メッセージ・ソング/ピチカート・ファイヴ

0

ピチカート・ファイヴの11枚目のシングル。1996年12月21日発売。
ピチカートはそこまで熱心に聴いていた訳ではないのですがCDのパッケージとしての魅力が凄くあって見かけるとつい買ってしまいます。
(短冊8cmシングルで持ってるのは全部レンタル落ちですが)

表や裏ジャケのデザインのカッコよさはもちろんなのですが、開いた中のデザインがまた美しいのです。
シンプルなデザインに白・青・赤のトリコロールの配色。プラスチックトレイ(盤をはめ込む部分のパーツ)が透明になっており下に青、CD盤面に赤のロゴが入っていて盤をセットした時にピッタリ合うようになっている仕様。このさりげなくも気の利いたお洒落なデザインに感動します。

ピチカートのジャケットと言えば、のもちろん信藤三雄ディレクションなのですがこのCDのプラスチックトレイを最初に透明にしたのが信藤さんだというのは有名な話ですね。
ちょっとした事のようですがこのアイデアひとつ取ってもCDパッケージのデザインの可能性は大きく拡がったと思います(このシングルでもトレイが透明なことでその下に短冊シングルでは割と軽視されがちなクレジットがしっかり入ってる!デザイン性と機能性は裏表!)

信藤三雄さんはこういう革命的な仕事を山ほどされており、この方がいなければ80〜90年代の音産プロダクツのデザインは遥かに味気ないものになっていたでしょう。

なんとなくぼんやりと90年代のコロムビア、特にトライアドのプロダクトデザインにどこか共通のムードというかカラーがあるような気がしていて、この時代に思春期を過ごした私にとって、90年代のビジュアルイメージってもの凄くこれに引っ張られていたなあと感じていたんですが、
色々調べてみるとレーベルとかは関係なく(全くなくもないが)私がその頃感化されていたデザインのほとんどがC.T.P.(信藤三雄)かsunto office(駿東宏)の仕業だったから、という事が最近分かりました。

やっと曲の話をすると当時ピチカートのプラスチックでカラフルな感じ(特にアレンジと歌詞)が正直苦手だった自分にとって、表題曲の分かりやすいギターロックみたいなイントロはとても意外で反応したし、ほろ痛苦くもどこか冷めた歌詞はそれまでの拒否感なんだったんだってぐらい驚くほどスッと入ってきて、ピチカートに対する先入観を取り払ってくれました。そっからはずっと好きです。
トリビュートアルバムの曽我部恵一さんのカバーも凄く好きです。

Default