アンコンとは?

アンコンストラクションジャケット、またはアンコンストラクテッドジャケットを略したもので、「構造的でないジャケット」のこと。つまり芯地や肩パッドなどの副資材を入れずに作った、軽快なジャケットの総称。
テーラードスタイルでありながら、カジュアル過ぎず、フォーマル過ぎないソフトなシルエットが特徴的である。副資材を省いているため、かえって美しいシルエットを出すのが難しくなり、縫製技術の高い工場での生産が基本となる。

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テーラー界でも一目置かれる妥協のないスーツ作り。ビスポークテーラー・Dittos。_image

テーラー界でも一目置かれる妥協のないスーツ作り。ビスポークテーラー・Dittos。

服飾ジャーナリスト倉野さんも「服作りの真摯な態度には頭が下がる」というほど尊敬しているテーラーが、今回の取材先であるDittos(ディトーズ)の水落卓宏さん。

お話を伺うこちらも背筋を正したくなるほど一つ一つ丁寧に、そして論理的に服作りにおいての大切なポイントを解説してくださいました。オーダー通をも唸らせる、水落さんの細部にまで至るこだわりを探ってきました。

現代紳士服の夜明け、ヴィクトリア朝&エドワード朝という時代ーラウンジスーツの登場_image

現代紳士服の夜明け、ヴィクトリア朝&エドワード朝という時代ーラウンジスーツの登場

普段私たちが何気なく着ているスーツ。いつ頃誕生して、どのような道のりを歩んで来たか皆さんはご存じでしょうか?

スーツの祖先に当たる「サックスーツ or ラウンジスーツ」が出現したのが19世紀後半のこと。田舎などで着用するカジュアルウェアという位置付けでした。20世紀に入ると急速にその地位を上げ、仕事着から他所行きまで幅広く活躍するようになりました。各時代を象徴するようなスーツのスタイルも生まれ、現代を生きる私たちも写真や映画、ヴィンテージウェアなどを通して触れることが出来ます。

当時の服飾文化を研究し、オリジナル品や忠実に再現されたリプロダクションに身を包み毎日の生活を送っている方々もおり、知識に裏打ちされたスタイルには二次資料的な価値があると思っています。本連載「紳士服タイムトラベル ー ヴィクトリア朝から1960sまで」ではスーツに焦点を当てながら、紳士服の歴史における代表的な時代を切り取ります。お話を伺うのは、当時の服装を愛し、日常的に着用して生活している方々。日々身を包んでいるからこそわかること、読者の皆さんと共有出来れば幸いです。

初回はYouTubeやInstagram等でヴィクトリア朝、エドワード朝時代のファッションについて発信しているAaron Ernest White(アーロン・アーネスト・ホワイト)さんにお話を伺いました。アーロンさんはイギリス出身の23才でコメディアンを目指されています。昨年来日され、現在は夢を追う傍、英会話教師も務めていらっしゃいます。

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ビスポークテーラー「Sartoria Raffaniello」 ――不撓不屈の職人 ――

インタビュー第5弾は、Sartoria Raffaniello(サルトリア・ラファニエッロ)代表、テーラーの東徳行(ひがし のりゆき)さんを訪ねました。
ストラスブルゴの専属テーラーとして、その名を知る読者も多いと思います。是非彼に誂えてもらいたいというファンを世界中に持つ、人気の職人です。
そんな氏が遂に独立し、先月10月、大阪・北浜の船場ビルディングにビスポークテーラーをオープンされました。
今回のインタビューでは、ストラスブルゴで展開していたレーベル「Sarto Domenica(サルト・ドメニカ)」ではなく、ラファニエッロを屋号にした背景や、職人同士の横の繋がりに触れながらも、人となりを中心にお話を伺いました。
芸術大学を卒業し、リングヂャケットに7年間勤め、本場ナポリでの修行を経て、ストラスブルゴの専属テーラー、そして独立へ。いかにも順風満帆に見える、その裏側にもフォーカスし、センスの根源を探っていきたいと思います。私自身の経験や思いと重なり、話に耳を傾けながら涙腺が緩むのは、初めてのことでした。

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ひたむきにビスポークの高みを目指す鞄職人。小松直幸さん(ORTUS)のハンドステッチに見惚れる。

服飾ライター倉野路凡さんが今気になるモノ、従来愛してやまないモノについて綴る連載第5回。今回はビスポークの鞄職人・ORTUS(オルタス)小松直幸さんのもとを訪ねてきました。倉野さんが「素晴らしい」と絶賛する小松さんが作る手作りの鞄とは……。

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伝統と流行が交わるクラシッククロージング。 テーラー 森田智が伝えるレディス オーダースーツの今とこれから

普段着る服や服装にどこか満足していない、もう一歩先に進んでみたいと感じている方、クラシッククロージングの世界をちょっと覗いてみませんか?

「着こなしは少しカジュアルですが、スーツは女性のクラシッククロージングになり得ると思います」というのは、以前【日本の実力派テーラーを巡る】でも取材させていただいたビスポークテーラー SHEETSの森田智さん。ミューゼオではお馴染みのファッションですが、女性にとってはあまり見慣れないかもしれません。

当連載では、クラシッククロージングの中でもレディスのオーダースーツとジャケットにフォーカスし、オーダーの基礎からテーラーの視点ならではのマニアックなコツまで3回(予定)にわけて森田さんに教えてもらいます。

まずは、レディススーツの原点から現在までの流れとともに、オーダー(手で作りあげられた)スーツと既製品の違いやそれぞれの魅力についてお届けします。スーツやジャケットが全てクラシッククロージングかと言うと、どうやらそうではないようです。ポイントは、中身と過程。

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テーラー companie van verre(コンパニエヴァンヴェール)水野隆守。着る人を最大限に美しく見せるシルエットづくりとは。

服飾ジャーナリストの倉野路凡さんが「今、オーダーするならこの人」と推すテーラーが水野隆守さん。今年自身のブランドを立ち上げ原宿にお店companie van verre(コンパニエヴァンヴェール)をオープン。彼ならではの服作りのこだわりを倉野さんがインタビューしました。