GEAR BLUES/THEE MICHELLE GUN ELEPHANT

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1998年11月25日発売。ミッシェル・ガン・エレファントのメジャー4枚目のアルバム。
立て続けにシングルを吐き出し、その年の暮れには当時としてはまだ異例だった「オールスタンディングでの」アリーナツアー8都市10公演に及ぶ「WORLD PSYCHO BLUES TOUR」を敢行するという、バンドの勢いとしてはまさに絶頂期に満を持してリリースされたアルバムであった。

演奏にも録音にもまだガレージパンク特有の軽さがあった前作と違い、今作の音はとにかく重心が低く、硬い鈍器のようだ。どんどん抽象性が増していくチバの詩情がここで描くのはどこか疲れ果てた、ヤケクソに火をつけたような風景。

叩きつけた絵の具の混ざり方と形だけで表現するとでも言わんばかりに意味を失っていく言葉の中で、行き着く先も見えないまま加速し続けていくことへの混乱と諦念の極北の断末魔が響くB3「ブライアン・ダウン」が痛く染みる。

CDで通しで聴くには正直マッシブ過ぎると感じる時もあるが、続くB4の「ホテル・ブロンコ」で一旦幕を閉じてノワールの苦い静寂が訪れるアナログ盤の構成はギヤ・ブルーズを聴く最良の手段なんじゃないかと思う。

メジャーデビューしてからの初期〜中期ミッシェルの道程とは、ある一面では「ポスト渋谷系」らしさをどんどん捨て去っていく過程だったと個人的に思うのですが、ここでの彼らにその残り香はこれっぽっちもない。

そう言えば、リリース時の確かロッキングオンか何かのインタビューで、このアルバムにはメンバー4人全員の声が録音されているという発言を読んだ記憶があるんですが、どうなんでしょうか?

いつものミッシェルの与太の可能性もありますが、本当だとしたら問題はアベ君ですよね。
言うまでもなくキュウはフリーデビル、ウエノ君はG.W.Dの冒頭の叫び、そしてアベ君はキラービーチの『フーフー』言ってるコーラス。だと言うのが私の結論でした。基本的にミッシェルのレコーディングのコーラスはチバ。特にアベ君が曲に声を重ねているのをハッキリ聴いたというのはライブですら記憶にありません(時々口が開いてたけど殆どマイクに乗ってないですよね?ブースでギターを持たずアベ君がコーラス録りをしている姿とかイメージできませんw)。
でもあのコーラスに関しては低いラインはチバ、上のコーラスはメンバー3人で撮った、とか?と私は睨んでいます。

海外盤も色々出てますがスペインのMunster Recordsも出してます。本当いいレーベルだよあそこは。

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