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東武6050系電車
野岩鉄道会津鬼怒川線の開業の折、接続駅の新藤原駅を介して、同線と東武との間で相互直通運転を実施することとなった。これに先立つ1985(昭和60)年、既存の6000系電車の車体更新によって登場したのが本形式である。 新線開業に伴う新しさを強調すべく、車体の外部塗色は白(ジャスミンホワイト)をベースに、赤(パープルルビーレッド)とオレンジ(サニーコーラルオレンジ)の帯を配した。車体前面は10000系電車をもとに、角形・横並び配置とした前照灯・標識灯とブラックアウト処理といったデザインによって、斬新さが増した姿となった。また、山間部での走行に備えて、貫通扉上部には補助前照灯を、車体下部にはスカートをそれぞれ取付けている。 側面では、片側2ヶ所の客用出入口を可能な限り車端側へと寄せつつ、乗降の円滑さを助けるために一般車同様の両開き扉を採用した。側窓は戸袋部分を除き、シートピッチに合わせた大型の1枚下降式として、操作性と眺望性が向上している。 車内は6000系と同様にトイレ付き(日光・鬼怒川寄り車両のみ)で且つ、戸袋部分のロングシートと扉間のボックスシートの組み合わせによるセミクロスシートとしたが、直通運転列車では乗車時間が従来以上に増大することやグループ旅行客の利用が多く見込まれることを踏まえ、シートピッチの拡大や折り畳み式テーブルの設置等がなされた他、最大の課題とも言えた冷房化も勿論実施して、居住性の向上が図られている。 機器類は概ね6000系から流用しているが、空気や水の配管やドアレールにヒーターを付加させたり、制御装置に無接点化等の改良を加えたりと、各面で耐寒耐雪策が強化されている。 こうして6000系は全車両が本形式へと更新されたが、これ以外に全くの新規製造によって登場した増備車両があり、これらは更新工事を受けて登場した車両とは台車が異なっている。なお、その内の2編成は野岩鉄道へ、1編成は会津鉄道へそれぞれ譲渡(野岩鉄道ではこれ以外に1編成を追加増備)されている。 その後は連結作業合理化のための連結器の交換、電車線(架線)への着霜対策としてのパンタグラフ増設(いわゆる霜取りパンタ、一部車両のみ施工)等の改造が行われた他、展望席を備えた観光列車“スカイツリートレイン”向けに大掛かりな改造工事を実施した車両も登場した。 #東武鉄道 #東武6050系
鉄道模型 GREENMAX・TOMYTEC 16両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)
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東武20000系・20070系電車
営団地下鉄日比谷線への直通運転用車両であり、2000系電車の代替との位置付けの下、1988(昭和63)年に登場した。オールステンレス車体にマルーン色の帯、自動界磁制御式(AFE式)主回路チョッパ装置と電気指令式回生制動を採用といった概要は、やはり地下鉄直通運転用車両である9000系電車に倣ったものであるが、車長や乗降口(扉)数、電動車比率等は、日比谷線直通運転の規格に適合するよう(それぞれ、18m、片側3扉、8両編成中電動車が6両等)修正されている。 車体については外板にダルフィニッシュ仕上げ・ビード加工とした物を使用し、マルーン色の帯は編成の全周にわたって入れている。更に車体前面は、非常口に特化させた貫通路を向かって左側一杯に寄せ、運転台側の窓を天地方向・左右方向共に大型化し、横並びとして一体ケーシングした前照灯・標識灯の部分に合わせてマルーンの帯を追加したことで、東武電車の中でも個性的なスタイルを誇ることとなった。 走行機器類については、主電動機は10000系電車に使用されている物と共通化して、保守面での合理化が図られた一方、台車は保守性の向上と軽量化の見地から、東武の車両では初めてとなるボルスタレス台車を採用している。 車内設備に関しては、日比谷線直通列車の懸案であった冷房化が実現したほか、側窓は2枚1組(車端部を除く)としたバランサー付の大型一枚下降式として、採光と開閉の自在性が向上している。 本形式の増備・発展形にあたる形式としては、営団03系電車にも登場したのと同様に、8両編成のうちの両端から2両を片側5扉とし、VVVFインバータ制御方式も採用した20050系電車が1992(平成4)年に登場。更に1996(平成8)年には、再び全車片側3扉とした上、集電装置にシングルアーム形パンタグラフを採用した20070系電車が登場した。 なお、日比谷線車両の車長20m化が開始されてからは、一部の車両にワンマン運転線区向けの転用改造が施行されている。 #東武鉄道 #東武20000系 #東武20070系
鉄道模型 MICRO ACE 16両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)
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近鉄12200系電車“新スナックカー”
1969(昭和44)年に登場した特急用車両で、12000系電車“スナックカー”の改良型増備車両である。同形式と比較すると、軽食提供サービスを行うスナックコーナーの寸法が拡大され、これに伴って同コーナー部分への窓の設置や定員(座席数)の減少等の変化があった他、トイレ・洗面所の配置の見直しや車体側面への列車種別・行先表示器の新設、パンタグラフの増設等が行われた。 折しも当時の近鉄では、万国博覧会開催に合わせた旅客誘致の一環として、志摩線の軌間拡幅工事と鳥羽線・難波線の新線建設工事が進められ、特急列車網の拡充並びに特急車両の増強が求められており、スナックコーナーを持つ車両も一定数確保出来たとの判断もあって、本形式は登場したその年の内にスナックコーナーを持たない増備車両が現れることとなる。この増備車両には初期の車両に倣った2両編成の他、適宜中間車両を挿入した4両編成や6両編成も登場して、近鉄特急車両の標準型とも言える存在となった。 その後は、12000系や18400系電車で実施されたのと同様、スナックコーナーの撤去と座席の増設、前面造形の大幅な変更も盛り込んだ車体更新といった工事を重ね、一部の車両については15200系電車“あおぞらⅡ”や15400系電車“かぎろひ”等の団体専用車両へと転用改造されている。 #近畿日本鉄道 #スナックカー #近鉄12200系
鉄道模型 GREENMAX 16両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)