赤縁脚付鉢

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口径10.5センチほどの小振りな平椀型の鉢である。口縁部に赤を被せ、縁を折ったもので、氷コップやコンポートなど、あらゆる当時のガラス製品にこの加工が見られる。また、赤のほかにも青や緑などの色ガラスで同様のものがある。
縁を折ることで、赤の色が帯状に強調されて見えるといった美観の向上効果や、口縁部が厚くなり割れや欠けに対して強度を上げることができるなど、用と美を兼ね備えた技法である。縁を折る加工は、日本のガラス産業がお手本とした英国のガラス製品にも見られ、18世紀のワイングラスのフットに同様の加工がみられる。
この作品はシンプルながら美しく、ことあるごとに手に取ってみたくなるような不思議な魅力がある。

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