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Pliomera fischeri
これは二代目のプリオメラで、当初からかなりアラが目立った。 しかし、これ以上に姿勢のよい、頭部の造作が理想的な、ハイポストマまでついた標本はなかなか見当たらない。 このプリオメラという種類は、かつてはそれなりの数が出ていたのに、最近ではふっつり見かけなくなった。 今後はどんどん稀少になっていくのではないか。 本標本は一見ぼろぼろだが、その目をルーペで見ると、微細な複眼の構造が保存されてる。 これもやはり私がこの標本を手元においている理由のひとつだ。 というわけで、いろいろと見どころの多い標本であることは確かだが、やっぱりどうしても気になるのはその全体のくたびれ具合と、母岩から外れている点だ。 これはまあ、諦めるしかないですね。 全長:40mm
Unknown ORD Russiaktr
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Cupulocrinus sp.
オルドビス紀オンタリオ産のウミユリ。 詳しいことはわからないけれども、おそらくそれほどレアなものではないはず。 佇まいは前に登録したウミリンゴとよく似ている。 咢の部分がややつぶれ、羽肢もややばらけているが、全体としてはほどよく保存されている。 ウミユリはその名のとおり植物にも似ているが、私にとって魅力的なのはその動物的な部分、端的にいえばエイリアンを思わせる体制にある。 この動物的でもあり植物的でもあるところがウミユリの最大の魅力ではないかと思うが、どうか。 サイズは本体約120㎜。
unknown ORD Ontario, Canadaktr
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Nobiliasaphus nobilis
バランドとブロンニャールとに導かれて、だいぶ前から気になっていたもの。 産地はフランスのレンヌの南にある St. Aubin des Château で、時代はオルドビス紀(Darriwilien)、本体サイズは65㎜。 これを購入したいきさつその他については LAB のほうにだいぶ書いたので、ここでは繰り返さない。 あれだけ騒いでおいてかんじんの標本を出さないのは不都合のような気がするので、とりあえず写真を撮ってアップすることにした。 こんなもので騒いでいたのか、とどうぞお笑いください。 私を惑わす元になったバランドの Opsimasaphus nobilis とブロンニャールの Ogygia guettardi の画像もついでにアップしておきます。
unknown ORD South of Rennes, St. Aubin des Chateau, Francektr
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Colpocoryphe rouaulti
カリメネ家の三兄弟である Neseuretus、Salterocoryphe、Colpocoryphe は、いずれも欧州や北アフリカで産出する一般種だが、私はこの三つはフランス産で揃えたいという願望がある。 なぜかを書き出すと長くなるのでやめておくが、今回の Colpocoryphe はフランスの Massif Armoricain というところで採れたもので、モロッコ産かと見まがうほど保存がよい。 サイズも37mmとまずまずの大きさだ。 なによりも顔つきが愛らしく、とても癒される。 Neseuretus は前にアップしたので、残るは Salterocoryphe だが、運よく見つけられるだろうか?
unknown ORD Massif Armoricain, Francektr
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Pleurocystites squamosus
オンタリオのオルドビス系から産出したもの。 海林檎は三葉虫などと比べると知名度は低いが、その奇妙な体制は見る者に訴えるものをもっている。 本種は海林檎のなかでは多産し、かつ保存もよいので、もっともよく市場に出回っている。 私もこれ以外の海林檎はもっていない。 この標本では苞は平らになっているが、本来はもっと立体的で、リンゴのように丸みを帯びていたらしい。 本種には孔菱と呼ばれる菱形の器官がある。 前方の二つはまるで目のようで、苞の全体が人間の髑髏のように見えなくもない。
unknown ORD Ontario, Canadaktr