-
2ndアルバム「Led Zeppelin II」
1969年10月22日発売。1stと同年に早くも発売された2ndアルバム。1stで見られた様々な要素の中からエレクトリックで激しいものを抽出した感じの文句なしのハードロック・アルバム。ビートルズの『アビイ・ロード』をチャートの1位から引きずり下ろしたアルバムとして有名。全米売り上げ1,300万枚というお化けアルバム。 1曲目の「Whole Lotta Love」のギター・リフを聴いただけでも、このアルバムがとんでもない存在であることがわかる。普通のバンドがやれば疾走感あふれるロックナンバーになるものを、ツェッペリンがやるとひたすら重い。ジョーンズのベースも、ボーナムのドラムも、重量感を持って迫ってくる。例えれば、重戦車がトップスピードで突っ込んでくるような、ティラノサウルスが全速力で駆け回っているような、もうこれを出されたからには観念するしかない、力の差を見せつけられる。そしてその上でヴァルキリーのように天空高く飛翔するプラントのボーカル。もはやリスナーには、崇め奉ってひれ伏すしか残されていない。 どの曲も素晴らしいが、世界中のギターキッズに衝撃を与えたのが「Heartbreaker」だろう。スティーヴ・ヴァイは、この曲を聴いて「ギターソロは、やったもん勝ちなんだ」ということに目覚めたという。途中でちょっとヨタつくところも含めて、ジミー・ペイジらしい長大&圧巻のギターソロ。 ただ、あまりにも機能的なハードロック・アルバムでありすぎて、最初にこのアルバムを聴くとツェッペリンというバンドの音楽性を見誤る可能性もある。それについては次作『III』の解説で。 収録曲 A-1 胸いっぱいの愛を - Whole Lotta Love A-2 強き二人の愛 - What is and What Should Never Be A-3 レモン・ソング - The Lemon Song A-4 サンキュー - Thank You B-1 ハートブレイカー - Heartbreaker B-2 リヴィング・ラヴィング・メイド - Livin' Lovin' Maid <She's Just A Woman> B-3 ランブル・オン - Ramble on B-4 モビー・ディック - Moby Dick B-5 ブリング・イット・オン・ホーム - Bring It on Home ワタクシが所有する盤 1993年リマスター盤の紙ジャケ、2014年リマスターのスーパー・デラックス・エディション。1986年版(最初のCD)は売ってしまいました。
1969m.nishiuchi
-
1stアルバム「Led Zeppelin I」
1969年1月12日発売。後期ヤードバーズにおいて中心メンバーだったジミー・ペイジ(guitar)、腕利きのセッションマンだったジョン・ポール・ジョーンズ(bass/keyboards)、まだ無名ではあったが驚異的な高音ボーカルを持つロバート・プラント(vocal)、プラントとかつて同じバンドにいたジョン・ボーナム(drums)の4人によって結成されたレッド・ツェッペリンの最初のアルバム。 激しいギターリフの上でシャウトしまくるボーカルという典型的なハードロックだけではなく、アコースティックな響きを持つ美しい曲や民族楽器を大胆に導入した曲、3コードのブルースを現代的に再構築した曲など、驚くべきことに、この1stアルバムにはこのあとのツェッペリンの音楽の全ての方向性が含まれている。つまり、結成の時点ですでに「このバンドがやるべき音楽」「達成すべき音楽性」のイメージが明確に存在し、以後、このバンドはそれを忠実に追求し続けたということである。そしてその頂点はアルバムを発表するごとに更新され続け、大傑作『Ⅳ』を踏み切り台としてさらに高みへと飛翔し、ついにはジャンル分け不可能な「レッド・ツェッペリン」という音楽カテゴリーを作ってしまった。 収録曲 A-1 グッド・タイムズ・バッド・タイムズ - Good Times Bad Times A-2 ゴナ・リーヴ・ユー - Babe I'm Gonna Leave You A-3 ユー・シュック・ミー - You Shook Me A-4 幻惑されて -Dazed and Confused B-1 時が来たりて -Your Time is Gonna Come B-2 ブラック・マウンテン・サイド -Black Mountain Side B-3 コミュニケイション・ブレイクダウン -Communication Breakdown B-4 君から離れられない -I Can't Quit You Baby B-5 ハウ・メニー・モア・タイムズ -How Many More Times ワタクシが所有する盤 1993年リマスター盤の紙ジャケ、2014年リマスターのスーパー・デラックス・エディション。1986年版(最初のCD)は売ってしまいました。
1969m.nishiuchi
-
12thアルバム「Abbey Road / アビー・ロード」
