日産フェアレディZ(2代目)2シーター&2バイ2

初版 2023/08/30 15:37

改訂 2023/08/30 16:26

1978年(昭和53年)8月17日 発表
従来のS30型シリーズの性格を引き継ぎながら、昭和53年度排出ガス規制に対応するとともに、空気力学の追求により生まれたシャープなスタイルと快適な居住空間の確保、整備仕様の充実など、より使いやすい個性的なスポーツカーとしてS130型シリーズに一新された。

車種構成は、従来の2000ccシリーズに加え、新たに2800ccシリーズを追加し、いずれも電子制御燃料噴射装置(ニッサンEGI)付エンジンを採用するとともに、5段マニュアルトランスミッション、オートマチックトランスミッション、乗員数及び仕様(Z、Z-L、Z-T)を組み合わせ、シリーズが充実された。2000ccシリーズは、従来同様「ニッサンフェアレディZ」と呼称されるが、新設の2800ccシリーズは、「ニッサンフェアレディ280Z」と呼称される。 外観はフェアレディZのスタイリングイメージである「より美しく速いクルマ」を基調に、さらに安全性、空力性能などの機能性を重視したスタイルとなった。内装は最高級スポーツカーにふさわしく、より高品質で豪華な内装となり、室内空間が拡大した。

全輪ディスクブレーキの採用、警報装置の充実などにより安全性が向上した。空力学特性の優れたボディ形状と、チンスポイラーの採用などによって直進安定性、横風安定性などの操縦性能及び燃費が向上した。ボディ構造はセンターピラー付構造になり、各所に補強材が配され、安全性及び耐久性が高くなった。ドア構造はサッシュを廃止したサッシュレス構造となった。2.8L系全車にコーナーラバー付衝撃吸収式大型バンパー(5マイルバンパー)が標準採用された。

燃料タンク容量は大型の80Lとなり、車種によりメーター内にサブゲージが取り付けられた。L28型エンジン搭載のZ-T車に設定速度(60~100km/h)を自動的に維持するASCD(オートスピードコントロールデバイス)が設定された。一部車種にはパワーステアリングが採用されるなど新機構が取り入れられた。リアサスペンションにはセミトレーリングアーム式サスペンションが採用され、操従安定性、乗り心地が向上した。塗色はソリッドカラーが3色、メタリックカラー4色の計7種類。インストルメント計器及び操作装置は、高級スポーツカーにふさわしい機能を重視したデザインになり、使いやすい配置となった。インストルメントの照明は、赤色の照明光で統一され、スポーツカーのイメージに合ったものとなり、照度調節装置が採用され、夜間の視認性が向上した。コンビネーションメーター中央下部には集中警報ディスプレイ装置が設けられ、ストップ、ヘッド、テール、各ランプの球切れ、ウォッシャー、バッテリー、ラジエーターの液量不足を検出し警告する集中警報装置がZ-T車に採用された。空調はサクションスロットルバルブの採用によるコンプレッサーの連続運転、内外気導入エアコン、外気導入バイレベルエアコンの採用やインストアッパー吹き出し口の採用、足元への冷風吹き出しが可能になるなど、配風性が向上した。吹き出し空気温度、風量を自動制御し、車室内を設定温度に維持するとともに、吹き出し口を適正に選択制御する日産初のフルオートエアコンが2.8L Z-T車にメーカーオプションとして採用された。

1979年
米国インポートカーオブザイヤー(モータートレンド誌)受賞を記念し、インポートカーオブザイヤースペシャルエディションを発売。2L、2.8LのZ-Tをベースに2シーターを130台、2by2を530台の限定とした。ボンネットなどを塗り分けた2トーンカラーは「マンハッタンカラー」と呼ばれた。特製ボンネットエンブレム、ブラックアウトモール&ピラー(2シーター)、ミシュランラジアルXVS及び6JJ14インチアルミホイール、ハロゲンヘッドランプなどを装備。内装は2シーターでは前面起毛トリコットのシート。2by2のシートは赤/シルバーの特別色。またアンビエンスのオーディオを2シーターにも装備。センターコンソールには受賞記念の特製オーナメントが装着された。キーは特製デザインで、ステアリングのセンターにはオーナーのイニシャルを入れることができた。

