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会社線の下にある飲食店群
銀座エリアで外堀通りとJRの線路の間を走ってる東京高速道路。 東京駅を出た東海道新幹線と有楽町駅と新橋駅の間で一瞬左側に並走する、あの道路です。 首都高のようだけどここだけ別会社になっていて、全長2キロしかないけども部分開通は首都高より先だったという高架道路で、昔から「会社線」と呼ばれていました。 国鉄から見た私鉄のような、何となく鉄道的な呼ばれ方です。 高架下のテナントからの収入で成り立っているため、通行料は取られません。 で、そのテナントというのがコリドー街や西銀座デパートに銀座INZ(インズ)などなど。 銀座インズは昭和33年に有楽フードセンターという名前で開業し、フードセンターの名のごとく「食に関するデパート」の趣だったそう。 その中にあったイースタンというグリルが開店記念で配ったのがこのピース。 所在は有楽フードセンターなんですが、勢い余って「町」も付いてますね。 グリルって名前は今でも普通に見られますが、レストランより酒が合いそうな気がするのは私だけでしょうか。 当時はすぐ近くに朝日新聞社もあったので、何となくたばこの煙の似合うモノクロームな雰囲気が感じられます。 なお、インズの中にこのお店はもはや存在していません。 この界隈に私は割とよく出没していました。 インズって名前になったのは平成2年とのことですが、気がついたらインズになってたというのが正直な感想で、西銀座デパートもそうですが、あの高架下は銀座サイドから有楽町駅に向かう近道的な印象しかありません。 むしろ新橋寄りのコリドー街の方が行くことは多かったです。 宝くじで有名な銀座のチャンスセンターは西銀座デパートのテナントです。 #タバコパッケージ #ピース #広告タバコ
タバコパッケージ 東京/銀座、有楽町 昭和33年showa_express
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ミロのビーナス特別公開記念
ルーブル美術館にあるミロのビーナス。 あまりにも有名なので、海外の美術館にもたびたび貸し出されてるのかと思いきや、ルーブル以外で展示されたのはたった一度だけなのだそう。 その唯一の展示例が1964年の国立西洋美術館と京都市美術館の展示で、このピースはそれを記念したパッケージ。 ミロのビーナスの展示は大反響だったようで、ウィキペディアによると西洋美術館への来場は4月8日から5月15日までの38日間で83万人だったとか。 #タバコパッケージ #記念たばこ #ピース #ミロのビーナス
ミロのビーナス特別展示 タバコパッケージ 昭和39年showa_express
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デラックス・ティー・ルーム
自由が丘と八重洲にあった喫茶店「桃山」の広告たばこ。 中身はたぶんピース。 飲食店が店名入りのたばこをサービスで配ってた例は結構あったけれども、たいていはバーとかクラブとか寿司屋とか、酒が出てくる店がメーンで、喫茶店はそれらに比べれば若干少ない印象。 今でこそ分煙どころか禁煙を謳ってる喫茶店がやたらめったら増えましたが、街中いたる所で自由にたばこが吸えた当時なら、たばこは優秀な宣伝媒体だったでしょう。 もちろんどのお店も気前よく配ってたわけではなく、こういった専用パッケージで売ってた例もあります。 特に個人経営の場合は出費が馬鹿になりませんし。 しかしこのお店、ただの喫茶店じゃなく、高級でデラックスな純喫茶! 現在、世の中の一部では純喫茶ブームなんですが、このお店も今のマニアが見たら泣いて喜びそうな昭和臭あふれるお店だったのかもしれませんね。 自由が丘のお店は「田園都市線ホームそば」と書いてありますが、これは現在の大井町線で、田園都市線と名乗っていたのは昭和38年から昭和54年まで。 自由が丘の駅も昭和41年1月までは自由「ヶ」丘だったので、この広告たばこは昭和38年から2年程度の間につくられたものと思われます。 #広告たばこ #ピース #自由が丘 #純喫茶
タバコパッケージ 東京/自由が丘 戦後showa_express
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昭和恐慌が終わったので
昭和8年に行われた第1回大阪商工祭。 それを記念したチェリーのパッケージです。 昭和恐慌が終わって、さあ、商都大阪を盛り上げようと企画されたイベントで、期間は同年11月2日から4日までの3日間だったそうです。 大阪商議所のサイトによれば、市内全域で大売り出しが行われ、大阪城から天王寺まで時代行列が練り歩き、公会堂では講演会、街には花電車や花バスが走り、夜には打ち上げ花火や提灯行列まで行われたといいますから、かなりの熱気に包まれていたんでしょうね。 描かれているのは大阪城の主だった太閤秀吉の千成瓢箪。 2枚目と3枚目にはマッチラベルもありますが、こちらは11月1、2日とありますので、別の年のものかと思われますが、何年なのかは分かりません。 #タバコパッケージ #マッチラベル #戦前 #大阪商工祭
タバコパッケージ 大阪 昭和8年showa_express
