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1989年製作 ポールセン・スコーン ビスポークフルブローグ
1989年に製作されたポールセン・スコーン(ニュー&リングウッド)のビスポークフルブローグです。薄手の非常に柔らかいカーフが使われています。ラウンドトゥですが、ラストは細く甲も低め、踵も小さく私の足によくフィットします。ライニングには薄く鋤いた黒カーフを使っています。 土踏まず部分のソールに「9.89」と製作年月が刻印されています。この時代ジョージ・クレバリーがスーパーバイザーとして活躍しており、彼の好きだった「先端に向かう尖ったメダリオン」が奢られています。 この靴が製作された1989年のまさにこの頃、マガジンハウスではあのブルータスを編集していたのでしょう。 https://muuseo.com/shinshin3/diaries/230
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1986-1987年頃製作 レッドウッドアンティーク チェルシー
1986-1987年頃製作と思われるレッドウッドアンティークのキャップトゥ、チェルシーです。ラストはチェルシーとしては大変珍しい32です。32はラウンドトゥの中では最も細身のラストですが、ドーバー、トゥルーン、キングストンなどに用いられることがほとんどです。202と比べるとアウトサイドの張り出しが控えめに見えます。 インソックはMADE BY~のロゴ、アウトソールの刻印は深めの大きなブロック体です。 レッドウッドアンティークは赤茶のベースに黒、または紺のクリームで古色蒼然とした雰囲気にしたものです。チェスナッツと並べると色の違いがはっきりします(画像8)。
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1990-91年頃製作 スタッグスエード製 デンベイⅠ
1990-1991年頃製作と思われるスタッグスエード製のデンベイⅠです。シングルモンクのTROONにパンチドキャップが付いた形です。ラストはラウンドトゥの202で、インソックは筆記体のロゴ、アウトソールの刻印も筆記体です。 アッパーは毛足の長いふわふわのスタッグスエード(画像6)。手触りはまさに別珍です。 https://muuseo.com/shinshin3/items/421
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1990-91年頃製作 フルサドルローファー バッキンガム黒
1990-91年頃製作の黒のフルサドルローファー、バッキンガムです。サドル、パイピング部分に細かなパンチングがなされています。爪先のモカ縫いはパラレルで、ラストはローファー専用の184(甲が低く踵がやや大きめのラウンドトゥ)です。アッパーは肌理が細かで、上質なフレンチカーフと思われます。インソックは筆記体のロゴ、アウトソールも筆記体の刻印です。 ローファーはアメリカで流行ったスタイルですが、この時代グリーンのスリッポンは本当に洒落ていました。低くスマートな甲、ストラップの装飾、パイピングの繊細さ、どれも「プレッピースタイル」とは一線を画しています。
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1970代製作 ニュー&リングウッド別注 ホールカットダービー「254」 ダークオーク
1970年代前半の製作と思われるニュー&リングウッド別注のダークオーク、ホールカットダービー「254」です。黒のコーディングス別注の色違いです。80年代のフルスティック時代に「ダンディー」というペットネームが付けられました。 VELDTSCHOEN製法で、非常に防水性の高いマーチン社のZUGレザーが使われています。本当に全く水を通しません。ステッチだけのイミテーションキャップのホールカットシューズになっています。ラストはラウンドトゥの27です。 ダブルソールで画像7の通りハーフミッドソールになっています(矢印部分が間に挟んだ革)。ライニング前半部はリネンの布張りになって、通気性は良好です。ソールはオープンチャネルで、ヒールトップは一列の化粧釘。 手間隙かかった面倒な作りの靴ですが、革、作りとも素晴らしいです。 https://muuseo.com/shinshin3/items/389
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明治21年(1888年)製作 四寸手提重
先日入手した明治21年製作の四段の手提重です。重箱の大きさは四寸ほど、高さは取っ手を含め八寸と小型のものです。中には小分け用の組板が付属しています。変り塗は松葉と檜葉を用いたものですが、名称が分かりません。 内も底も黒漆ですが湯焼けがかなり進んでおり、相当使われた漆器なのでしょう。外側の傷みはあまり見られず、大切に使われてきたことが伺え私も嬉しくなってきます。140年近く前のお正月の光景が目に浮かびます。 先日明治生まれの男性が亡くなられ、日本に明治に生を受けた男性は一人もいなくなりました。私が子どもの頃はまわりに明治の方はたくさんいらっしゃいました。本当に「明治は遠くなりにけり」、何だか切ないです。
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明治中期 軍配模様手提重 五寸
明治中期の製作と思われる軍配模様の手提重四段で、お重は五寸ほどのサイズです。黒漆の中に美しい微塵貝が捲かれ、とても美しい変り塗になっています。重箱の縁を丸く落とし柔らかな雰囲気を漂わせます。木地は薄く狂いはありません。このあたりはいつもながら若狭の職人さんに感心させられるところです。 共箱は粗末な杉箱でした。
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1960年代製作 メッセンジャー黒
1960年代の製作と思われる黒のキャップトゥ、メッセンジャーです。アッパーは柔らかなカーフが使われています。ラストは82で、同じキャップトゥのバルモラル、コンサルと比べてキャップ部分は大き目のラウンドトゥになっています。インソックはロンドン、ニューヨークの二都市のロゴです。前半部のライニングは画像7のように布製になっています。 購入時は画像8のようにややカサついたカーフの状態でしたが、サフィールのニュートラルクリームを塗ってしっとりとした輝きが復活しました。靴紐もチャーチオリジナルの太い丸紐に似たものに変更しています。 https://muuseo.com/shinshin3/items/138?fb=open
