六種の薫物とは?

平安時代には、粉末にした香料を調合し、蜂蜜や梅の果肉などを使って練り合わせた薫物(たきもの)と呼ばれる練香がお香の主流だった。基本となる調合方法をもとに、香料を微調整しながらオリジナルの薫物を創作することは、平安貴族にとって教養や財力、センスの良さを表現するものでもあった。このように創作されてきた薫物の中から優れたものは後世に引き継がれ、洗練されていき、その代表格が「六種の薫物(むくさのたきもの)」と呼ばれる。
六種の薫物は、「梅花(ばいか)」「荷葉(かよう)」「侍従(じじゅう)」「菊花(きっか)」「落葉(らくよう)」「黒方(くろぼう)」の六種類の香り。その調香処方は、平安朝の薫物記述の古文献『薫集類抄』に詳細記載され現代に伝わる。後伏見天皇、後小松天皇の各『宸翰書』も、『薫集類抄』に基づいている。
鎌倉時代末期に記されたとされる香道の起源・香趣を説いた伝書である『後伏見院宸翰薫物方(ごふしみいんしんかんたきものほう)』などでは、それらを春夏秋冬になぞらえている。

RECOMMEND

香り、古の世から人々の心を捉えてきたもの_image

香り、古の世から人々の心を捉えてきたもの

時代を超えて人々を魅了する香りとは?

当連載では、パリを拠点とする本格的な香りのスクール「サンキエムソンス ジャポン」の代表兼講師であり、香水・ルームフレグランスなどの香り製品の開発、コンサルティングを手掛ける香り風景デザイナーの小泉祐貴子さんが、「本物の香りを見極めるために」をテーマに香り(フレグランス)にまつわるさまざまなことを解説していきます。

今回は、本質的な香りの特質を識るため、香水の語源や宗教との関わり、歴史に残る美女たちが使っていたフレグランスなどをご紹介していただきました。

香りのピラミッドと香調を識って、香りを表現する_image

香りのピラミッドと香調を識って、香りを表現する

香りを表現するワードを識って、より素敵な香りに出会いませんか?

当連載では、パリ発“香り”のスクール「サンキエムソンス ジャポン」の代表兼講師であり、香水・ルームフレグランスなどの香り製品の開発、コンサルティングを手掛ける香り風景デザイナーの小泉祐貴子さんが、「本物の香りを見極めるために」をテーマに香り(フレグランス)にまつわるさまざまなことを解説していきます。

今回は、香りのピラミッドと香調について。この2つを学ぶことで、頭の中にある香りを言葉で表現でき相手と共有しやすくなるようです。

「いま、ウッディな香りが面白い」渡辺佳子×小泉祐貴子 LIVE対談レポート  〜ウッディ系フレグランスの変遷と、いま注目の香りアイテム〜_image

「いま、ウッディな香りが面白い」渡辺佳子×小泉祐貴子 LIVE対談レポート 〜ウッディ系フレグランスの変遷と、いま注目の香りアイテム〜

香り風景デザイナー・小泉祐貴子さんによるフレグランス連載【本物の香りを見極めるために】の特別企画として開催したオンライン対談をレポート。「日本フレグランス大賞2020」で審査員を務め、美容業界の第一線で活躍されている美容ジャーナリストの渡辺佳子さんをお迎えし、ウッディ(=樹木)系の香りをテーマに対談を行いました。

この直近、改めてウッディ系フレグランスの動きに目が離せないという渡辺さん。長く男性向けだと思われていたウッディの香りが、女性からも支持を集めていきそうだというのです。いったいどんな進化をし、どうしていま惹かれるのでしょう?

今回は、そんなウッディ系フレグランスをとりまく背景をはじめ、ウッディノートの解説、メンズフレグランスにおけるウッディの歴史から現在の使われ方などを実例をお見せしながらお話しいただきました。トーク後半では、渡辺さんがいま気になるオススメの最新ウッディアイテムもご紹介しています。

優美さ漂うスーツ&ジャケットを作り出す、Vick tailor(ヴィックテーラー)を訪ねて。_image

優美さ漂うスーツ&ジャケットを作り出す、Vick tailor(ヴィックテーラー)を訪ねて。

ファッションジャーナリスト倉野さんは「近藤君の作るオーダーメイドのスーツは、フォルムがエレガントで素敵なんだ」と以前から力説していました。何でもその理由は丁寧な手縫いの技にあるんだとか。次世代テーラーを代表すると倉野さんが太鼓判を押すVick tailor 近藤卓也さんの手仕事についてインタビューしてきました。