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アールデコ、モダニズム建築の集合体
昭和11年の4月10日から5月31日まで西宮の浜甲子園で開かれた「輝く日本大博覧会」。 このゴールデンバットはそれの記念パッケージです。 しっかし、見事にボロボロです。 記念タバコのパッケージもいろいろウオッチしてはいるのですが、これはなかなか出てきません。 二束三文で手に入れた戦前タバコパッケージの束の中に混じっていました。 もう1枚は同じ博覧会の宣伝マッチ。 同じ図柄が使われています。 この図柄は日本のアールデコとしてたびたび引用される非常に有名なものです。 この博覧会は大阪毎日新聞(大毎)、東京日日新聞(東日)の共催でだったようですが、マッチラベルには大毎の名前しか載ってませんね。 この博覧会場に建てられた建物はアールデコで見事なモダン建築として、そのスジの方には高く評価されているようです。 会場は3つに分かれており、メインは第一会場。 ここには、輸出で日本を支える工業品などを展示した「国産館」、陸海空にわたる日本軍の活躍を大パノラマも含め展示する「皇軍館」、科学技術の発展と国への貢献を展示する「科学館」、各種機械の構造を実動するものも含め展示した「機械館」、土木、建築、交通、通信でもって文化生活がいかに送れるかを解説した「文化館」、伸びゆく満州の実情を知らせる「満州館」、南北アメリカや豪州、フィリピンなど南洋を最新の資料で紹介する「汎太平洋館」、この年に開催されるベルリン五輪やスポーツに関する資料を展示した「スポーツ館」、コンサートや演芸を披露する「演奏館」、米国から招聘したアメリカン・グランド・サーカスが公演する「大余興場」があったそうです。 サーカスでは自動車の宙返りやオートバイの曲乗り、果てはフラダンスまで披露されたとか。 また、住友や日産など企業ブースが出展した特設館もありました。 第二会場は阪神パークを貸し切って疲れた家族連れらの休憩などに使われ、第三会場は六甲山頂の六甲ケーブル高山植物園。ここは博覧会来場者のみに開放され、都会の喧騒を離れ新鮮な空気を楽しんでください、という趣旨だったらしいです。 輝く日本大博覧会は残っている資料も多く、ウェブで検索すると絵葉書などで会場風景を多数見ることができるほか、古物商を巡るとパンフレットなども手に入れることができます。 #記念たばこ #タバコパッケージ #マッチラベル #博覧会 #ゴールデンバット
輝く日本大博覧会 タバコパッケージ 兵庫/西宮showa_express
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ゴールデンバットは敵性語
金鵄(きんし)というタバコはもともとがゴールデンバットとして、今でもおなじみの黄緑色のパッケージに金色のコウモリを描いた図柄で売られてました。 しかし昭和15年に敵性語を廃するということで、この金鵄という名前になったのだそうです。 改名されたのは11月からです。 箱の側面には定価が記されていますが、平時定価が8銭であるところ、戦時負擔(負担)額は15銭となっています。 8銭のタバコにさらに15銭上乗せしなければ買えないわけですから実質23銭ですね。 この負担額は最初のころはもう少し安く、1銭、2銭、7銭と推移していったそうで、15銭になったのは昭和18年の終わりごろで、戦局がヤバくなってきたことが負担額からもうかがえます。 最終的には昭和20年になると27銭プラスになったそうで、定価と合わせ35銭に上がっています。 ヤミ価格が幅を利かせていたので比較になりにくいですが、同じ年のコメ1升(1.5キロ)の値段は公定53銭でした(ヤミ価格は70円とのこと。銭ではなく円)。 ゴールデンバットという名称に戻ったのは昭和24年から。 10本入り15円でした。 値段が同じ15円だったのは、そば、うどん。 なお、戦時中のタバコパッケージは金鵄も鵬翼(ほうよく)も朝日も古物商に行けば今でも普通にゴロゴロ残ってるので、さしてレアではありません。 #タバコパッケージ #戦中 #金鵄
タバコパッケージ 戦時中 金鵄showa_express
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赤十字100年記念のピース
1863年(日本では文久年間)に赤十字国際委員会の前身である国際負傷軍人救護常置委員会が発足して100年に当たる1963(昭和38)年に発売されたピースの記念パッケージ。 同委員会の駐日事務所は戦時中の1942(昭和17)年から戦後の1949(昭和24)年にかけて設けられていたので、このタバコが発売された当時は日本に事務所はありませんでした。 駐日事務所が復活したのは2009(平成21)年で、現在は溜池山王に駐日事務所があるそうです。 #記念タバコ #タバコパッケージ #ピース #赤十字国際委員会
タバコパッケージ 昭和38年 ピースshowa_express
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陸の王者の卒業記念
慶応大学の卒業記念にOB会組織から配られたとみられるピース。 '60とあるから昭和35年でしょうか。 今はそうでもないでしょうが、学生はふつうにタバコ吸ってましたから十分有り得る記念品ですね。 #タバコパッケージ #昭和 #慶應義塾 #ピース #専売公社
