-
夕凪の街 桜の国
作者のこうの史代さんが「この世界の片隅に」を描くきっかけになったマンガです。 「夕凪の街」は広島で被爆した皆実という女性が慎ましく暮らしている中、戦後10年経って急に体調を崩して亡くなるまでを描いた短編。ほのぼのとした画風の中で描かれる現実。 「桜の国」は時代が飛んで、疎開していて難を逃れた皆実の弟旭の家族の話。主人公は旭の娘の七波。(一)は小学生時代、(二)は成人して28歳の様子が描かれています。どちらも笑いを織り交ぜながら平成になってもまだ被爆者の苦悩は続いているといった点が浮き彫りになっています。 この作品は田中麗奈、麻生久美子主演で映画になり、NHKでは川栄李奈主演でドラマ化されました。 #こうの史代 #マンガ
双葉社 こうの史代オマハルゲ
-
長い道
「この世界の片隅に」がアニメ化されたこうの史代さんの、4コマ以外では初となる連載作品です。 いい加減な性格で女好き、仕事も長続きしない壮介と天真爛漫な道という女性のちょっと変わった夫婦生活を描いた3~4ページの短い話を纏めて一冊にしています。 そもそも親同士が飲み友達で、酔った勢いで「嫁に行け」と言われて押しかけ女房として現れた道。夫婦というよりは同居人同士という微妙な関係の日常が淡々と描かれています。仕事をすぐクビになり一年中金に困っている壮介。それでも甲斐甲斐しく家計をやりくりして支える道。その二人は「この世界の~」と同じ暖かいタッチで描かれています。 久々に発掘した一冊でした。 #マンガ #こうの史代
双葉社 こうの史代オマハルゲ