Bumastus ioxus

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俗称でIllaenusと共に"smooth trilobite"(つるんとした三葉虫)と呼ばれる、ブマスタスです。19世紀始め、New Yorkエリー運河建設時に発見された種類の1つです。本当の話しかはっきりしないのですがこの三葉虫には逸話があります。イギリスでも同じ時期にブマスタスが発見され、19世紀半ばの地質学に於いてシルル紀の時代、New Yorkとイギリスの地層は相関している、との理論の根拠だったそうです。プレートテクトニクス理論のはしりでしょうか。この標本は2006年頃、商業採掘を行っていたPrimitive Worldより直接入手したのですが、インターネットとクレジットカードの便利さを教えてくれた思い出がある化石です。昔は欲しい化石を見つけるルートがわからず大変でした。
(補足)海底プレート概念は1960年代の理論なので、NYとイギリスがシルル紀に於いて、海底で同じ三葉虫が住んでいた、という意味の相関であると考えます。

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    Trilobites

    2021/06/12

    Rochester Shaleも閉鎖されて久しくなりBumastusどころかDalmanitesですら簡単には入手できなくなりましたね。20年くらい前のシルル紀で最も入手が容易であった頃にしっかりと収集していないとダメと教訓にした産地の一つです。

    Illaenus insignisと見分けは、確か尾部がBumastusが半円縁取でIllaenusが円縁取でしたよね。

    英国産も所有していますが、見た目は全く同じで、どちらも古くから知られていましたので、今でこそ遠く大西洋を隔ててますが、創世記に議論を提起する証拠として頷けます。

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    tatsutoy

    2021/06/12

    Trilobitesさんから頂いたコメントを受け、本日からアイテム掲載を始めてみました。ラベルは簡略化し、共用させて頂いた事ご報告申し上げます。

    数か月前に初めてRochesterが閉鎖されていた事知りました。

    Illaenusとの区別、基本尾部位ですね。あとは尾部に不明瞭な中葉の有無があるらしいのですが、標本の品質がいまいちだと...

    久しぶりに楽しい化石談義が出来有難うございます。あっという間に休日の時間が過ぎ、驚いています。

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  • 大陸移動説の古生物面からの証明として、一般的にはGlossopterisやMesosaurusなどで、三葉虫関連ですと、私はニーファウンドランドとウェールズで見つかる種(例えばParadoxides davidisなど)が思い浮かびますが、この種も根拠の一つになっていた可能性があるんですね。知りませんでした。
    派手な装飾のある種ではないですが、私は特にイギリス産の種が好きな事もあり、BumastosとかCybantyxはとても気になる存在です。

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    tatsutoy

    2021/06/19

    trilobite.personさん、いらっしゃいませ。コメント頂き有難うございます。昔は大陸移動説を証明するのに、異なる地域の化石分布から読み解くとは面白い話です。
    イギリス産三葉虫化石、私も大好きで、過去色々探していました。確かにNew York産化石の表情はイギリス産に近い感じがします。渋め…?
    ところでNew YorkのイラエヌスはCybantyxに種名が変わったのですね。最近、気がつきました。経緯があれば改めて教えて下さい。

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