(2)横長の写真

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正方形の本をあまり見ないと書きましたが、もちろんないわけではありません。私も何冊か持っています。

例えば、この「グラナダのアルハンブラ」。完全な正方形ではありませんが、かなり近い形です。

写 真:ルイス・カサルス・コル 本文:フェリックス・バイヨン
出版社:Triangle Postals
発行日:不明 2000年?
大きさ:縦16.1cm 横15.7cm

スペイン、グラナダのアルハンブラ宮殿の写真集。開けば、宮殿の外側や内側、町の様子を、あちらこちら何十ヶ所と拝見できる。

スペインかあ。行ったことはないけれど、どんなところなんだろう。(この本は古本屋で買いました。)

それにしても、この本を作った人はなぜ正方形にしたのでしょうね。

スペインでは紙の裁断の仕方が違うのか。A版で作ればもっと安くなったんじゃ? などと少し意地悪く思いつつ、写真を眺めながら次のようなことを思いました。

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当たり前ですが、本を開くと、開いた方向が二倍に伸びた面ができます。多くの本は横側に開き、横方向に二倍の面になる。

正方形の本は、縦横比1対2の面になり、A版やB版の本は、縦横比1対√2の面になる。

「グラナダのアルハンブラ」には、ページの見開きを目一杯に使った縦横比1対2の写真も載っていますし、ページに余白を設けて、正方形の写真も縦横比1対√2の写真も載っている。

これらの写真を観ていると、縦横比1対2の写真は、なんとなく他と比べて広い範囲でものが見えている感じがあります。

映画のスクリーンで、横長のスコープサイズというものがありますが、このサイズの映画を観ているのと同じ感覚で、よりアルハンブラ宮殿の中にいるような気持ちになっている。

どうしてといわれると私にはわからないのですが、またもや想像しますと、まずヒトの目玉が横に二つ並んでいて、目の前のものを普段から横長で捉えているから、ではなかろうか。

ネットに訊ねたところでは、テレビの話題ですが、

[コカネット:テレビはどうして横長になったの? ]https://www.kodomonokagaku.com/read/hatena/5041/

ずばり

「横長画面のほうが迫力のある映像が楽しめるから」

「横と縦の比が5:3か6:3の画面がもっとも迫力を感じることがわかりました。」

と明言されていました。しかし理由まではわかりません。んんん。

 ◇

正確な理由はわかりませんが、私の感覚では、横長の写真を観ているほうが、より実際そこに居るような気持ちになる。

「グラナダのアルハンブラ」を作った人は、読者がそうなることを見越して正方形にしたのでしょうか。それもわかりません。

これまた、前述の本の型や裁断のことと同様、ゆっくり知っていくしかなさそうです。

調べれば調べるだけ、おかしな疑問が増えていく気がします。

 ◇

思えば、本屋では、文庫本は棚に整然と並んでいますが、写真集や絵本売り場では、大きさがまちまちの本が棚から顔を出したり引っ込んだりしていることが多い。

それは、写真集や絵本は、製本での効率よりも読む人に紙面がどう見えるかが大事だからだ、と、あらためて思いました。

もし、写真集や絵本を文庫本の大きさに合わせて縮小するようなことをしたら、読む人の感じ方が変わり、極端に書くなら違う本になってしまうでしょうね。

それはそれで、どういう本になるのかとも思いますけれども。

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