喜多俊之とは?

喜多 俊之(きた としゆき・1942年ー・大阪出身)は、日本のインテリア・プロダクトデザイナー。1967年、大学卒業後に働いていたアルミを扱う会社を退職後にデザイン事務所を設立。最初に手掛けた電話台「アートスタンド」が爆発的にヒットしたことをきっかけに、イタリア・ミラノに拠点を移し、1969年よりイタリアと日本での制作活動を開始。

1975年に日本デザイナー協会賞受賞、2011年にはアジア人として初めてコンパッソ・ドーロ(Compasso d'Oro)を受賞するなど、世界的に高い評価を得ている。ヨーロッパや日本のメーカーから、家電、ロボット、家庭用品に至るまで、分野を越え多くのヒット商品をデザインしている。
また、日本の伝統工芸、地場産業の活性化にも関わり続けている。作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)、パリ国立近代美術館(Musée National d'Art Moderne)、ミュンヘン近代美術館(Pinakothek der Moderne)など、世界のミュージアムに多く貯蔵されている。

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新たな時代の幕開けに心を躍らせる一方で、少し不安を感じてしまう。転換を経た先に、何が残り何が消えていくのか、もはや誰にも予測がつかないからだろう。

ある人は、「本当に素晴らしいものは残り続ける」と言うが、果たしてそうだろうか。

価値観の多様化は止まることなく進んでいく。どんな「良いもの」も時代の流れに任せきりでは消えていってしまう……というのは杞憂に過ぎないのか。

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洋服の裾丈を直したり、革靴のソールを替える話はよく聞くが、椅子のシート生地をカスタムしたという話はなかなか聞かない。

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日本文化は杉とともに。針葉樹を家具に活かす

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太平洋戦争後の復興期に植えられた杉の木が、いま伐り頃を迎えている。当時、最優先課題だった住宅供給の需要に応えるべく国策として大量に植えた杉の木が、現在は上手く活用されず日本の森林管理を悩ませている。

グループモノ・モノ編集の書籍『杉でつくる家具』では、肘掛け椅子、ベビーチェア、サイドテーブルなど、いずれも素朴な木肌と洗練されたデザインが融合する魅力的な家具が紹介されている。ページをめくるうちにひとつの疑問が湧いてきた。

「本当に杉は家具に向かないのだろうか」

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日本初の家具モデラーとして、隈 研吾氏、川上 元美氏、倉俣 史朗氏、ザハ・ハディド氏といった時代を代表するデザイナーと協業、先駆的な椅子を製作し「椅子の神様」と呼ばれている宮本茂紀氏。並行して迎賓館や白州次郎氏の椅子など歴史的価値のある椅子の修復も手がけ、2007年には黄綬褒章を受賞しました。

そんな宮本さんが監修し誕生したプロダクトが「銘木コースターLegna」です。