kiesleyensisが産出しており、岐阜の著名な三葉虫化石コレクター、立松正衛先生所有の標本と比較し、頭鞍部の顆粒を除いて、それに近似しています。
Lower Silurian Ayrshire, Scotland Neoceraurinella oliensis 30mmtatsutoy
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Pseudosphaerexochus densigranulatus
展示出来る標本も残りわずかですが、段々紹介文を掲載できるほどの情報がない三葉虫達になりつつあります。 どうぞお付き合い下さい。 種名から読み解くと、顆粒のあるボール状の頭を持つ、偽スファエロコリフェといったところでしょうか。元々、北欧で種名が与えられ、英国でも見つかるので、そのままこの名前を用いたのではないかと思います。論文やデータベースを参照しても、エコプトキレの仲間である事。Pseudosphaerexochus octolobatusに関連する事くらいしかわかりませんでした。 https://www.gbif.org/ja/species/8701778
Upper Ordovician Rhiwlas Formation Rhyd-uchaf, near Bala, Gwynedd, North Wales, UK Pseudosphaerexochus densigranulatus (Nikolaisen, 1965)tatsutoy
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Bienvillia shinetonensis
マッチ・ウェンロック近郊Sheinton層産出(深い海の底)なので、他の種同様、目が退化した三葉虫です。また当標本は後期発育期(miraspis7)の可能性があるとの事です。とはいえ、あまり産出しないOlenidに属する種のため成体と幼体の区別がつかず、私には入手時の解説が良くわかりませんでした。
Lower Ordovician Sheinton Shale near Much Wenlock, Shropshire, UK Bienvillia shinetonensistatsutoy
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Cybeloides girvanensis
キベレ、と呼ばれる本種は主にロシアから北欧にかけて見つかり、特にロシア産は状態が良くカタツムリの様な目が出た標本を見かけます。柔らかい砂中から目を出し、尾部から生えた棘(1枚目画像右下)で体を安定させた生活をしていたのではないかとされています。 産地のスコットランド西部Girvanは海岸に面した町で、町北側にウイスキー蒸留所があり、逆に町の南側数ヶ所ある湾や内陸に古生代地層があります。ただし、そのいずれもが保全地区指定を受けており、転石のみ採取に留まるため化石を見つけるのは困難だと思います。加えて、三葉虫化石が良く取れた大元のサイトは既に枯渇している模様です。
Upper Ordovician (Ashgill Series) Starfishbeds near Girvan, Ayrshire, Scotland Cybeloides (syn. Paracybeloides) girvanensistatsutoy