タバコパッケージ 東京 昭和35年showa_express
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出火原因の第一位
自治体消防15周年を記念したピースの箱。 消防というだけあって、真っ赤な箱になってますね。 たばこの箱で消防の周年記念をアピール。 たばこと火事は残念ながら、切っても切れない縁があるから、ものすごーくわずかでもアピールの効果はあるかも。 1963年は昭和なら38年。 総務省統計局のデータでは同年の火災件数は5万478件。 うち、たばこが原因なのは5541件で1位。 2位は火遊びで、4172件とのことでした。 この統計局のデータは大正12年から平成16年までしか載ってないですが、大正12年から昭和16年までは、たばこより火遊びの方が多かったそうです。 火遊びとほぼ同数で多かったのは煙突由来の火災。 時代ですねえ。 最近は喫煙率下がってますし、アイコスとかプルームテックとかグローとか火を使わないたばこが増えてるんで、原因別でも下がってるかなと思ったんですが、総務省消防庁の平成29年データでは、火災3万9373件のうち、たばこはまだ1位で3712件でした。 僅差の2位で放火が3528件で続いています。嫌ですねえ。 なお、昔は多かった火遊びはかなり減って687件でした。 火の用心 #タバコパッケージ #昭和 #ピース
タバコパッケージ 昭和38年 ピースshowa_express
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東京五輪の寄付金付き
東京五輪の寄付金が売値に含まれていたオリンピアス。 五輪は1964(昭和39)年開催ですが、オリンピアスが発売されたのは1年前の昭和38年。 売価60円のうち10円が五輪のために寄付される仕組みで、目標額は3億円だったものが、五輪開催の昭和39年10月までに3億2264万円集まったそうです。 もともとは両切りで販売開始したもののあまり売れず、フィルター付きにしたら人気に火がついたらしい。 寄付金集めが主目的だったため、売られていたのは昭和38、39年の2年間のみ。 もちろん、宣伝用の広告付きパッケージもありました。 #タバコパッケージ #東京五輪 #オリンピック
タバコパッケージ 日本 昭和38、39年showa_express
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横須賀開港100年記念のピース
昭和40年に発売された「横須賀開港100年記念」のピース。 その年の100年前(慶応元年=1865年)に幕府が開設した「横須賀製鉄所」が起源だとか。 造船所にしようとしたけど幕府がなくなってしまったため、実際に造船所となったのは明治4(1871)年とのこと。 そういう意味では1871年も起源になりそうですが、どの時点を起源にするのかって難しいですね。 現在は米軍横須賀基地の施設だそうです。 #タバコパッケージ #ピース #記念タバコ
タバコパッケージ 横須賀 昭和40年showa_express
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四大婦人雑誌の一角
講談社が出していた女性向け雑誌「婦人倶楽部」が80万部を突破した記念に配られたとみられるピース。 雑誌にせよ新聞にせよ、編集業務ってタバコと切っても切れない縁があるような感じですね。 今じゃ吸わない人の方が多いし、世の中の風向き的に記念タバコを配るなんてありえないだろうけども、昔は歓迎されたでしょうねえ。 たとえばこれがマッチだったりすると「なんだマッチか」、お菓子だと「帰ってカミさんにやるか」になるけども、タバコだと「エエもんもらった」って感じがしたんじゃないかな。 80万部を超えたのはいつなのか残念ながら分かりませんが、ウィキペディアによると昭和27年に50万部を超えたとありました。 なお、ピース10本入りの値段は40円から50円だったと思われます。 #記念タバコ #タバコパッケージ #ピース #講談社
タバコパッケージ 昭和30年代か ピースshowa_express
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名古屋の地下鉄開通記念
昭和32年11月15日に日本で3都市目の地下鉄として開通した名古屋の東山線。 その開通を記念した「いこい」のパッケージ。 東山線との名称は昭和44年からのもので、開通当初からしばらくは1号線でした。 開通区間は名古屋から栄町(現・栄)までの2区間で、途中には伏見町(現・伏見)駅が設けられました。 初乗りは15円。 パッケージに描かれているのは100形電車で、当初は2両編成。 昭和63年に全車廃車されているが2両が静態保存されている。 描かれている車両のデザインは開通記念の乗車券やポスター、マッチラベル、郵便局スタンプなどいろんなものに使われているものとほぼ同じだが、他のものが車体色と同じ黄色であるのに対し「いこい」はグレーとなっている。 紫色で描かれている鉄塔は栄にあるテレビ塔(昭和29年竣工)。 #タバコパッケージ #名古屋
タバコパッケージ 名古屋 昭和32年showa_express