24時/サニーデイ・サービス

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2015年12月21日発売。オリジナルは1998年7月CDのみでリリース。
名盤『サニーデイ・サービス』から9ヶ月、さらなるえげつない名盤が出ます。

全15曲+ボーナス1曲(アナログは2LPと7インチ)、全曲名曲のマッシブでカオスなアルバム。曽我部さんはサニーデイ、ソカバン、ソロ問わず定期的にこういうボリューム感のぶっ壊れた問題作を作るのですが、今作はそんな永く膨大なキャリアの中に時折狂い咲く美しい綻びとして初めてのものです。

サニーデイのスタイルのようなものが確立されていく中で、自己模倣に陥ってしまう事に対する抵抗と焦りを感じる、とにかく今やれる事を全部ブチまけてやったという混沌さ。

いかにも従前のサニーデイの方向性をブラッシュアップした趣きの「月光荘」をシングルから外し、よりラフで生々しい「さよなら!街の恋人たち」に差し替えた事からもその葛藤が見えます。

とは言え当時はそんな事には思いもよらず、シンプルに曲の良さとアルバムのむせ返るような濃さにただただ夢中になってましたね。
正直どこか老成したような前作よりこっちの方が好きでした。若さゆえの混乱と暴走というか。今はどっちの良さも大好きですけど。

今の時期みたいな重たくて暑い夏の日の、夕暮れとともにふうっと吹きこんできた風を感じながら聴く「果実」は沁みる。

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