1969年9月26日発売。発売順は逆になったが、録音は次の『Let It Be』よりも後に行われたので、実質上のラストアルバムである。散々な結果に終わった「ゲット・バック・セッション」のあと、ポールの呼びかけで「ちゃんとしたアルバムを作ろう」と再集結した4人が、「多分、これで最後になるだろう」という予感のもと不思議なチームワークを発揮した結果、とんでもない傑作が出来上がった。いや、傑作という言葉じゃ足りない。これぞまさしく「ビートルズのラストアルバム」。 よく言われるように、このアルバムではジョージの躍進ぶりがすごい。「Something」「Here Comes The Sun」という名曲2曲を提供し、ギタープレイも安定、さらには当時まだ珍しかったモーグ・シンセサイザーを導入したのもジョージ。このアルバムの後、ジョンはヨーコとの平和運動にのめりこみ、ポールはビートルズ解散のショックからなかなか立ち直れず中途半端なソロ作ばかり出すことになってしまうが、ジョージは3枚組の大作『All Things Must Pass』でいちはやく音楽的成功を収めることになる。 A面にも重要な曲が多いが、やはり圧巻はB面のメドレーだろう。短い曲が次々と提示されて息つく間もないぐらい。最後の「The End」における4人それぞれのソロ・パートのあとの感動的なフィナーレ・・・で終わらないのがやはりビートルズで、20秒ほどの無音の後に23秒だけの珍曲「Her Majesty」が入ってしかも途中でブツっとおわる。「えっ!」と思うがこれで終わり。なんと粋な・・・ 4人が本気を出せばこれぐらいのアルバムは、すぐに、かどうかは知らないが、できてしまうのだ。でも、もう4人でやりたくないから、これを最後にビートルズは解散してしまった。このアルバムのセッションの後、4人が楽器をもって揃ったことは一度もない(法律上の手続きなんかで集まったことはあるらしいが)。各人のソロにそれぞれで参加しあったりはしてるけど、4人で揃って演奏したことはない。 そんな状態のまま、1980年12月8日、ジョンが凶弾に倒れて、ビートルズの再結成は絶対にありえない話になってしまう。 【ワタクシが持っている盤】 アナログLP(1995年アメリカ・プレス)、1987年版のCD(ステレオ)、2009年版のCD(ステレオ)、2009年版のアナログLP(ステレオ) 下の画像は、左から順に、 2009年ステレオ・リマスター盤のジャケット表面 2009年ステレオ・リマスター盤のジャケット裏面 2009年ステレオ・リマスター盤のアナログLPジャケット表面
1969m.nishiuchi
-
11thアルバム「Yellow Submarine / イエロー・サブマリン」
1969年1月17日発売。同名のアニメーション映画のサウンドトラック盤。映画自体は素晴らしい出来で、1960年代後半のポップカルチャーを代表するきらびやかな色彩に彩られたおとぎ話になっている。しかしサウンドトラック盤としての本アルバムは、新曲は4曲のみであとは既発曲2曲、後半の7曲(アナログ盤のB面)に至ってはプロデューサーのジョージ・マーティンが作編曲したオーケストラ曲のみ、という構成で、(ビートルズのオリジナルアルバムとしては)まああまり良い出来とは言えない。B面とか、1回聴けばもう良いだろう。実際、スタジオアルバムとして英米のチャートで1位を取れなかった唯一のアルバムでもある。このへん、『Magical Mystery Tour』と逆だな。あっちは、映画自体はいまいちだったのにサントラは素晴らしいというパターン。 新曲4曲のうち2曲はジョージ作。「It's All Too Much」はリンゴのドラミングがすごいのと、後半のオーケストレーションが幸福感に満ちあふれていて、この曲はわりと好きでたまにこの曲だけ聴くためにアナログ盤を出すこともあるぐらい。「Only a Northern Song」は『Sgt. Peppers』のときに録音してボツになってた曲。ジョン作の「Hey Bulldog」は激しいギターリフがカッコイイし、ポール作の「All Together Now」も楽しい曲調だけど、両曲ともかなり即興的でやっつけ仕事くさい。 この作品は絶対、映像の方を先に見るべき。リマスター版がBlu-rayで出てるけど本当に素晴らしい。ディズニーとかのアニメーションとは全く違う、イギリス独特のユーモアにあふれた映画の良さは、ビートルズのファンなら絶対にはまる。保証します。 【ワタクシが持っている盤】 2009年版のCD(ステレオ)、2009年版のアナログLP(ステレオ) *1987年版のCDは買ってません、当時は貧乏学生で、買うのを後回しにしたまま結局買わなかった。 下の画像は、左から順に、 2009年ステレオ・リマスター盤のジャケット表面 2009年ステレオ・リマスター盤のジャケット裏面 2009年ステレオ・リマスター盤のアナログLPジャケット表面 2009年モノラル・リマスター盤のアナログLPインナースリーブ
1969m.nishiuchi