中国/建国40年 1989.10.1【World Topics Stamp Collection】

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『中国民主化運動の舞台「天安門」』

 中国では、今年、民主化要求の運動が一段と高まった。そして、この運動を阻止しようとして、6月3日~4日に天安門広場で起きた"血の弾圧"はまだ記憶に新しい。そんななかで、中国は10月1日、建国40年を迎えた。上の建国40年記念小型シートには、この事件の舞台となった「天安門」が描かれている。

 天安門広場には、首都北京の中心「天安門」の前に広がる広場で、面積は40ヘクタールあまり。世界最大の広場として「ギネスブック」にものっている。ここには100万人もの集会が可能で、1976年にも、やはりこの広場で騒乱が起きている、この「第1次天安門事件」は、当初は反革命事件とされ、鄧小平副首相が失脚したが、のちには革命的行動という評価を受けるに至った。この流れをくんで、1986年末ころから再び、学生の民主化要求デモが広がり、今回の第2次天安門事件へと発展した。

 いわば、「天安門」は中国の「顔」であると同時に、中国の民主化運動の舞台でもある。新旧の価値観が衝突し、摩擦を生じるのも無理からぬこと。しかし、それが日本を含む他国に影響を及ぼす影響は計りしれない。いま、近隣諸国の目は、中国の政情が安定軌道にのるかどうかに注がれている。それは中国政府の出方次第であり、中国政府も平和的な解決方法を模索しているに違いない。それを象徴するかのように、上の小型シートのシート地には、世界各国の人々が天安門を囲んで楽しく踊る姿が描かれ、中国の「顔」が暖かく見守っている。

※1989年当初の説明です。

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