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1970年代製作 ブックバインダー製サドルシューズ
1970年代前半の製作と思われるバーガンディーのサドルシューズです。ペットネームは分かりません。インソックのロゴはロンドン、ニューヨークの二都市。ブックバインダー製ですが、腰裏の文字が消えているのでラストは不明です。セミスクエアトゥで73ラストかもしれません。サドルにはバンチングが入ったスマートな木型です。 以前画像で見て大変惹き付けられたサドルシューズだったので、十数年この靴を探していました。なかなかマイサイズがなかったのですが、ようやく最近入手することが出来ました。春先は活躍しそうです。
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1991年頃製作 マスターロイド チェスナッツドーバー
1991年頃製作のマスターロイドのドーバーです。1992年に私は仕事の関係で1年間秋田市に住んでいましたが、市内のセレクトショップのセールで、35000円で売られていたこのドーバーを見つけて購入しました。 フレンチカーフと思われるキメの細かいアッパー、ラストは32です。アウトソールの刻印は筆記体です。 購入から30年以上経過していますのでそれなりに草臥れてきましたが、目立ったクラックもスキンステッチのほつれもなくしっかり活躍しています。
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1986-1987年頃製作 フォスター別注 スタッグスエード製 バンチドキャップトゥ
1986-87年頃製作のフォスター別注のスタッグスエード製パンチドキャップトゥです。カドガンから爪先部分のメダリオンをなくしたもので、「321」という型番が与えられていたスタイルです。スタッグはややグレー掛かった毛足の短めのものです(画像6)。ラストはセミスクエアの88。アウトソールの刻印は大きなブロック体で、ヒールトップはラバー無しの化粧釘のみです。 私の大好きな88ラストなので、出番は多めになっています。
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1988-1989年頃製作 ポール・スチュワート別注 バークレー
1988-1989年頃製作のポール・スチュワート別注のダークオークのバークレーです。アッパーにはフレンチカーフと思われる、なめらかで艶のある素晴らしい革が使われています。ラストはラウンドトゥの202。カンヌキ留めも大変丁寧に縫われています。アウトソールの刻印は大きなブロック体で、ソール周りにはポール・スチュワート別注によく見られる「唐草」が認められます。 何の変哲もない普通の靴ですが、だからこそ飽きが来ないでいつまでも履くことが出来ます。
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2000年製作 ニュー&リングウッド ロシアンカーフ製セミブローグ
2000年製作のニュー&リングウッドのロシアンカーフ製セミブローグです。私は1989年のブルータスで「ロシアンカーフ(トナカイの革)」でここが靴を作っていたことを知っていました。しかし、雑誌の中でカネーラさんが「再びこの革で靴を作ることは考えていない」と言っていたので、2000年の時点でロシアンカーフで靴は作っていないと思っていたのです。 しかしネットでここのHPを見ると、ローファー、セミブローグ、ノルヴィージャンの三型をロシアンカーフで製作していました。本当であればロンドンに行って注文したいのですが、そんな時間もお金もありません。メールで私のフットプリントをお送りし、セミブローグの製作をお願いしました。待つこと4か月、箱を開けると麝香のような甘い匂い。これはロシアンカーフに使われた白樺オイルの匂いです。出来上がった靴を履いてみて私の足にピッタリだったときの喜びを今もはっきり覚えています。奇をてらったところのないラウンドトゥ、アイレットはフレア気味に作られており、オリジナルのこの平紐が採用されています。アップの画像ではダイヤモンドグレインがはっきりと確認できます。 腰裏の文字からはクロケットの職人さんたちが作った靴のようです。ソールもクロケット製のものと同じです(ですので滑りやすいです)。ただ注文してから製作に入るので、カッティング、ミシン縫いなど、それぞれかなり面倒くさいものだったと思われます。 https://muuseo.com/shinshin3/diaries/7
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1988-1989年頃製作 ケント&カーヴェン別注 スタッグ製チェルシー
1988-1989年頃製作のKENT&CURWEN別注、スタッグスエード製のチェルシーです。ケント&カーヴェンは英国サリーにあるトラッドメーカーです。グリーンには80年代後半に別注を掛けていました。 スタッグとしては毛足は短めですが、素晴らしく滑らかな別珍風の手触りで、指で軽くなぞるとその跡が残ります。濡れたようなしっとりとした肌触り(これは毛の中に油分画像が残っているからです)で、まさに最高の素材でした。ラストはセミスクエアの88でシェイプも文句なしに美しいです。カンヌキもとても丁寧な仕上がりで、この時代のグリーンの作りの良さが分かります。アウトソールの刻印は太めのブロック体です。 ところで別注物のインソックには、この靴のように「expressly for~」と他に「especially for~」の二種類の記載があります。意味としては「特別にグリーンに作らせた~」ということだと思うのですが、両者の微妙な違いがお分かりの方がいらしたら是非お教え下さい。宜しくお願い致します。
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1988-1989年頃製作 ダブルモンク ウェストミンスターⅡダークオーク
1988-1989頃製作のダークオークのウェストミンスターⅡです。ウェストミンスターは履き口が狭いので、靴べらを慎重に使って履きます。いちいちバックルは外しません。「面倒臭い」というのも勿論ありますが、ベルトの革が華奢なので、何度もここを外したり嵌めたりするとすぐに革が傷んでしまいます。ラストはセミスクエァの88で、この靴との相性は抜群です。インソックはMADE BY~のロゴ、アウトソールの刻印は大きなブロック体です。 カーフがかなり草臥れた状態になってきているので、そろそろ水洗いしてリフレッシュさせようかと思っています。
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