アイデン AD-40

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アイデン社がかつて製造していた1インチスロートのドライバーユニット。
これも同社の高級ラインナップから漏れず、アルニコマグネットと黒チヂミ塗装による無骨かつ力強い仕上げとなっています。

1974年ごろから1984年の倒産直前まで長きに渡って生産されていたロングセラー製品の一つ。
そのためか、中古市場でも比較的目にすることが多いモデルです。
発売当時の仕様を見ると、金属ホーンAH-1200とセットで紹介されています。
スピーカーシステムS-501にトゥイーターユニットとして搭載されていました。

ドライバーというのはそのままでは十分な音量が得られないため、ホーン(ラッパ)を取り付けて音を鳴らすスピーカーのこと。
ラッパをつなぐ部分の口径が大きくなるほど低音再生に有利ですが、これは1インチと小口径で単体では十分な帯域が確保できません。
そのため、低音用のウーファーユニットと組み合わせて使うことになります。
取付穴は3つでJBLやコーラルといったメーカーと同一のようです。

取り付けるホーンはメーカー品を買う、中古品を探す、自作する、といったところになります。
しかし、ホーンの長さ・大きさ・材質・構造といったものが、再生音に直結する重要な要素のため一筋縄ではとてもいきません。
本来ならばメーカー純正ホーンAH-1000と組み合わせるべきなのでしょうが、入手が難しいため、程度の良さそうな自作品の木製ホーンを中古品店で購入して取り付けました。

同社のAW-120Xと簡単に組み合わせて鳴らしてみましたが、ウーファーと同じく聞き疲れのしない優しい音色です。
もっとも、ホーンを使ったスピーカーシステムの構築はそれだけでン十年の歳月と膨大な手間暇(と、莫大な資本に広大な場所)を必要とするもののため、これがAD-40の音だとは断言できません。
ですが、死蔵しておくのはあまりに勿体ないため、

「とにかく鳴らせるようにしよう」

と一通り形にすることになりました。

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