1980年3月
2800ccシリーズにマイクロコンピュータ集中制御方式の「ニッサンECCS(Electronic Concentrated engine Control System)」が採用され、2000ccシリーズは点火特性が変更された。外装はZ-T仕様に6JJ14インチアルミホイールが標準装着され、車体色はブルー/シルバーの2トーンカラー(マンハッタンカラー)がZ-T仕様にメーカーオプションとして追加された。標準色にはダークグレーが新設されるとともにゴールドが廃止され、計8色となった。ハロゲンヘッドランプが全車に標準装着された。内装はフロントシートにシートベルトフックが採用され、2by2の内装色に黒が追加された。またマニュアルトランスミッションの5速ギア比が変更され、燃費が向上した。2by2のリアサスペンションはショックアブソーバーが変更され、乗り心地が向上した。

1980年11月
国産車で初めてTバールーフ仕様車を追加。クローズドボディの居住性を持ちながら、ハッチガラスを取り外すとオープンカーなみの開放感・乗降性が得られた。塗色はイエローとシルバーが廃止され、Tバールーフ専用色としてブラック/シルバーの2トーンカラーが追加された。また2000ccシリーズに「ニッサンECCS」が採用された。後期型の280Z-TのTバールーフ仕様車をガス圧開閉式セミガルウィングウィンドウに改造された劇中車が日産提供のテレビドラマ『西部警察』に登場するパトロールカー「スーパーZ」として使用された。

1981年
北米でL28ET型エンジンを搭載した280ZXターボが誕生。最高出力は180馬力を発揮した。ターボ専用装備としてボンネットのNACAダクト、15インチアルミホイール(通称スノーフレーク)、デュアルエキゾースト等が採用された。変速機は強度不足からマニュアルトランスミッションは採用されず、オートマチックトランスミッションのみとなった。(1982年モデルからはボルグワーナー社T-5マニュアルトランスミッションが選択可能となった。)自然吸気モデルもホイールデザインやオーディオ等が変更された。初代に引き続きS130もアメリカでは大ヒットとなり、1年足らずで生産台数10万台を突破した。(L28ET搭載車は日本の型式申請が通らなかった。)

1981年10月29日
マイナーチェンジを受けて後期型となり、仕様・装備の充実が図られた。2800ccシリーズのエンジン出力向上(155馬力、トルク23.5kg-m)、2000ccシリーズのオートマチックトランスミッションのロックアップ機構の採用、サスペンションのチューニングによる操縦安定性の向上、その他全体的な軽量化により動力性能が向上した。オーバーライダー一体型のカラードパンパーの採用、ボンネットのNACAダクトの採用、テールランプ及びセンターピラーフィニッシャーの形状変更、新デザインのアルミホイールの採用等により外観がリファインされた。排気系はテールチューブが短縮され、マフラーの出口が右側から左側に変更された。応急用タイヤには国産車で初めて折りたたみ式のスペースセーバータイヤが採用された。リヤブレーキは新開発のパーキングブレーキ内蔵型のコレット型ディスクブレーキが採用され、マスターシリンダーがリザーバータンク一体型になった。またパワーステアリングがラック・アンド・ピニオン式になった。2by2ではリヤサイドウインドウの開閉がリモコン式となった。塗色はホワイト、ワインメタリック、レッド、ブラック/シルバー、グレーイッシュグリーンメタリック、ブラックメタリックの計6色となった。内装色はブラックが廃止され、ベージュ、レッド、ブラック/シルバーとなった。Z-T仕様車にドアキー照明とセキュリティイルミネーションシステムが採用された。オーディオシステムはZ-T仕様車にAM-FMステレオ電子チューナー、プリメインアンプ、メタル対応ドルビーNRカセットステレオデッキ及びフルオートアンテナが採用された。空調はエアコン配管の接続がOリング方式となった。第24回東京モーターショーにアメリカ合衆国で開催されていたレースSCCA (Sports Car Club of America)に参戦していた「DATSUN ZX TURBO V-8」を参考出品。FRP製のボディにプレジデント用のV8エンジンをベースにターボを組合わせたレーシングカーである。

1982年10月
歴代フェアレディZ初のL20ET型2.0Lターボエンジン搭載モデル「フェアレディZターボ」が追加。日本車初の60%偏平率タイヤとなる215/60R15装着車だった。当時はこれが『超ワイドタイヤ』と呼ばれた。
1983年
初代からの累計台数100万台を達成。
2代目の生産台数は5万1737台[6]。

解説:Wikipediaより

旧い車のカタログやミニカーやレコードなどをコレクションしてきました。たくさんの方々に見てもらえたらいいなと思っています。
少しづつ展示して参りますので宜しくお願いします。 

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